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2014年10月26日日曜日

UFC 179: Aldo vs. Mendes 感想

Featherweight Jose Aldo vs. Chad Mendes
 パンチだけのメンデスと、どっからでも出せるアルドー、それだけでアルドー予想であった。
 もちろんメンデスにはレスリングがあるが、アルドーのテイクダウン・ディフェンスは超人的であり、おそらく打撃戦になるであろう、という前提での話である。

 しかし、試合が始まってみると、アルドーはいつもの研ぎ澄まされたような反応のいいディフェンスは見せず、前足に重心を置いた腰高の体勢でぐいぐいと接近してゆく。はじめから殴り合いに行くつもりで試合に臨んだかのようであった。

 メンデスは良かった。
 お株をうばうようなローが序盤にまともにヒットしていた。
 また左でフェイントしてからの右のアッパーが何度か当たったし、アルドーをかなりぐらつかせていた。ふつうの選手であればメンデスの強打が当たった時点で勝敗がついていたであろうけど、この試合でアルドーがとてもタフで打たれ強いということもわかった。

 試合後、残念そうなメンデス選手だったけど、「すんげえ面白い試合だったよ」というすがすがしい一言が印象的であった。記者会見でも、すがすがしいの一言であった。
「自分にとっての夢のような試合、すべてを出し尽くした。わずかに及ばなかったにせよ、こんな試合がやりたかったんだし、そしてできたとおもう。試合のビデオを見直して、またよく研究するさ」
 観てる方も、すんげえ面白かったよ。

 数ある名勝負には、血みどろであったり、両者ともに泥のように疲れきって5R闘いぬくというのが多いが、この試合は最後の最後まで高いレベルを保った試合であり、またどっちが勝つか、どっちが倒れるかわからない、名勝負だった。
 私の目には、この試合がUFC史上いちばんの名勝負にみえた。

 Mendes: 'Man I just love doing this. This is my job. This is what I've doing this for a little over 6 yrs. This is what I am.
 ... I just keep doing what I luv to do and just enjoy the ride man and I'm loving every second of this."
 こういうこと言えるような仕事したいね。


Light Heavyweight Glover Teixeira vs. Phil Davis
 強打のテシーラは撃ちあいは滅法強いけど、足の速い相手に対して鋭く踏み込めるタイプでなく、リーチがあって柔らかく脚が速いデイヴィスには大苦戦するんじゃないかと予想していたが、そのとおりになった。

 テシーラのパンチがかすめるたびに観客はバカ騒ぎしてるけど、テシーラのパンチの速さより、デイヴィスの逃げの脚の方が速かった。


Featherweight Darren Elkins vs. Lucas Martins
 研ぎ澄まされたような綺麗な闘い方をするマルチンスは25歳で14勝1敗という好成績だが、今日の曲者エルキンスには苦戦するだろうと予想した。
 
 実際、マルチンスの打撃は小さく地味ながら鋭く、要所要所で相手の顔面をとらえていたし、エルキンスも効いていたかんじだが、エルキンスは動きを止めることなく最後まで動き続けた。それが良かったんだろう。

 スプリット判定でエルキンスであったが、審判全員が30-27という一方的な採点てのも珍しい。審判の好みによって判定が大きく分かれる試合であろうという気がした。


Lightweight Carlos Diego Ferreira vs. Beneil Dariush
 ブラジルの若くて無敗のフェレイラは、いかにも才能ありげなやさしい顔立ち。一方のダリユシはイランの選手も端正な顔立ちで、べた足で擦り寄ってタイミングよく切れ味のいいパンチを出す。彼の相撲のよしあしが勝敗を決めるんでないかという予想をしていた。

 ダリューシは打撃主体の選手かとおもったら、柔術三段のブラジル人相手にかかんにテイクダウンとりに行ってる。とおもったらダリューシも柔術黒帯だったのか、どうりで寝ても自信満々なわけだ。ていうか柔術だけの選手てのは総合格闘では完全に通用しなくなってきている。

ダリューシは優秀な家系の出らしく身内は弁護士だの医者だのばかりとのこと。しかし格闘家でもボクサーでも、超一流アスリートは学歴インテリなんて比較にならぬ程に頭脳明晰であるとおもうので、べつにさほど驚くことでもない。


Welterweight William Macario vs. Neil Magny
 若いのに老獪なたたかい方をする若きパトリーノであったが、マグニーがリーチを生かして圧倒した感じであった。
 パトリーノは序盤こそ風切り音の思想な左フックを空振りさせて、これは、とおもわせたが、強振したのよりもやはり真っ直ぐをしっかり出せる方がつよいのである。
 

Lightweight Yan Cabral vs. Naoyuki Kotani
 小谷は序盤はよかったのに、変な上段まわし蹴りなんてやって滑って転倒して、そのどさくさでパンチに肘を顔面にもらって、それから動きが鈍って、相手のペースになった。

 終わってみれば結果がすべて。裸締めのタップアウトで小谷の完敗である。