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ツィッタ―始めました。
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2014年12月7日日曜日

UFC 181: Hendricks vs. Lawler II

Welterweight Johny Hendricks vs. Robbie Lawler
 今日のヘンドリクスも終始「冴えない」という印象だった。過剰な期待かもしれないが、ズバッと踏みこんでくりだす稲妻みてえなヘンドリクスの左が見たかったのだけど、不発であった。ヘンドリクスは終始テイクダウンを狙い、それが見栄えを悪くしていた。コンボでヘンドリクスが押す場面も目立ったが、きれいなクリーンヒットはローラーの方が多かったし、受けたダメージもヘンドリクスの方が多かったようにみえた。
 ローラーの方が技は多彩であったし、詰めの場面での鬼神というか仁王様のような気合いも満点であった。

 私的には踏み込みが速いヘンドリクスの方が好きだったのだが、こういう試合を続けるのであればむしろローラーが王者になってくれた方が観ていて面白いので、今日の王者交代は私としては歓迎である。
 おめでとう、ロビー・ローラー!


Lightweight Anthony Pettis vs. Gilbert Melendez
 序盤からメレンデズがぐいぐい距離をつめめて、対策してきたであろう通りの試合展開をみせ、あわやという感じがしたが、ペティスが要所要所で小さく地味ながら実に的確なカウンターを当てていた。
 最後は一気にギロチン・チョークで、勝負がついた。つよい、天才ペティス。


Heavyweight Travis Browne vs. Brendan Schaub
 予想通り序盤のシュワブは慎重で上に下にテイクダウン狙いにとセオリーどおりに攻めるが、出鼻にブラウンのアッパーが当たり、それで勝負がついた。


Heavyweight Todd Duffee vs. Anthony Hamilton
 ダフィーは勝ちも負けもオール・ノックアウト、今日も闘牛のようにぶつかりあい、しょっぱなから身のすくむようなパンチの相撃ち狙いであった。
 ダフィーの渾身の右がハミルトンの耳の上、頭蓋の平らな側頭部にまともに当たった。ハミルトンの後遺症が心配である。


Lightweight Tony Ferguson vs. Abel Trujillo
 トルヒロの一方的な試合になるかとおもいきや、岩石みたいな肉体のファーガソンがタフネスさを生かして前へ前へと出て、なかなか面白い試合になった。
 しだいにスローダウンしてくトルヒロを追い回すようになり、最後は強引にうしろから締め上げて試合を決めた。

 勝利者インタビューでは「ジーザスがどうしたこうの」とかいう選手ばっかりな中、誰か自分ちの犬だとか、おばあちゃんについて言わないかな、とずっとおもってたのだけど、トニー・ファーガソンの第一声は実家のおばあちゃんだった。いいぞ岩石トニー、気に入った。


Preliminary card
Bantamweight Urijah Faber vs. Francisco Rivera
 序盤から距離をよく支配していたのはリベラだったようにみえた。フェイバーの速い踏み込みがよく見えていたようで、それを力強いパンチで迎えていた。テイクダウンもすべて防いでいたし、かなり対策を練ってきていたのだろう。

 2Rにフェイバーのジャブながれの指先がリベラの眼窩にはまったかのように吸いついて離れなかった。レフリーの死角だったようで、うずくまるリベラにフェイバーが襲いかかり、そのままブルドッグ・チョークでフィニッシュしてしまった。
 リベラにとってとても残念な試合であった。


Middleweight Eddie Gordon vs. Josh Samman
 サマンはバランスわりいわ、ゴードンはデンデケ太鼓みたいなパンチしか出せんわで、なんだかアウトサイダーみたいなレベルの試合であった。バランス悪いどうしがグラウンドでもつれてると、格闘というより互いに強姦しあってるようにすらみえるな。

 サマンの左上段まわし蹴りが顔面にモロに当たって見事な一発ノックアウトであったが、しかし緊迫感のなくなりヨソ見しちゃうような試合展開で急にこういう大技で決まっても、なんだ見損ねたわ、ぐらいにしか感じられない。


Light Heavyweight Corey Anderson vs. Justin Jones
 新人同士の対戦、ジョーンズはあきらかな準備不足で、口をあけて息をしていた。
 コリーアンダーソンは組んだ状態からつるりと体を入れ替えるように相手のバックに回るのがうまい。
 ジョーンズは躊躇せずぐいぐい前に出る選手なのだが、せっかく前進しながら無防備な左フックから入れば、カウンターをもらうのは当然であろう。それを恐れてか手足がちぐはぐになることもしばしばであった。

 どちらも決め手に欠く選手であった。


Women's Bantamweight Raquel Pennington vs. Ashlee Evans-Smith
 相手の頭を小脇に抱えるようにしたブルドッグ・チョークという荒業でペニントンが初回終了と同時にエヴァンス・スミスを絞め落とした。


Bantamweight Sergio Pettis vs. Matt Hobar
 セルジオは若くて才能もあってうまいのだけど、わりあいと相手のパンチを不用意にもらう癖があり、それゆえに闘いぶりも臆病で、ポイントをとって勝ちが確定とわかると、とたんに攻めるのをやめてしまうようなところがある。
 まだ若いペーペーなのだから、もうちょっとむちゃぶりを発揮してほしいようにおもう。

2014年12月4日木曜日

UFC 181: Hendricks vs. Lawler II 予想

Welterweight Johny Hendricks vs. Robbie Lawler
 前回の試合前に右腕二頭筋の腱を断裂していたというヘンドリクスであったが,やはり試合内容は冴えないものだったように記憶している。私は試合中にどちらかの拳を骨折したのかとおもっていた。
 術後どれだけ復調し,またトレーニングがどれだけ充実したかにもよるが,もし万全な体調で臨むのであれば,私はヘンドリクスが圧倒するだろうと予想している。

 たしかにこの数試合のローラーは鬼神のようなつよささえ感じられたが,その相手は必ずしも最頂レベルの選手とはいえない。私は踏み込みの速さ,一発の強さ,テイクダウン能力どれをとってもヘンドリクスが勝るとおもう。

 ヘンドリクス予想 by TKO。


Lightweight Anthony Pettis vs. Gilbert Melendez
 ペティスの膝がどれだけ復調しているかだろう。

 派手で多彩な蹴り技で知られるペティスだが,前回ベンドを倒したのは地味な腕十字だった。メレンデズのボクシング能力は高いが,私はペティスが一枚も二枚も上手だろうとおもう。

 ペティス予想 by 絞め技。


Heavyweight Travis Browne vs. Brendan Schaub
 これも容易に予想できる試合だろう。シャウブには足がありボクシングがうまいが,あまりケンカのつよい選手ではない。シャウブがポイントを稼ぐような試合をしても,まずブラウンの強打が一発でも当たれば,そこで試合は決まるのではないか。

 ブラウン by TKO。


Preliminary card
Bantamweight Urijah Faber vs. Francisco Rivera
 スター選手ともいえる元チャンピオンのユライヤ・フェイバーが前座で登場するようになったか。
 相手のリベラは水垣と競って敗れている。まずユライヤがいつものように一本勝ちするのではないか。

 フェイバー予想 by 裸締め一本。

2014年11月23日日曜日

UFC Fight Night: Edgar vs. Swanson

Featherweight Frankie Edgar vs. Cub Swanson
 レスリング力で差が出た。相撲でもエドガーは強引なだけでなく、相手の力を読んでの引き手がうまく、押しておいてスッと逆に引くと相手が前に倒れるという、往年の千代の富士のようなうまさがあった。

 内容で勝っていながらも、逃げたり時間を稼いだりせず、最後の最後まで相手を攻め続け、最後に首をねじるようにしてスワンソンからタップをとった。まったく大した選手である。

 今日の興行は全般的にがっかりするような内容の試合が多く、途中パッキャオの試合なぞ観たりしたが、この最後の試合だけは見ごたえがあった。


Lightweight Bobby Green vs. Edson Barboza
 グリーンはいつぞやの須藤元気選手のような変則的なスタイルでバルボザに対峙、バルボザは終始マイペースで王道の攻めをみせた。グリーンの反応は良かったが、攻め続けたバルボザの方が一枚上手であった。
  


Flyweight Brad Pickett vs. Chico Camus
Heavyweight Oleksiy Oliynyk def. Jared Rosholt

 ファンも目が肥えてきてんだから、UFCももっと質の高いカードを並べないと、ファンが離れてくぞ。メインカードにしては低レベルな試合が二試合ほど続いた。


Flyweight Joseph Benavidez vs. Dustin Ortiz 

 今日のベナヴィデズはガードも低いし、ナックルがかえってない雑なパンチが目立ち、また強引なところがあり、いつもの格闘の教科書のようなベナヴィデズじゃなかった。またオーティズもおそろしくタフな選手で、かなりいいパンチや蹴りが顔面をとらえていたはずだが、オーティズは倒れなかった。
 ベナヴィデズが勝ったものの、内容は決してよいとはいえなかったようにおもう。


Lightweight Matt Wiman def. Isaac Vallie-Flagg
 ワイマンは接近時の肘の使い方が上手であったが、両者ともに打撃も締めも切れ味がいまひとつであった。


Heavyweight Ruslan Magomedov vs. Josh Copeland
 まるで素人の試合であった。マゴメドフには技術があるのだろうけど、まったくもって重量級らしからぬナマクラな打撃で、観ていてイライラしてくるような試合であった。

 ジョシュ・コウプランドはうごくたんびに腹の贅肉がゆらゆらと揺れていて、とても現代格闘の選手とは思えない。一体どうしたんだUFCというかんじである。


Middleweight Luke Barnett vs. Roger Narvaez
 八勝一敗のバーネットに六勝一敗のナーヴァエズ、両者ともに戦績がいい。また両者ともに殺人鬼のような風貌。殺るか殺られるか、というような試合を期待。

 ふたを開けてみたら、ナマクラパンチ同士の試合で、両者ともうごきに歯切れがなく、まったくつまらなかった。 



Lightweight James Vick vs. Nick Hein
 戦績のいい両者。とくにヴィックはボクサーだそうだが、KO率はさほどでなく、注目するほどの打撃力はなさそう。中堅どころの退屈な判定試合になるのではないかと予想。

 リーチさがかえって緊迫感を生んで面白い試合になったが、が、この緊迫感は、高いレベルの試合というより、ヴィックが派手な技を出すわりによくパンチがもらいまた打たれ弱い点に起因するようだ。
 また、面白かったのは序盤だけで、後半はヴィックが足をつかって逃げにはいり、なんともつまらない終わり方であった。


Women's Strawweight Paige Van Zant vs. Kailin Curran
 うまく腰をつかったひねりで倒した相手にえげつないパウンドを入れて勝ったペイジ・ヴァンザント選手はまだハタチ。nose-up がキュートなかわいこちゃんである。


2014年10月26日日曜日

UFC 179: Aldo vs. Mendes 感想

Featherweight Jose Aldo vs. Chad Mendes
 パンチだけのメンデスと、どっからでも出せるアルドー、それだけでアルドー予想であった。
 もちろんメンデスにはレスリングがあるが、アルドーのテイクダウン・ディフェンスは超人的であり、おそらく打撃戦になるであろう、という前提での話である。

 しかし、試合が始まってみると、アルドーはいつもの研ぎ澄まされたような反応のいいディフェンスは見せず、前足に重心を置いた腰高の体勢でぐいぐいと接近してゆく。はじめから殴り合いに行くつもりで試合に臨んだかのようであった。

 メンデスは良かった。
 お株をうばうようなローが序盤にまともにヒットしていた。
 また左でフェイントしてからの右のアッパーが何度か当たったし、アルドーをかなりぐらつかせていた。ふつうの選手であればメンデスの強打が当たった時点で勝敗がついていたであろうけど、この試合でアルドーがとてもタフで打たれ強いということもわかった。

 試合後、残念そうなメンデス選手だったけど、「すんげえ面白い試合だったよ」というすがすがしい一言が印象的であった。記者会見でも、すがすがしいの一言であった。
「自分にとっての夢のような試合、すべてを出し尽くした。わずかに及ばなかったにせよ、こんな試合がやりたかったんだし、そしてできたとおもう。試合のビデオを見直して、またよく研究するさ」
 観てる方も、すんげえ面白かったよ。

 数ある名勝負には、血みどろであったり、両者ともに泥のように疲れきって5R闘いぬくというのが多いが、この試合は最後の最後まで高いレベルを保った試合であり、またどっちが勝つか、どっちが倒れるかわからない、名勝負だった。
 私の目には、この試合がUFC史上いちばんの名勝負にみえた。

 Mendes: 'Man I just love doing this. This is my job. This is what I've doing this for a little over 6 yrs. This is what I am.
 ... I just keep doing what I luv to do and just enjoy the ride man and I'm loving every second of this."
 こういうこと言えるような仕事したいね。


Light Heavyweight Glover Teixeira vs. Phil Davis
 強打のテシーラは撃ちあいは滅法強いけど、足の速い相手に対して鋭く踏み込めるタイプでなく、リーチがあって柔らかく脚が速いデイヴィスには大苦戦するんじゃないかと予想していたが、そのとおりになった。

 テシーラのパンチがかすめるたびに観客はバカ騒ぎしてるけど、テシーラのパンチの速さより、デイヴィスの逃げの脚の方が速かった。


Featherweight Darren Elkins vs. Lucas Martins
 研ぎ澄まされたような綺麗な闘い方をするマルチンスは25歳で14勝1敗という好成績だが、今日の曲者エルキンスには苦戦するだろうと予想した。
 
 実際、マルチンスの打撃は小さく地味ながら鋭く、要所要所で相手の顔面をとらえていたし、エルキンスも効いていたかんじだが、エルキンスは動きを止めることなく最後まで動き続けた。それが良かったんだろう。

 スプリット判定でエルキンスであったが、審判全員が30-27という一方的な採点てのも珍しい。審判の好みによって判定が大きく分かれる試合であろうという気がした。


Lightweight Carlos Diego Ferreira vs. Beneil Dariush
 ブラジルの若くて無敗のフェレイラは、いかにも才能ありげなやさしい顔立ち。一方のダリユシはイランの選手も端正な顔立ちで、べた足で擦り寄ってタイミングよく切れ味のいいパンチを出す。彼の相撲のよしあしが勝敗を決めるんでないかという予想をしていた。

 ダリューシは打撃主体の選手かとおもったら、柔術三段のブラジル人相手にかかんにテイクダウンとりに行ってる。とおもったらダリューシも柔術黒帯だったのか、どうりで寝ても自信満々なわけだ。ていうか柔術だけの選手てのは総合格闘では完全に通用しなくなってきている。

ダリューシは優秀な家系の出らしく身内は弁護士だの医者だのばかりとのこと。しかし格闘家でもボクサーでも、超一流アスリートは学歴インテリなんて比較にならぬ程に頭脳明晰であるとおもうので、べつにさほど驚くことでもない。


Welterweight William Macario vs. Neil Magny
 若いのに老獪なたたかい方をする若きパトリーノであったが、マグニーがリーチを生かして圧倒した感じであった。
 パトリーノは序盤こそ風切り音の思想な左フックを空振りさせて、これは、とおもわせたが、強振したのよりもやはり真っ直ぐをしっかり出せる方がつよいのである。
 

Lightweight Yan Cabral vs. Naoyuki Kotani
 小谷は序盤はよかったのに、変な上段まわし蹴りなんてやって滑って転倒して、そのどさくさでパンチに肘を顔面にもらって、それから動きが鈍って、相手のペースになった。

 終わってみれば結果がすべて。裸締めのタップアウトで小谷の完敗である。

 

2014年9月28日日曜日

UFC 178: Johnson vs. Cariaso 試合後感想

Flyweight Demetrious Johnson vs. Chris Cariaso
 やっぱジョンソンがてんで強い。相手のうごきとくらべるとジョンソンの動きは早送りのようであった。最後は右腕を極めてタップ。

  これで今回の予想は全問正解ときたもんだ。


Lightweight Donald Cerrone vs. Eddie Alvarez
 初回、ムエタイクリンチで組んだセローニが膝を出すタイミングを狙ってる間、アルヴァレズが執拗に右のフックをセローニの耳の後ろのあたりに何度も当てていた。それが効いていたようで、初回のセローニはいまひとつ冴えず、パンチをまともにもらう場面もあった。
 が、二回以降は右のローキックがよく当たり、それが突破口となってセローニのペースになっていった。
 アルヴァレズもいいファイトをみせてはいたが、やはり百戦錬磨のセローニの方が一枚上手であった。


Featherweight Dustin Poirier vs. Conor McGregor
 序盤、ポエリエの方がパンチのタイミングがよく、マッグレガーは豪傑ぶってかノーガードで接近する場面が多く、あまり感心できなかった。
 が、さすがにマッグレガーはハードパンチャーである。接近してパンチが交錯した際に出した左のフックがポエリエの耳の後ろのあたりをかすめ、それが効いてしまった。すかさずパウンドを入れて試合を決めてしまった。
 総合格闘の薄いグラブがあの辺にあたると、かなり三半器官に衝撃を与えてしまうのだろう。グラブの大きなボクシングでは絶対起こりえない勝負の決まり方であった。


Middleweight Tim Kennedy vs. Yoel Romero
 ロメロが終始優位に試合を進めていた。距離で支配し、右のローで牽制した後のよく伸びる左のパンチが当たっていた。
 喧嘩師のケネディーも最後まであきらめずに、あれこれと試し、2Rの最後で右のアッパーに感触を得たらしく続けざまに放ち、またそれがよく当たり、ロメロはノックアウト寸前になった。がしかし残念ながらそこで二回終了のブザー。

 3R開始時にロメロはまだ椅子から立ち上がらず、試合放棄かと思わせる場面があったが、始まってみればパンチが当たり、それが勝敗を決めてしまった。
 ケネディーもチャンスをあと一歩でものにしかけたが、やはり神の兵士ロメロはつよい、という印象。

 残念なのは勝利者のロメロに対しての会場の執拗なブーイング。せっかくこれだけの才能もった選手なのに人気がさっぱり出ないと売れる興行が組みにくく、なんとも残念なアメリカ特有の現象ともいえる。


Women's Bantamweight Cat Zingano vs. Amanda Nunes
 無敗なので期待してみてたが、いかにも女子格闘らしいというか、冴えないナマクラな打撃戦であった。死闘してるのに素人がこんなこと言って悪いのだけど、つまんねえ試合だった。
 打撃のつよい選手ときいたが、元柔道家のロンダ・ラウジー選手がこないだデイヴィスに放ったパンチの方がはるかに強力であった。ズィンガノが無敗だか知らぬが、あれではまずロンダには勝てない。
 女子格闘が男子の興行におんぶせず独自に客寄せができる日てのはまだまだ先のようだ。


Bantamweight Dominick Cruz vs. Takeya Mizugaki
 クルーズがブランクを経て切れ味を増して帰ってきたような印象であった。水垣のパンチはすべて見えていたし、また足も速く、まったく寄せ付けなかった。飛び込んでのテイクダウンも完璧で、まるで天才的な強さであった。
 これでバンタム級はまた面白くなった。水垣は残念であったが、応援してる間もなかったというかんじである。


Lightweight Jorge Masvidal vs. James Krause
 膠着した試合であり、いちおう観戦していたが、勝負どころが無くなんともダレた試合であったという印象。

2014年9月26日金曜日

UFC 178: Johnson vs. Cariaso 予想

Flyweight Demetrious Johnson vs. Chris Cariaso
 つまらない予想だけどまず間違いなくマイティマウスが勝つであろうね。
 なんでメインでこんなカードなのかちょっと理解できない。

 よほどの間違いがないかぎりジョンソン予想。


Lightweight Donald Cerrone vs. Eddie Alvarez
 ベラトーアの第一線で活躍してきたアルヴァレズがUFCに参戦するのだが、元王者だけに案外セローニを圧倒してしまうのかもしれない。が、私は勝負師のセローニが負けるとも思えない。ていうかUFCの門番長であるセローニに勝ってもらいたいという期待もこめて、セローニ予想。


Featherweight Dustin Poirier vs. Conor McGregor
 若いホープ同士の対戦。
 フェザー屈伸のストライカーであるマッグレガーだが、ポエリエもタイミングよくソリッドなパンチを当てる選手である。ただ、ポエリエはダレた試合も記憶に残っているだけに、私的にはマッグレガーの爽快な打撃に期待したい。

 マッグレガー予想。


Middleweight Tim Kennedy vs. Yoel Romero
 むしろこの試合をメインにした方が面白かったのではないかと思えるぐらい、興味ぶかい試合。
 ロメロはレスリングのメダリストであり、自身の年齢的な限界を熟知しており、自身の持ち駒でもってどうやったら勝てるかということを熟知しているという印象。才能ある若きタヴォーレスを圧倒したのは特筆すべき。
 元職業軍人のケネディも一流の喧嘩上手だが、私はロメロが上回るのではないかという気がする。

 ロメロ予想。


Women's Bantamweight Cat Zingano vs. Amanda Nunes
 無敗のズィンガノの闘いぶりをとくと拝見したい。
 
 まずズィンガノ予想。
 

Preliminary card (Fox Sports 1)
Bantamweight Dominick Cruz vs. Takeya Mizugaki
 三年ぶりぐらいで格闘に復帰する元チャンピオンのクルーズだが、ブランクが長すぎたのではないかという気がする。
 それでも出入りに一か八か感がつよく根性で勝ってきたように水垣に対して、テクニックで圧倒してしまうのではないかという気がする。
 私は水垣ファンなので応援するが、クルーズがバンタムにどれだけ旋風を巻き起こすか興味ぶかくもある。

 クルーズ予想。

2014年7月3日木曜日

UFC 175: Weidman vs. Machida 予想

Middleweight Chris Weidman vs. Lyoto Machida
 これは非常に楽しみな一戦。
 体格と才能にめぐまれ,伝説的な強者アンデウソン・シウバを二度も破っているワイドマンが,空手家のマチダにどう対処するか。

 マチダが完敗した試合というと,ショーグンに敗れたときと,ジョン・ジョーンズに敗れたときの二回だけだろうか。いずれもマチダのカウンターを誘っておいて,それに対し瞬息一か八かのタイミングで自分のパンチを当てたことが,試合を決めている。とくにショーグンの勝利はそれが顕著で,側頭部への右のクロス一発で勝負を決めていた。ジョーンズ戦ではギロチンでやられたのがあまりにもインパクトが強いのだが,序盤マチダの距離で展開していたあの試合の流れを変えたのは,マチダが飛び込んできたときにジョーンズが変則的な小さなパンチをマチダの顎に当てた瞬間であったとおもう。マチダは一瞬マットに両手をついた。それ以降あきらかにマチダが押され始めたようだった。

 というわけで,ワイドマンが勝つためには,やはりマチダの飛び込みに対してどれだけ反応できるかにかかっているようにおもう。
 ワイドマンというと,マーク・ムニョスに対して見事な肘のカウンターを当てたこと,アンデウソンのローキックに対して膝を合わせて足を折ってしまったことなどが記憶に新しい。ああいったことがマチダに対してもできればワイドマンが勝てるチャンスは大いにあるのではないか。

 組んだとしたらどうであろう。
 ワイドマンはレスラーであるが,マチダはおそろしく相撲がつよく,また空手特有の“てこ”の原理を利用したかのような崩し技ももっている。ワイドマンがマチダからテイクダウンをとるのは難しいのではないか。やはりこの試合は打撃戦になるとおもう。

 打撃戦といえば K-1 で鳴らしたムサシに対して,マチダは完全に距離で翻弄していた。これはかなり評価すべきことだとおもう。またこれまでのマチダの対戦相手は全部トップレベルの選手であり,ワイドマンよりもはるかに試合経験が豊富である。

 というわけで,私は,マチダが勝ってしまうのではないかとおもう。
 距離をとるかにみせて,ワイドマンの出鼻に何か一発,おそらく前蹴りか何か強烈な蹴り技をカウンター気味に当てて,ノックアウトしてしまうのではないかという気がする。

 よってマチダによるノックアウト,盟友アンデウソンの仇うち予想。
 

Women's Bantamweight Ronda Rousey vs. Alexis Davis
 ボクシングにおいてデイヴィスの方がはるかに上手いだろうとおもうが,現在の女子格闘においてパンチが勝敗を決定づけることはまず無いであろうとおもわれる。結局決定力の違いが出てロンダ・ラウジーが勝つのではなかろうか。

 うつくしいロンダ様による腕ひしぎ十字固め予想。


Heavyweight Stefan Struve vs. Matt Mitrione
 ストルーヴの復帰戦であるが,前回のマーク・ハントによる壮絶なノックアウトの後遺症としての反応の鈍りがどれだけ深刻かによるとおもわれる。

 ミトリオーネ予想


Middleweight Uriah Hall vs. Thiago Santos
 空手マンで全身凶器のホール,攻撃力はかなり高いが,相手に攻められたとき必ずしも反応のよい選手でなく,相撲もさほど腰の粘るほうでない。

 サントス予想。


Preliminary card
Bantamweight Urijah Faber vs. Alex Caceres
 カラテ・キッドのケンポー野郎ブルース・リロイことアレックス・カセレス,前回ペティス弟相手に金星をあげたことで瞠目させられたが,やはりこの人の弱点はなんとなく体幹の力の弱いところだろうか。全身に力がみなぎっているフェイバーに勝てるとはとても思えない。

 絞めによるタップアウトでフェイバー予想。

2014年6月27日金曜日

UFC 174: Johnson vs. Bagautinov

Flyweight Demetrious Johnson vs. Ali Bagautinov
 ジョンソンが速さでも心肺能力でも勝るとおもわれ,バガウチノフがどれだけ虚をつくなり突飛な攻めをみせるかに注目していたが,予想通りの内容であった。やはりジョンソンはつよい。


Welterweight Rory MacDonald vs. Tyron Woodley
 一発に爆発力があるウッドレイに対し,距離をとって慎重に攻めるタイプのマクドナルドがどういう作戦で臨むか興味ある一戦であったが,マクドナルドはウッドレイの強打を恐れずに前へ前へと出て行った。それがよかった。パンチもすべて真っ直ぐで,ウッドレイが強振すれば前に出てツボを外した。強打者に対して教科書のような攻めであった。


Light Heavyweight Ryan Bader vs. Rafael Cavalcante
 ベイダーが作戦どおりに距離をとって終始丁寧に試合を進め,見事に判定勝利を収めた。
 一流アスリートらしく作戦が功を奏するとなかなか弱点の無い選手でもある。


Heavyweight Andrei Arlovski vs. Brendan Schaub
 ヘビー級のくせしてダレた試合をかましてくれたものだ。
 アルロフスキの打撃もカウンター待ちのパッとしないものばかりで,とても勝ち試合な内容ではなかった。かといってシャウブも頬を腫らしてがんばってはいたが,褒められるような試合内容とはいえなかった。


Light Heavyweight Ryan Jimmo vs. Ovince St. Preux
 ジンモは一見軽快そうなフットワークで対峙するが,相手の打撃に対してはほとんど反応しない,できない。組めば相撲がさほど強くもない。空手家らしい距離の出入りに集中していたが,それも練習してきたことをしているだけであって,攻めに広がりが感じられなかった。
 セイントプルーの方がサウスポーからおもむろに左を出してきたりと工夫がみられ,また動きも段違いに速かった。
 ジンモの腕が折れて試合終了となったが,そのまま継続してもセイントプルーがノックアウトで勝ってたであろうという気がする。


Lightweight Jason Saggo vs. Josh Shockley
 サゴの見事なすくい投げ,小内刈りなど,立っての相撲がうまいだけでなく,寝技時も体を預けずにつねに腰を起こしたままで,なかなかうまい選手であるという印象。

2014年6月6日金曜日

UFC Fight Night: Henderson vs. Khabilov 予想

Lightweight Benson Henderson vs. Rustam Khabilov
 これは面白そうな一戦,コンバットサンボの達人ロシアのカビロフと,元王者のベンドの対戦。
 カビロフはパンチも蹴りも殺傷能力が高く,またジャーマンスープレクス三連発というまるでリッキー台風(タイフーン)のような荒技をみせたこともある。相撲もつよい。唯一の懸念はカーディオだろうか。ラッシュの後などわりと見た目にはっきりとヘバる選手である。

 ベンドは言うまでもない,ベンドである。足をつかってカビロフの打撃をもらわないように慎重に距離をとるであろう。抜群のカーディオをもった選手であるだけに,どうにかして相手に疲弊させ自分の土俵で戦おうとするのではなかろうか。

 私はカービロフが強引に攻めて勝つとおもう。
 

Lightweight Diego Sanchez vs. Ross Pearson
 強打のピアソンだが,サンチェスを倒せるか,いや無理だろう。

 サンチェス予想。


Flyweight John Dodson vs. John Moraga
 ドドソンという選手,試合中は別人のように精悍な面構えになるから好きである。
 人間離れした運動能力と目のよさ,一発もあり,試合は面白い。この試合もドドソンが圧倒するのではなかあろうか。

 ドドソン予想。


Lightweight Rafael dos Anjos vs. Jason High
 ヌマゴメドフにやぶれたドスアニョスであるが,下半身のしっかりした,かなり実力のある選手である。カーディオにやや懸念ありか。

 ドスアニョス予想


Lightweight Yves Edwards vs. Piotr Hallmann
 ポーランドの26歳ホールマンはレスリング出身である。最近のエドワーズの試合が見所の少ない退屈なものが多いだけに,ここはホールマンが勝つのではなかろうか。

 ホールマン予想。


Bantamweight Erik Perez vs. Bryan Caraway
 どちらも水垣選手に敗れている。
 ペレスはなかなか思い切った振りをみせ,また豪快な投げも放つ,なかなか見ていて面白い選手である。まだ24歳。また面白い試合を見せてほしい。

 ペレス予想。


Preliminary card 
Bantamweight Yaotzin Meza vs. Sergio Pettis
 ペティス弟の登場である。
 前回,ブルース・リロイことカセレスにまさかの不覚をとっただけに,今回は慎重に的確に出てくるだろう。元来才能のある強い選手であり,再戦すればカセレスがまた勝てるとは思えない。
 この試合もペティスが才能を生かした見事な試合をして勝つのではなかろうか。

 ペティス予想。


Welterweight Bobby Voelker vs. Lance Benoist
 ボウルカーははっきりと下降線にきてる感じの選手である。25歳のベノイストが勝たなくてはならない。

 ベノイスト予想。

2014年4月27日日曜日

UFC 172: Jones vs. Teixeira

Light Heavyweight Jon Jones vs. Glover Teixeira
 ジョーンズは後半になって本腰いれて肘を出してくる。それまでは長いリーチを生かしていろんなことをしてくる。今日は序盤にアンディ・フグみたいなかかと落しまでくり出していた。
  
 今日の試合でいちばん決定的な瞬間は,初回に組み合ったときのモロ差しだったテシーラに対して,その右腕をまるでカンヌキに極めるようにしてジョーンズが締め上げた場面だろう。それでテシーラは右肩を傷めたしまったらしい。それ以降テシーラの右はオープンブロー気味となり完全に威力を失ってしまった。残念であった。その状態のまま最終ラウンドまで闘いぬいたのだから大したものだ。
 
 また初回,ジョーンズの回転しての後ろ蹴りがテシーラの右脇腹にまともに入った場面があった。一瞬テシーラは顔をゆがめ,かなり効いたようであったが,それから何事もなかったかのように試合を続行していた。あのときテシーラはあばら骨を折っていたらしい。
 
 中盤以降のジョーンズはリーチを生かした闘い方でなく,終始ケージ際に詰め寄って闘っていた。距離があるとかえってテシーラの強いパンチが飛んで来ることから,あえて距離を詰めたらしい。見事である。ケージ際でのジョーンズの尖った肘がまるでカマイタチのようにテシーラの肉を裂き,今日も勝敗を決定的なものにしていた。

 初回にジョーンズがテシーラの肩を壊した「カンヌキ」は,とくに練習していた技ではなく,レスリング時代からあった暗黙の反則技で,それがとっさに出たものらしい。強い選手というのは繰り返し練習したうごきはもちろんのこと,「こうしたら相手は痛かろう」という攻めをアドリブで反射的に出せる選手のことを言うのだろう。


Light Heavyweight Phil Davis vs. Anthony Johnson
 フィル・ディビスが速さと目のよさで徹底的に誤魔化すかとおもったが,落ちついたジョンソンの反応がよく,デイビスが出るたびに相打ちにして,またことごとく打ち勝っていた。防御カンのいいデイヴィスの顔面にまともに打撃を与えて流血させた選手はおそらくジョンソンが初めてであり,それは高く評価されるべきことだとおもう。

 ジョンソンが頭角を現したことで,ライトヘビー級に新風が吹き込まれたかんじである。これは面白くなった。ジョン・ジョーンズをガスタフソンと再戦させるより,まず先にジョンソンとやらせてみたいものだ。


Middleweight Luke Rockhold vs. Tim Boetsch
 ロックホールドがボウチをまったく寄せ付けなかった。股でボウチの頭を抑えてのキムラ,あっという間に極めてしまって,ほとんど内容を憶えていない。


Lightweight Jim Miller vs. Yancy Medeiros
 オバマ大統領とイチローを足して二で割ったような顔のメデイロスは,うごきも反応もよく決して悪くない選手であったが,ミラーの方が上手であった。ギロチン・チョークであった。今日はギロチンで極まる試合が多かった。


Featherweight Max Holloway vs. Andre Fili
 両者とも二十台前半の若い好選手。フィリが終始力づよい打撃をよく届かせていたが,カーディオがいまひとつで,徐々にホラウェイのペースになっていった。打撃の力強さではフィリが勝っていたが,ホラウェイの打撃はタイミングがよかった。打撃ポイントは五分五分であったが,フィリは明らかに疲弊しており,最後はホラウェイがギロチン・チョークであった。
 

Preliminary card
Flyweight Joseph Benavidez vs. Tim Elliott
 初回は変則的な打撃で翻弄したエリオットのペースだった。何度かいいパンチをベナヴィデスはもらい,苦戦するかに見えた。
 が,徐々に盛り返し,最後はギロチン・チョークであった。フルマウントにちかい状態から両腕ごと足で抱え込んで極めたため,エリオットはタップすることが出来ず,両足をバタつかせてギブアップをアピールしていた。
 試合後ベナヴィデスが意気揚々と「面白い試合だった」と語っていたのが印象的であった。観ていてもスピーディーで面白い試合であった。


Lightweight Takanori Gomi vs. Isaac Vallie-Flagg
 手に汗握るクラシカルな殴り合いの試合は,われらが五味選手が制した。
 いちかばちかの相打ちで殴りあうようなスタイルは五味選手の得意とするところであったが,この日はフラグのコンパクトな右がよくて,最初から大振りしていた五味は苦戦を強いられた。
 このまま五味選手が押されてしまうのかと思ったが,中盤以降はジャブや真っ直ぐのパンチをよく混ぜて出すようになり,またそれがよく当たり,試合は混戦の様相に。どちらが勝ってもおかしくないような試合であったが,五味選手が見事な判定勝ちであった。

 観客から五味コールがわき,彼のアメリカでの人気ぶりがうかがえた。


Women's Bantamweight Jessamyn Duke vs. Bethe Correia
 無敗のコレイアはキックボクシングが上手いが相撲がいまひとつにみえたのは,デュークの柔道技が見事だったからであろうか。


Lightweight Danny Castillo vs. Charlie Brenneman
 ブレンマンもうごきのキビキビした選手であったが,カスティロがマイク・タイソンをそうふつさせるようなかがみ込んでから伸び上がるような右のフックだっただろうか,見事に顎をとらえて,芸術的な一発ノックアウトであった。


Bantamweight Chris Beal vs. Patrick Williams
 射程に入れば爆発するようにつよいパンチを出すビール。ウィリアムスも距離をうんと遠くとって飛び込んでくる身体能力が高くクリエイティブな好選手であった。

 堅実なボクシング主体で攻めていたビールが,最後はおもむろに跳んでの真空飛び膝蹴りであった。センセーショナルな勝ち方。
 これは面白い選手が出てきたものだ。これで9戦全勝。

2014年4月25日金曜日

UFC 172: Jones vs. Teixeira 予想

Light Heavyweight Jon Jones vs. Glover Teixeira
 テシーラはこの階級では最強の挑戦者の一人であることは間違いないと思うが,実力的にはやはりジョーンズの方が一枚上なのではないかとおもう。
 格闘というのはもちろん技術も大事だが,それより何より反応の速さと,そして四肢の長さが大きな勝敗の決め手になっているような感じである。前回ジョーンズがガスタフソンに苦戦したのも,ガスタフソンがタフでなおかつ対策を入念に練っていたからというのもあるだろうが,それ以上に彼がジョーンズに負けない上背とリーチがあったからではなかろうか。

 テシーラはガスタフソンに負けないくらいタフな選手であり,相手のパンチを多少もらっても形振りかまわず相打ち上等でぐりぐりと前へ出て,ずしんずしんとパンチを当て,それで文句無く倒せるだけの強打をもっている。それだけに攻めも防御もやや荒削りのが気になるところ。むしろ彼は寝技をしているときの方が丁寧に闘ってるようにみえる。

 テシーラの強打がジョーンズの体に届くかとなると,難しいのではなかろうか。レスリングの上手いジョーンズは,相撲をとってもなかなか倒せる相手ではないだろうし,リードブローをかいくぐってうまくジョーンズのふところまで入れたとしても,そこには戦慄の肘が待っている。
 テシーラが最強の王者に対して一体どういう組み立てで攻めていくのか,見物だ。

 ジョーンズによるTKO勝ち予想。  


Light Heavyweight Phil Davis vs. Anthony Johnson
 強打のジョンソンであるが,巧者フィル・ディヴィスがまた最悪につまらぬ試合運びでもって誤魔化して判定で勝つのではなかろうか。
 ジョンソンは計量失敗などあってあまり好きな選手ではないが,ここはひとつデイヴィスをノックアウトしてもらいたい。

 デイヴィスの判定勝ち予想。

 
Middleweight Luke Rockhold vs. Tim Boetsch
 ボウチは力があり,当たれば強打であるが,さほど器用な選手とはいえぬいわば典型的中堅どころであり,今後も上位陣に入るのは難しいとおもう。
 一方,ロックホールドはミドル級においては明らかに上位の一員たる選手である。こないだもフィリプーをまったく寄せ付けず,見事な立ち技の連続打撃でもって快勝してみせた。

 この試合,組んでもボクシングしても,ロックホールドが圧倒するとおもわれる。
 
 よってロックホールドによるTKO勝ち。


Lightweight Jim Miller vs. Yancy Medeiros
 寝技師ジム・ミラーは安定感のある選手である。一方,メダイロスという選手はよく知らないのだが,高いKO率に,26歳という若さである。ミラーに勝てたら大したものだ。
 メダイロスという選手に期待しつつ,注目してみたい。


Featherweight Max Holloway vs. Andre Fili
 これは面白い一戦。
 ハワイのホラウェイは22歳という若さ。線は細いが相手をよくみて着実な格闘をする選手。
 一方,フィリの試合は見たことがないのだが,こちらも23歳という若さで,13勝1敗7KOという,とても面白そうな選手である。唯一の1敗は怪我によるものらしい。
 この日いちばんの面白い試合になるのではないかとおもわれ,楽しみな一戦である。
 とくにフィリがどういう選手なのか注目してみたい。
 

Preliminary card
Flyweight Joseph Benavidez vs. Tim Elliott
 先日,ジョンソンにまさかのKO負けを喫したベナヴィデズであるが,主に打撃が主体の選手で,出入りのリズムが小気味よく,パンチも斬れて,基本に忠実を絵に描いたようなかんじというか,格闘の教科書に載りそうなスタイルの選手だ。
 一方,相手のエリオットは,ノーガードでどんどん前へ出てきたりとかなり変則的であり,タフな曲者である。バガウチノフと対戦してかなり苦しめていた。

 これは組み合わせ的にはとても面白そうな一戦だが,エリオットのような変則的な喧嘩スタイルの選手にこそ基本のしっかりした攻めが有効であると思われ,私はベナヴィデズが圧倒するのではないかと思う。

 ベナヴィデスによる判定勝ち予想。


Lightweight Takanori Gomi vs. Isaac Vallie-Flagg

 五味選手,これは勝たなくてはならない試合。とにかく試合のつまらないという印象しかないフラッグ選手に対して,ひさしぶりにスカ勝ちを決めてもらいたい。

 格闘の京人形による豪快一発☆ノックアウト予想。


2014年4月21日月曜日

UFC on Fox: Werdum vs. Browne

Heavyweight Fabricio Werdum vs. Travis Browne
 予想を外すは多々あるけど,この日のように,ここまで全試合の予想が外れる,というケースも珍しい。この試合は私はウェルドゥムの判定勝ちと予想していたのだけれど,世間の大多数はブラウン予想であり,この試合も予想が外れるのではないか,という感じさえした。

 結果的に,私の予想が唯一当たった試合となった。
 しかし,試合内容は,まったく予想外であった。意外にもウェルドゥムが序盤から積極的にどんどん前に出て,がんがんパンチを入れていった。その姿はとても好印象で,それまで嫌いだったこの選手を,少し好きになってしまったくらいだ。
 後半になってウェルドゥムの攻めは丁寧にやや慎重になったが,それでも手を休めず,小さなパンチを顔面に的確に当てていた。ボクシングにおいてブラウンを完全に圧倒していた。

 ブラウンは初回に拳とわき腹を骨折していたらしい。残念ではあるが,やはり私は序盤のウェルドゥムの積極性を評価したい。私が予想したみたいに序盤から慎重に距離をとり寝技ばかり狙っていたら,ブラウンの打撃力が最後まで生きてウェルドゥムは勝てなかったのではなかろうか。
 
 さて,これでウェルドゥムがヴェラスケスに勝てるかどうか,ということであるが,今日の試合をみるに,やはり無理なのではないかと思う。
 試合前から,ブラウンにはスピードがある,という声がよく聞かれたが,私はブラウンは決して速い選手ではないと思う。これまでの試合をみても彼の動きが特別速いと感じたことは一度もなかった。オフレイムを前蹴りでノックアウトした試合があったが,序盤は明らかにオフレイムの方が踏み込みは鋭く,打撃も速かった。ブラウンの前蹴りが当たったのは,それは速かったからでなく,単にオフレイムが油断していたからだとおもう。
 何がいいたいかというと,ウェルドゥムはうごきが遅い,ということ。あのスピードではヴェラスケスには絶対に勝てないだろうと思う。前時代の試合じゃあるまいし,いまどき寝そべって罠のごとく三角締めがすぱっと入るほど総合格闘は甘くない。
 

Women's Bantamweight Miesha Tate vs. Liz Carmouche
 近い距離から子供のけんかのようなパンチの応酬が目立ち,序盤はため息まじりで観戦していたが,だんだん女のたたかいの魅力に引きずりこまれていった。最終ラウンド,テイトが完全に優位に立ち,カームーシュをあと一息で攻略してしまいそうなときは,固唾をのんで見入ってしまった。終わってみれば,テイトのよさが出た,とても面白い試合だった。


Lightweight Donald Cerrone vs. Edson Barboza
 予想どおりバルボザのパンチもキックも斬れがあり,序盤からセローニを圧倒してたかにみえた。それで慢心したのか,セローニが軽く出したような左のパンチが出鼻に当たり,それが効いてしまう。百戦錬磨のセローニが見逃すはずもなく,一気に絞めあげて勝負を決めた。セローニという選手の勝負強さが出た試合であった。


Middleweight Brad Tavares vs. Yoel Romero
 ロメロが工夫してきた。パンチは蹴りで揺さぶりをかけた後でしっかり踏み込んでの真っ直ぐが主体であったし,またこれまで見たことないような妙なタイミングで出てきてタヴォーレスを翻弄していた。積極的に組んでレスリングもしてきた。タヴォーレスの方もいいパンチを何度か当てていたが,ロメロの方が終始上手だったし,圧倒していた。まったく意外だった。


Preliminary card
Lightweight Rafael dos Anjos vs. Khabib Nurmagomedov
 この若きロシア人,試合前にとろけるような笑顔である。これから死闘を前にしてこんなにうれしげな顔するというのもすごい肝っ玉である。

 ヌマゴメドスは変なパンチを打つという印象だったが,しっかり腰を入れたパンチを出していた。うごきは相変わらず多彩で, 試合内容でもドスアニョスを圧倒し,テイクダウンを何度もとっていた。彼はペティスとやっても勝てるのではなかろうか。
 

Welterweight Thiago Alves vs. Seth Baczynski
 2年ぶりの試合になるチアゴ・アルベスの試合,ブランクを感じさせず,じわりじわりと前に出てきては重たいパンチに,ローキックを出していた。豪傑である。こういう相手には下がってはならない。
 バゼンスキは序盤にうけたローキックが効いてきて,終始棒立ちでふらふらと跳びまわりながら変則的な打撃を出していただけだった。それでも何度かパンチを当てたりしていたが,その後の打撃が続かず,本気度の低いテイクダウンをだらだらと狙っては,相手を回復させていた。
 前座後半らしい中堅どころの,いまひとつ斬れ味もスピードも感じられない,言っちゃわるいがもたもたした試合であった。


Featherweight Estevan Payan vs. Alex White
 ホワイトは9戦全勝の24歳。軽量級の注目の新人である。パンチの連続技にバックブローを入れてきたりするが,あれはさほど有効ともおもえない。むしろ前へ出ながら連続してくり出してくる地味な真っ直ぐのパンチがの方がいやらしく,最後もそれを下顎に当てて,パヤンは一瞬意識を失ってしまった。やや上体が硬いという印象であり,今後に注目したい。


Welterweight Jordan Mein vs. Hernani Perpetuo
 24歳にして既に三十戦を超える戦歴(27勝9敗)をもつミエン,長い四肢を生かして距離をとって打撃をタイミングよくコツコツ当ててくるタイプであるが,さほどの爆発力や上手さをもった選手というわけではなさそうだ。
 パペチュオはキックボクサーらしいが,自分よりリーチのある相手に対して踏み込めず攻めあぐね,まったく良いところ無かった。
 かといってミエンも決定的な決め手をもっているわけでもなく,ひたすら両者ともに同じ動きがつづく膠着した,ある意味退屈な試合となった。


Preliminary card
Flyweight Dustin Ortiz vs. Ray Borg
 6戦全勝中のレイ・ボーグは20歳の若さ。5勝はサブミッションで勝っている興味深い選手。ダスティン・オーティズも25歳で12勝3敗という若い強豪であり,楽しみな一戦。

 ボーグはヒスパニクらしいが顔はアジア人のよう。オーティスの激しいプレッシャーに押され気味だったにもかかわらず,顔色ひとつ変えず終始おちついていた。オーティズも終始積極的で,好試合であった。しかしグラップリングはいいが,打撃に対する反応がいまひとつであったのがやや残念か。距離が近いと,速いパンチをわりとまともにもらっていた。

 若いボーグの上手さが光る試合かとおもったが,オーティズが終始積極的で,割れた判定をみごとにモノにしていた。


 

2014年4月18日金曜日

UFC on Fox: Werdum vs. Browne 予想

Heavyweight Fabricio Werdum vs. Travis Browne
 悲願のタイトル挑戦だったウェルドゥムだったが,ヴェラスケスが肩の負傷でしばらく休場することからブラウンと対戦することに。この試合の勝者がメキシコにて王者ヴェラスケスと対戦する。

 柔術に柔道にムエタイもやっているという,まさに格闘学の教授にもなれそうなウェルドゥムであるが,一方のブラウンは単純に「ケンカのつよい人」でここまで勝ち上がってきたかんじである。ふつうに考えてここはウェルドゥム有利と予想するのが真っ当ではないかとおもうが,総合格闘は柔術でもなく柔道でもなく,ましてムエタイでもなく,むしろケンカに近いスポーツであるからして,まして当たれば倒れる重量級であり,ブラウンが勝っても全くおかしくない。

 ウェルドゥムは終始丁寧に丁寧に距離をとったり,組みに跳び込んだりと,慎重に試合を進めていくだろうし,そうやって試合をコントロールして優位な展開にもって行きそうな気がするが,逆にそんな試合にかぎってこそ小さなミスにつけ込まれ,ブラウンの一発に沈むような気もする。ベテランのジョシュ・バーネットがやられてしまったのをみるに,この試合もまったく予想がつかない。

 私は,ウェルドゥムが職人らしく関節技で一本勝ちを予想... とおもったが,いつかのアリスター戦みたいにブーイングが飛び交うよな,何をしたいのかよくわからないような試合をして,つまらぬ判定勝ちとみる(最悪)。

 でもブラウンを応援する。

 
Women's Bantamweight Miesha Tate vs. Liz Carmouche
 こないだのラウジー戦では打撃がちぐはぐで気迫が空回りするだけだったミーシャである。あと一歩までラウジーを追い詰めたカームーシュには敵わないのではないかと思う。
 
 判定でカームーシュ予想。


Lightweight Donald Cerrone vs. Edson Barboza
 ペティスに敗れて以降また徐々に調子を上げてきたセローニだが,キックボクシングの展開になった場合,私はバルボザの打撃の斬れ味の方が上回るのではないかと思う。タイミングよく速いパンチを内角へ内角へと出し,蹴りも速く斬れ味のあるバルボザが圧倒するのではなかろうか。

 バルボザによるTKO予想。
 

Middleweight Brad Tavares vs. Yoel Romero
 この日一番の楽しみな一戦である。
 力があり,肉体と精神ともに安定感のあるロメロだが,上体がやや硬く,速い打撃に対しては反応がやや鈍い。それに対してタヴォーレスは上体がやわらかく,いい立ち位置をとり,自分の距離で闘うことのうまい,とてもクレバーな選手である。撃って出てくる相手に対しても,真っ直ぐ下がらず,ふん張って撃ち合にも応じられるところを,前回の試合で見せていた。

 元レスリングでメダリストのロメロであるが,これまでの試合ではほとんどが打撃を主体に闘ってきている。また,意外とあっさりテイクダウンをとられる場面もあったりした。たしかに打撃には力があるが,ほとんどがフック系のパンチであり,真っ直ぐのパンチは伸びがなく,さほどに速くない。私はロメロの打撃はタヴォーレスには通用しないだろうと思う。レスリング技術と力づよさを生かして積極的にタックルして,それに強い打撃を組み合わせていけば,勝機があるかもしれない。

 判定でタヴォーレス予想。


Preliminary card
Lightweight Rafael dos Anjos vs. Khabib Nurmagomedov
 これも面白い一戦。チラノサウルスのような頑丈な足をして下半身の安定した,あかるく陽気なドス・アニョスは。膝とアッパーカットがあり,相撲もつよい。難点はカーディオか。
 ヌマゴメドフは全勝だけれども,下がりながら変則的な打撃を出してくる選手である。タックルもうまいが,ドスアニョスからテイクダウンをとるのはなかなか難しいだろう。

 私は変則的な選手より王道で闘う選手がつよいとおもうので,ここはドスアニョス予想。


2014年3月21日金曜日

UFC Fight Night: Shogun vs. Henderson 2 予想

Light Heavyweight Maurício Rua vs. Dan Henderson
 ヘンドは明らかに下降線である。ノックアウト負けをしたことがないという強靭なアゴで知られていたが,頭部に不用意な打撃をまともにもらえば,誰だって倒されてしまうのである。
 一方,ショーグンの新コーチ招聘は賛否両論であり,一時期は闘い方もちぐはぐで負けが続き引退さえ危ぶまれたが,前回の試合では斬れ味抜群の見事なカウンターのワンツーでテフナを倒し,ようやくにして自信をとりもどした感じであった。
 あの調子であればこの試合もまず間違いなくショーグンが勝つのではなかろうか。

 パンチによるノックアウト,もしくはタップアウトで不動のショーグン予想。
 

2014年3月12日水曜日

UFC 171: Hendricks vs. Lawler 予想

Welterweight Johny Hendricks vs. Robbie Lawler
 ローラーははメルヴィン・マヌーフをノックアウトしてた強打者。 UFCのマイクタイソンと呼ばれたこともあったそうな。サウスポからくり出すパンチが一発でも当たれば,ローラーにも大いにチャンスはあるだろう。
 しかし,当たれば,の話である。
 出入りの速さと上下の攻めの多彩さ,反応のよさにおいて,ローラーとヘンドリクスではかなりの差があるように感じる。この試合ヘンドリクスがあっさりテイクダウンをとって倒し,そのまま問題なく勝つのではないか。

 ヘンドリクスによるノックアウト予想。

 
Welterweight Carlos Condit vs. Tyron Woodley
 ウッドレイもローラー同様に必殺の強打をもつが,これも当たれば,の話だろう。過去に一度ジェイク・シールズと対戦して完全に誤魔化されている。フェレットみたいに胴が長く懐の深いコンディットが多彩な攻めであっさり料理るのではなかろうか。

 コンディット予想。おそらくサブミッションで。


Lightweight Diego Sanchez vs. Myles Jury
 ど根性野郎のディエゴ・サンチェズだけど,相手は25歳で13戦全勝のジューリ。
 ジューリは大胆なカウンターを当てたり,高々と相手を持ち上げたりと,試合序盤はなかなか面白味のある闘い方をする選手。だけど,前回はグラウンドで有利な体勢にありながらわりと不用意に相手の肘を頭部に何度ももらい,そこから調子が崩れた感じであった。あるいはカーディオに問題アリなのか,集中力が切れやすいのか,試合のはこびがだんだん雑になってゆく感じであった。その辺どれくらい改善されているかに注目したい。

 若さをとってジューリ予想。


Welterweight Jake Shields vs. Hector Lombard
 誤魔化しの名手ジェイク・シールズ,強打のロンバードもこんにゃくのように翻弄され自分の相撲をとらせてもらえないという気がする。
 かといってシールズはさほど打撃防御に長けているというわけでもなく,ロンバードの一発が当たる可能性は大いにあると思う。
 シールズが勝てばおそろしくつまらない試合になるであろうし,ロンバードが勝てば豪快に一発なノックアウトになるのでは。
 
 私はおそらくシールズが赤い波のように足元にからみついて筋肉オバケのロンバードの体力を消耗させ勝つのではなかろうかと思う。
 シールズ予想。


Preliminary card
Welterweight Kelvin Gastelum vs. Rick Story
 ウェルター級で最も将来が有望視されている(私のなかで)全勝中22歳のガステラムが登場する。前回,強打のメランソンに対して勇気をもって前に出て見事に打ち勝っていた。レスリングもかなり強い選手であり,力もあり,カーディオも問題ない。今のところ非のつけどころのない好選手である。
 優等生のような模範的(?)な闘い方をするストーリにも決して悪い選手ではないけれど,ガステラムが一枚も二枚も上手なのではなかろうか。
 
 ガステラム予想(判定)。

2014年3月6日木曜日

UFC Fight Night: Gustafsson vs. Manuwa 予想

Light Heavyweight Alexander Gustafsson vs. Jimi Manuwa
 14戦全勝13KO,判定は無しという,とほうもない戦績のジミー・マヌワ,突進してものすごいハンマー・パンチを振ってくるのだが,パンチを振ったときのバランスが悪い。また距離のとり方も雑にみえる。彼の華々しい戦績は単にこれまでの相手が弱かったからではなかろうか。
 ガスタフソンがタックルで倒し,グラウンドで圧倒して,すり潰すように倒してしまうのではないか。
 打撃戦でも,マヌワの振り回すようなパンチよりも,ガスタフソンの前蹴り,ストレート・パンチが先に当たるとおもう。
 万に一つでマヌワの一発が当たる場合もありうるが,そうなるといくらタフなガスタフソンでも危ない場面が訪れるかもしれない。でもまず丁寧にパンチに対処していけば,ガスタフソンが圧倒するとおもう。

 不動のガスタフソンによるノックアウトもしくはサブミッション勝ち予想


Lightweight Michael Johnson vs. Melvin Guillard
 ギラードは一発強打をもつ典型的な破壊屋だが,スピードあるアスリートのジョンソンに翻弄され空回り,疲弊してしまうのではないか。
 
 ジョンソンによるノックアウト。


Welterweight Gunnar Nelson vs. Omari Akhmedov
  25歳ガナー・ネルソンは柔術の世界選手権で銀メダリストのアイスランド選手。物静かな印象だけれども,目下無敗。リョート町田と似た構えで対峙し,相手の出鼻によく反応する。グラウンドも立ち相撲も強く,打撃力もある。
 対するロシアのアクメドフも,とても勝負強い選手である。前回の試合では序盤にいいパンチを顔面にもらってしまい危うかったが,起死回生のカウンターを当てて逆転ノックアウトしてみせている。目下全勝中,大変タフな選手である。
 
 これまでの試合内容を比べるとネルソンの方がいい。
 ネルソン予想。

2014年2月23日日曜日

UFC 170: Rousey vs. McMann

Women's Bantamweight Ronda Rousey vs. Sara McMann
 五輪柔道 vs 五輪レスリング,メダリスト対決。勝敗の決め手は組み技でなく打撃であった。
 ラウジーがケージ際で執拗に出していた左足の膝がマクマンの右腹部にまともに入り,たまらず膝をついた。その見た目の印象が悪く,レフリーがすぐに止めに入ってしまった。

 序盤のパンチの交錯では,かなりきわどいパンチが両者の顔面をかすめていて,マクマンの方が体重のよくのった綺麗なパンチでタイミングも良かったように見えた。組み技で膠着するであろう両者,今回は打撃で決着がつきそうな予感が開始早々からしていたのだが,これはマクマンが勝つのではないかとさえ思った。が,がむしゃら打撃の応酬になると,明らかにロンダ・ラウジーの方が勝ち気であり,肘を含めた手数で上回っていた。

 試合には負けたけど,マクマンはラウジーの腰投げをしっかり対策してきてた感じだった。マクマンの二の腕の筋肉をみるに,組んで抱きつくように両差しにとらえたらラウジーはなすすべがないのでは,とさえ思わせるものがあった。相手との間隙がないと腰を回転させられず柔道技というのはかけづらい。
 一方,ラウジーはラウジーで肝臓を狙った膝の練習をしてたようで,それはマクマンにとっては想定外だったようにみえた。ラウジーのように柔道投げや腕ひしぎなど必殺の技をもつことは,格闘において確かに有利である。対戦相手はその対策に忙しいために,膝のようにまったく想定外の攻め方をされると,この日のマクマンのようにやられてしまう。

 ロンダ・ラウジーのもうひとつの強みは,まだ27歳という若さ。28歳のサイボーグが階級下げてきてのスーパーファイトがとても楽しみである。


Light Heavyweight Daniel Cormier vs. Patrick Cummins
 コーミエは相手のパンチを避けようともしなかった。コーミエらしくもなく,強引に強引に殴って早々と勝負を決めた。

 柔術の専門家やレスリングの専門家で,独自の専門を行かして闘う選手もつよいはつよいが,さらに上のレベルに行ける選手というのはそういうバックグラウンドをもちながらさらに打撃だけでもって相手を倒せる選手だろう。

 エヴァンス欠場となって急遽決まった相手だけに,注目を集めるために試合前からかなりの舌戦が繰り広げられていた。それは演出としてそれでよかったのだが,その舌戦によるネガティブな感情は試合直後も尾をひいたようで,なんとも後味の悪いかんじがした。負けたカミンスも,コーミエに執拗にああいう言われ方をされ続けたのでは,心にしこりが残るのではないか。


Welterweight Rory MacDonald vs. Demian Maia
 序盤からマクドナルドは低く構えから鋭いジャブを放ってきて,打撃において圧倒していた。ところがマイアが相手の片足をとってひねるようにあっさりとマクドナルドを倒し,がぜんマイア有利な展開になった。
 マイアはせっかくいいポジションをとりながら,肘もパウンドも出さずで,まったく攻めにえげつなさが見られなかった。何か職人芸的な柔術的勝利を狙っていたかのようにみえたが,どうであろう。結局,二回あたりから早々とマイヤのスタミナが切れ,マクドナルドのパンチがタイミングよく顔面に入ったかしたらしくバランスも悪くなり,立っているのがやっとな状態で闘っていた。

 グロッキー寸前のマイヤに対して,じっくりにらめっこしてるローリーもいまひとつな印象であった。相手が立ってるのがやっととなれば,がぜん猛攻してはっきりと勝敗をつけてほしいものだ。
 ローリー・マクドナルドが完全復活という言葉が飛び交ってるが,私にはそうは見えなかった。あれはマクドナルドがよかったというより,むしろ打撃が弱く心肺能力に問題アリのマイヤが弱かったのではないか。


Welterweight Mike Pyle vs. TJ Waldburger
 両者ともに相手のパンチをよくもらう将来の脳障害が心配になるよな選手どうしの対戦。
 そういう懸念どおりの試合となった。

 まるで互いに打撃で勝負と申し合わせたかのように,グラウンドの展開になっても詰めが甘いのか,両者すぐ立ち上がっていた。ウォルドバーガーの右のクロスがよく当たっていたが,いかんせん両者して無防備の闘いであり,ウォルドバーガーの攻めは正直すぎで,経験豊富なパイルの方に分があった。最後はウォルドバーガーの将来が心配になるような肘とパウンドによるTKOであった。
 内容は前時代の格闘試合であり見世物としては面白かったが,内容的にはレベルが低く見所に欠けたいまひとつな試合であった。
 

Welterweight Robert Whittaker vs. Stephen Thompson
 ウィテカは空手だけでなく韓国の新興武道ハプキ道でも達人らしい。23歳という若さで将来性もある。両者打撃の専門家であり,これは面白い打撃戦になるだろうと思っていた。

 予想どおり緊張感のある試合であったが,トンプソンの蛇みたいに伸びてくるストレートパンチがガードの間を縫ってウィテカの鼻柱を見事にとらえ,それが効いた。そこでトンプソンは一気にたたみかけた。見事なノックアウトであった。
 

Preliminary card
Women's Bantamweight Alexis Davis vs. Jessica Eye
 アイが頭をよく動かして積極的に打撃で攻めていたが,組めばデイビスの方が上手かったか。割れた判定であり,初回のテイクダウンを審判がとるかとらないかが勝敗の決め手だったようだ。
 
 デイビスが勝ったが,さて彼女のいぶし銀的な上手さが果たしてラウジーに匹敵するか,となると,やはりまだまだ敵わないのではないか,という気がする。
 

Bantamweight Raphael Assunção vs. Pedro Munhoz
 柔術の専門家同士の対決であったが,最後まで両者立ってのキックボクシング試合であった。互いに斬れ味のよさげなローキックを出していたが,速いコンビネーションで出てくるパンチがよく当たっていたアサンサオが内容で明らかに勝っていた。

 これでアサンサオは六連勝で王座挑戦も見えてきたが,さて果たしてアルドーに対してどこまでやり合えるかとなると,なかなか難しいのではないか。


Bantamweight Cody Gibson vs. Aljamain Sterling
 26歳と24歳の若いどうしの対戦。とくにスターリングはやや決め手に欠けるものの,まるで若い頃のジョン・ジョーンズをそうふつさせる独創性をもった面白い選手であった。


Lightweight Rafaello Oliveira vs. Erik Koch
 コークがサウスポーの構えからよく伸びる速いワンツーをくり出してきて,開始早々に一発,そして二回目に最高の左ストレートがオリヴィエラの鼻柱を見事にとらえた。オリヴィエラは真後ろに尻餅。コークは覆いかぶさるようにして真っ直ぐ左右のパンチを落として試合を決めた。
 コークの会心の勝利であった。
 

Lightweight Ernest Chavez vs. Yosdenis Cedeno
 割れた判定でチャベスが全勝を維持したらしいが,年齢も30過ぎており,見た目だらだらとした試合で,さほど特筆するほどの選手ではないように感じた。
 

2014年2月21日金曜日

UFC 170: Rousey vs. McMann 予想

Women's Bantamweight Ronda Rousey vs. Sara McMann
 前回の計量ではセクシーなぶりっ子ポーズでキメたロンダ・ラウジー選手であったが,今回の計量もカマシてくれた。上半身は格闘用のスポーツ・ブラであったが,下には真ピンクのごく普通の女の子のパンティーであった。うしろからお尻の割れ目をのぞかせていた。

 ロンダが前回のミーシャ戦で見せた圧倒的な柔道のつよさ。あれを観てしまうと,よほど強力な打撃をもった選手でないかぎり彼女を倒せないのではないか,という気がする。しかし一発のパンチで相手に重篤なダメージを与えうる女子選手というのはまだ稀なだけに,当分はラウジー政権が続くのではないか。

 しかし今日の計量をみて,ちょっと気が変わった。
 サラ・マクマン選手の彫り込んだような肉体に,肝のすわった表情からして,相当なツワモノのように見受けられた。さすがは五輪のメダリストである。

 この勝負を決定づけるのは,ラウジーの柔道の投げ技に対して,マクマンがどれだけ研究して対策を練ってきたかではなかろうか。
 ラウジーはパンチのセンスはさほどでもない。打撃戦が続けばマクマンの方が有効打をよく当ててくるだろう。そして,いずれ両者は組み合う。そこでラウジーの絶妙な払い腰が出るのだろうけれど,それをマクマンがどう封じて,自分のタックルにもってゆくか,に注目したいところ。

 やはり今回もラウジーが勝つような気がするが,賭けでチップを置くならどちら? ということになれば,ここはあえてマクマンの方に賭けてみたい。
 マクマンも百戦錬磨の選手だけに,何の対策もなしに手ぶらで挑戦などということはありえず,きっと何らかの投げ技対策を講じてきてるはずである。

 というわけで,私はマクマン予想。


Light Heavyweight Daniel Cormier vs. Patrick Cummins
 エヴァンスが負傷してカミンスが浮上してきて以降,コーミエが舌戦に持ち込んでなんとかして期待度注目度を高めているのはわかるが,これは勝負にならないであろう。
 一試合だけカミンスの試合を見たが,経験でもセンスでも前座級の選手かと思われた。
 
 コーミエ予想。


Welterweight Rory MacDonald vs. Demian Maia
 マクドナルドの試合はつまらないという人もいるが,私は彼の緊張感のある試合運びと,負けん気の強さと思い切りのいい彼の試合は好きである。今回も距離を支配して,早いパンチを当ててくると思われ,マイアはマクドナルドを捕まえられないのではないかと思う。

 マクドナルド予想。


Preliminary card
Women's Bantamweight Alexis Davis vs. Jessica Eye
 今日のタイトルマッチの勝者と対戦するのは,おそらくこの試合の勝者ではなかろうか。
 アイは前回コーフマン相手に最後まで緊張感を維持して丁寧に闘っていたのが印象的であった。セクストンを圧倒していたデイヴィスと,いい試合になるのではなかろうか。


Bantamweight Raphael Assunção vs. Pedro Munhoz
 ペドロ・ムニョスは27歳で10戦全勝とのこと。勝ちの多くはサブミッションで極めている。面白そうな選手だが,戦績だけを見るに,あまり打撃をもった選手のようではない。
 一方のハファエル・アサンサオは打撃の上手い選手である。頻繁にスタンスをスイッチさせ,相手の出鼻にタイミングよくパンチを当ててくる。もちろん柔術は黒帯である。

 同じ柔術の専門家なら,打撃をもった選手の方が強いことは火を見るより明らかであり,よって不動のアサンサオ予想。


2014年2月17日月曜日

UFC Fight Night: Machida vs. Mousasi

Middleweight Lyoto Machida vs. Gegard Mousasi
 マチダが最後までムサシに相撲をとらせなかった。
 ムサシは終始前に出てプレッシャーを与え続けていたが,マチダの動きがあまりに神出鬼没であり,また速く,ムサシは最後までマチダを捕まえることができなかった。ムサシの得意のリードジャブも,マチダは完全に不発にしてしまっていた。

 内容的にどちらも不完全燃焼になるであろうということはおよそ予想できてはいたが,序盤のマチダのうごきがあれほどムサシを翻弄するとは予想できなかった。
 試合巧者で経験も豊富なムサシを内容で完全に抑えて勝ったことは大きいと思う。

 ムサシはかつてジャッカレと日本にて対戦し,寝たところから下からの蹴りで破ったことがあったが,あれはソウザにとって事故のようなものであり,あまり参考にならない。内容ではソウザの方が圧倒していた感じさえした。
 王座を狙うマチダとソウザ,対戦は避けて通れず,おそらく今年の夏の終わりか秋頃に対戦するのではなかろうか。
  

Middleweight Ronaldo Souza vs. Francis Carmont
 立っても寝てもソウザが上手であった。
 判定だが文句なしの勝利で,次はリョートと対戦であろうか。
 マチダとソウザ,かなり予測の難しい試合になりそうだ。


Welterweight Erick Silva vs. Takenori Sato
 「日本人選手は打撃防御に問題アリ」とツィートした矢先に,腹部にエリック・シウバの蹴りを受け,それで失速。一気に勝負がついた。
 日本を主戦場とする選手と UFC常連選手では,レベルにおいて歴然とした差ができてしまっている。


Preliminary card
Bantamweight Iuri Alcantara vs. Wilson Reis
 目を離せない好試合であった。筋肉の多いウィルソン・ヘイスは褐色のブラジル人なのだがカーディオがあり,スタミナ無尽蔵で,見てる方があきれるくらいよく動く。
 アルカンタラがいいパンチを何度か当てて効いたのもあったが,ヘイスは動き続けることで誤魔化してしまっていた。
 アルカンタラもフェイバーといい試合をしただけあって,一筋縄では攻略できないという印象であった。
 割れた判定で,アルカンタラが勝利した。


Featherweight Felipe Arantes vs. Maximo Blanco
 ブランコはベネズエラ出身で東京を拠点にした選手。テクニックをもった選手だけれど,いまひとつ試合に面白みが無い印象。決して弱い選手ではないのだが,決め手に欠け,前座で唯一ダレた試合になった


Welterweight Ildemar Alcantara vs. Albert Tumenov
 ロシアのトゥメノフは12勝1敗8KOで22歳という若さ。これまた将来が面白そうな選手がごろごろ出てくる。ブラジルのアルカンタラは31歳,試金石である。

 開始早々,アルカンタラの強烈なミドルキックを受け止めたトゥメノフ,その後わき腹の背筋がくぼんだままになっていた。肉離れみたいなのおこしてるんじゃなかろうか。
 ベテランのアルカンタラが小さなパンチと中段の回し蹴りを良く当てて終始圧倒したという感じであったが,トゥメノフもよくカウンターをあわせたり,キックをとって応戦し,割れた判定にまで持っていった。大したものである。


Featherweight Douglas Silva de Andrade vs. Zubair Tuhugov
 前座の第一試合だけど,レベルの高い,見ごたえある試合。地元アンドレドの方がうごきが良く見えたが,ロシアのトゥフゴフの方も反応がよく,終始落ち着いて距離を支配し優勢に試合を進めていた。


2014年2月11日火曜日

UFC Fight Night: Machida vs. Mousasi 予想

Middleweight Lyoto Machida vs. Gegard Mousasi
 これはとても興味深い試合。両者ともにうごきを予測しにくい選手である。
 どんな試合になるか空想してみたい。

 上背はほぼ同じだが,リーチにおいてムサシが勝っている。
 ムサシが速いジャブを出しながらじりじりとプレッシャーをかけ,一方のマチダが出てくる相手に対してカウンターをあわせるという展開になるのではなかろうか。

 打撃でマチダが押されて,それで一方的に勝負がつくということは,まず考えにくいように思うし,懐が深く反応もよいムサシに対してズバッとマチダのカウンターが鮮やかに決まるとは考えにくい。おそらく両者ぶつかっては離れぶつかっては離れで,決め手が無く,膠着したまま試合終了というのが一番ありそうなシナリオにおもう。

 試合が長びけばムサシの方が有利になるのではなかろうか。また,判定となった場合,前へ前へと出て手数も多いムサシの方が有利なのではないか。

 年齢差も影響するのではないかなと思う。マチダよりも経験豊富なムサシはまだ28歳という若さである。一方のマチダは35歳。マチダの目のよさ反応のよさが最終ラウンドまで持続するとは考えにくい。

 よって判定でムサシではないか。
 マチダが勝つとしたら3回までにカウンターが当たって一気に勝負に出れた場合だろう。
 

Middleweight Ronaldo Souza vs. Francis Carmont
 カーモントは優れた選手だが,このところのジャッカレの安定感をみるに,ジャカレが勝つのではないか。
 

2014年2月8日土曜日

UFC 169: Barao vs. Faber II

Bantamweight Renan Barão vs. Urijah Faber
 打撃の斬れと反応の速さにおいて歴然とした差があった。
 初回の早い段階でストレートを当て,さらにテンプルへのフックをあて,フェイバーをぐらつかせていた。
 ここまで歴然とした差があるとは思わなかった。

 最後のパウンド中にユライヤが大丈夫というアピールで親指を立てた立てないとか,レフリーの止めが早すぎる云々という話もあったが,内容的にもバラオが明らかにレベルが上であったように見えた。
 バラオの強さもバンタムではもはや敵無しであり,いったい次は誰が相手をするのか興味ぶかい。


Featherweight José Aldo vs. Ricardo Lamas
 序盤からアルドーが圧倒的な強さを見せていたが,ラマスも最後まで緊張が切れることなく丁寧に丁寧によく追随していった,すばらしい試合であった。
 最終ラウンドではラマスがアルドーの上になり,肘を何度か当てるあわやという場面もみられた。
 かっと目を見開き超人的な反応のよさを見せる序盤のアルドーは,もはや無敵なのではなかろうか。


Heavyweight Frank Mir vs. Alistair Overeem
 ある意味予想どおり。オフレイムが冒険せず寝ても立っても的確に打撃を当ててミアをズタズタにしていた。
 ミアは引退だろう。
 虫唾が走ったのは,あれだけ圧倒していたオフレイムは最後までしとめようともせず「Wにこだわって」いた。そういう内容じゃないだろうに。
 とにかくこのアリスターという選手のやることなすことが私は気に入らない。


Flyweight John Lineker vs. Ali Bagautinov
 リネカーのパンチの切れがよく,ボディーによく当ててバガウチノフを苦しめていた。バガウチノフはいつものカウンターをあわせることなく,テイクダウン主体で攻め徐々に徐々に自分のペースに持っていった。
 最後はバガウチノフの胴に腕を巻いたままスラムでリネカーは大きく顔をゆがめる場面があった。佐竹がランペイジにやられたみたいな感じで,たぶんリネカーは背中の骨を痛めたのではなかろうか。


Lightweight Jamie Varner vs. Abel Trujillo
 一昔前のPRIDEのような試合であった。序盤から殴り合いをして,ヴァーナーの方がよく当てていてノックアウト寸前までいったところで,トルジロの起死回生の逆転一発KOであった。
 面白いといえば面白い試合であったが,内容としては希薄で,実力的にどちらが上か論じるのも馬鹿馬鹿しいような試合であった。


Preliminary card
Lightweight John Makdessi vs. Alan Patrick
 このリーチの相手から短い腕ですぱんとカウンターをとれるマックデッシの打撃技術というのは大したものだ。ブーイングが出ていたが,たしかにこういうテクニカルな打撃戦はテレビ画面で見ないと面白みはわからないだろう。
 パトリック勝利の判定,不可解であった。一方的にパトリックに入れていた審判がいたが,マックデシのカウンターが見えてなかったのだろうか。


Middleweight Clint Hester vs. Andy Enz
 へスターのハンマー・パンチの威力が目立つ試合だった。
 エンズは22歳。いいスピリッツを見せたし,しっかりワンツーを当てていた。判定で負けたが,これからの選手だろう。


Lightweight Tony Martin vs. Rashid Magomedov
 若いマーチンが上手くとてもよかった。ロシアのサンボ・エリート軍団をアメリカの若手総合格闘家が迎えうって,みごとに圧倒しつつあるかんじにさえ思えた。だが,時間がたつほどに打撃に勝るマゴメドフの殺戮者としての実力が上回ったかんじであった。
 序盤,マーティンの腕ひしぎも完全に極まっていたのだが,捨て身で体をよじって脱したすごいなマゴメドフが凄かった。無料の前座でこれだけの高いレベルの試合が見れるとは思わなかった
 

Welterweight Neil Magny vs. Gasan Umalatov
 頻繁に左右スタンスを変えていたマグニーが長いリーチを生かし勝利をものにした。
 自分の持ち味をしっかり理解していて,自信もってそれを前面に出していた感じであった。
 ウマラトフはとくにこれといった作戦のようなものがなく,漠然と一発のパンチに賭けていた感じであった。そういう戦い方ではもはや勝てない現代総合格闘。

2014年1月30日木曜日

UFC 169: Barao vs. Faber II 予想

Bantamweight Renan Barão vs. Urijah Faber
 両者ともに他を寄せ付けない強さをみせているだけに,とても興味ぶかい一戦。 
 この階級でいちばん力強く,まるで足に根の生えた千代の富士のようなバランス感のフェイバーが負けるのは想像しにくいが,これといって斬れのある打撃を持っておらず,また意外と過去に何度かノックアウト負けを喫しているのが気になるところ。
 バラオはプロとしての初戦を落として以降はまったくの無敗である。スピードは群を抜いており,打撃も速く斬れがある。
 理屈で考えればバラオが勝つと考えざるを得ないのではないか。
 フェイバーが自分の持ち味を生かしてどのようにバラオを攻略してゆくのか,大変に楽しみな一戦である。

 バラオ予想。


Featherweight José Aldo vs. Ricardo Lamas
 ラマスはエリック・コーク相手に圧倒的な安定感と強さをみせた選手であった。終始落ち着いて的確に小さなパンチを入れ,勝負どころでは爆発的な猛攻を見せる,という印象であった。
 が,やはり若くて無敵なジョゼイ・アルドーの方が,一枚も二枚も上手のように感じる。

 不動のアルドー予想。


Heavyweight Frank Mir vs. Alistair Overeem
 アリスター・オフレイムという選手は,猛然とパンチで向かってくる選手には子猫のような弱さ,意気地の無さを見せる選手だが,これといって強い打撃をもたない選手に対しては獅子のように強い。私の大嫌いな選手である。
 フランク・ミアは,おそらく関節技でしか勝てる見込みは無さそうだが,オフレイムはそこらへんの防御はわりあいとうまい。

 オフレイム予想。


Flyweight John Lineker vs. Ali Bagautinov
 コンバット・サンボの元世界チャンピオンであるバガウチノフは,終始下がりながら相手の出鼻に強い相打ちを当ててゆくというスタイル。イチロー選手に似ている。
 24歳のリネカーは強打者であるのだが,試合の前半はボディー中心に攻めつつ,後半は右一本に変えたりと,攻めのスタイルを試合中にがらりと変えてくる面白い選手である。
 両者ともに好選手であり,かなり面白い試合になるのではないか。

 積極性をとってリネカー予想。


Preliminary card
Lightweight John Makdessi vs. Alan Patrick
 松濤館空手の黒帯のマクデッシは打撃技術が高く。眼がよく頭を動かして相手の打撃を上手にかわす。しかし技術にこだわりポンポン当てるだけで,相手をノックアウトしてやろう,という執念があまり感じられない選手である。
 一方のパトリックは11戦全勝と急上昇中であり,興味深い一戦である。


Lightweight Tony Martin vs. Rashid Magomedov
 八戦全勝のマーチンは勝ちのほとんどが関節技による勝利である。
 一方のマゴメドフは16勝1敗という強豪であり,注目してみたい。

 
Welterweight Neil Magny vs. Gasan Umalatov
 ウマラトフもロシアの選手であり,かなりの強豪なのではないか。
 

2014年1月24日金曜日

UFC on Fox: Henderson vs. Thomson 予想

Lightweight Benson Henderson vs. Josh Thomson
 屈強な下半身とソツのない攻めと守り。きわめて安定感の高いベンドーが勝つのではなかろうか。
 トムソンは前回ネイト・ディアズの前額に蹴りを当てて見事な勝利を収めたが,ベンヘンはネイトのように無防備で前に出てくるような選手ではない。

 判定でベンソン・ヘンダーソン予想。
 

Heavyweight Stipe Miocic vs. Gabriel Gonzaga
 これは面白い一戦。ヘビー級の門番長ことゴンザガと,クロコップをソウフツさせる打撃の斬れるミオチェチ。
 ゴンザガは前回の試合で相手のパンチをもらいながらカウンターで返り討ちにしていたが,パンチが速くボクシングのうまいミオチェチ相手にああいう勝ち方は無理ではなかろうか。なんとか相手を倒して塩漬けにしたいところだろう。
 ミオチェチはストルーブに不覚をとったけれども,負けたのはその一戦だけであり,勝利のほとんどがノックアウトによるものである。
 私はミオチェチが足をつかって距離をとり,速いパンチでもって優位に試合を進めるのではないかと思う。 

 ミオチェチによるノックアウト予想。 
 

Lightweight Donald Cerrone vs. Adriano Martins
 カウボーイ,ここのところ勝ったり負けたりをくり返していたが,前回は完全復活をアピールする見事な勝利であった。連勝したいところだろう。ローキックに膝が冴え,つよいねばり腰をもった選手である。まず今回も負けないのではないか。
 マーチン選手はこの試合がUFCにおける二試合目だというが,前回はかなり前座で登場していた気がする。実はあまりよくわからない選手の一人。

 カウボーイ予想。
 

Featherweight Darren Elkins vs. Jeremy Stephens
 27歳のスティーブンスはとにかく強振してくる選手である。ここまで風切り音が聞こえてくるようなハンマーパンチ,一発でも当たればスティーブンスが勝つのだろう。だけど試合運びがやや大雑把で,丁寧さに欠けるところがある。
 一方のエルキンスは,前回日沖と対戦して苦戦しつつ,勝利への貪欲さでもって判定を制したかんじであった。右のクロスで鮮やかなノックアウトを決めたことはあるだけに,なかなか面白い打撃戦になるのではないか。

 私はエルキンスが丁寧に攻めて勝つのではなかろうかと思う。
 エルキンスによるノックアウト予想。
 

Preliminary card
Bantamweight Alex Caceres vs. Sergio Pettis
 アンソニー・ペティスの弟のセルジオが登場する。前回はその天才的な才能の片鱗をみせた試合であった。今回の相手は「ブルース・リロイ」ことアレックス・カセレス。

 カセレスは面白い選手だが,力が弱く,決して強いとはいえない選手である。
 まず問題なくセルジオが圧倒するだろう。
 

Bantamweight Eddie Wineland vs. Yves Jabouin
 バラオの回し蹴りに沈んだワインランドだが,ボクシングの技能は高い。
 ジャボインは組んでなんとかして倒しにいかなければ,ワインランドのボクシングでやられてしまうのではないか。

 ワインランドによるノックアウト予想。


Welterweight George Sullivan vs. Mike Rhodes
 両者ともUFCデビュー戦。
 ジョージ・サリヴァンは注目の強打の選手。いかにも力の強そうな体をしている。相手と打撃が交錯し接近したときのガードが甘くややアゴが上がり気味になるのが気になるところ。
 一方,24歳のローデスはサリヴァンとは対照的に体がやわらかそうな選手であり,テイクダウンがうまい。が,打撃に力が感じられないのが,いまひとつ。組みに行きたいところだろう。

 打撃でサリヴァンが圧倒するのではなかろうか。


2014年1月15日水曜日

UFC Fight Night: Rockhold vs. Philippou

Middleweight Luke Rockhold vs. Constantinos Philippou
 ロックホールドが組みに出るかとおもったが,そうなる前に打撃でも距離でもフィリプウを圧倒していた。ロックホールドの深い懐にフィリプウは入り込めず,手を出せばカウンターをもらって,序盤からもうなす術がなかったという感じであった。
 初回,ロックホールドの多彩な蹴りが額に当たり,やぶれかぶれ気味に前へ出たが,今度は腹部にキックを二度受け,たまらずダウン。あっけない幕切れだった。

 序盤の両者の距離感をみているだけでもう勝敗が見えたかのような,大きな実力差体格差を感じさせる試合であった。


Middleweight Lorenz Larkin vs. Brad Tavares
 タヴォーレスがとても上手に闘っていた。
 いつもどおり慎重ながら今日は序盤から積極的に攻め,距離と出入りを工夫してラーキンに自分の相撲をとらせなかった。時々ラーキンがみせる蹴りやパンチは半端なく速く,ヒヤッとさせられるものがあったが,そうやってラーキンが出てきてもタヴォーレスは下がらず,踏んばって打ち返していた。距離がつけばまたタヴォーレスが先手先手と攻め,見事に判定を自分のものにした。
 地味ながら予想どおりの好試合であった。


Bantamweight T.J. Dillashaw vs. Mike Easton
 今日もディラショーの動きが良かった。スピードと打撃の多彩さでイーストンを圧倒した観があった。好試合であった。


Middleweight Yoel Romero vs. Derek Brunson
 序盤はブランソンの方が良かった。速いパンチを何度か当て,時折ロメロを後退させていた。 
 驚いたのはロメロの超人的なタフネスさだった。肩から頭にかけてのラインがまるで一直線であり,後ろからみると首が無いように見える。序盤からブランソンの速いパンチを顔面に受け,後頭部付近に至近距離からの蹴りをまともに受けていたのだが,ケロっとして闘いつづけていた。

 力も超人的につよくタフなロメロだけれど,これからもっと上の選手と対戦していくと,なかなか今日の試合のようにはいかないとおもうし,いずれ大きな壁にぶつかるんじゃなかろうか。やはり総合格闘はスピードが命,動体視力と反応の速さ,すなわち年齢が,今後のロメロの大きな弱点になってしまうのだろう。また,いい打撃を受けた後,後退して仕切り直し,みたいなことは上位ではまずさせてもらえず,効いたとみるや一気にたたみかけてくるだろう。いくらタフとはいえ,そういう場面でロメロが踏んばれるかどうか。ちょっと難しいように思う。


Flyweight John Moraga vs. Dustin Ortiz
 オーティズはスタンスを頻繁にスイッチさせつつ交錯時に強い右のフックをかぶせてくる。上体が見事だが足が極端に短く,まるでアズマオオズアカアリの兵隊アリみたいな選手である。レスリンも強い。
 一方のモラガは総合力の高い選手であり,あわてずにじっくり攻めていくタイプである。
 序盤,オーティズが翻弄するかんじで攻勢に見えたが,2Rではモラガがパンチを的確に当てるようになり,さらに背後をとって裸絞めで極めたかにみえた。が,オーティズは腕力でモラガの腕をはずし,見事に盛り返した。
 最終ラウンドはオーティズがテイクダウンをとってポイントで勝ったかに私には見えたが,割れた判定でモラガが制した。
 いずれにせよ,いい試合であった。


Lightweight Beneil Dariush vs. Charlie Brenneman
 7戦全勝24歳ダルーシの電光のような左ストレートが見事であった。注目の選手である。

2014年1月14日火曜日

UFC Fight Night: Rockhold vs. Philippou 予想

Middleweight Luke Rockhold vs. Constantinos Philippou
 強打のフィリポウに対し,柔術達人のロックホールド。
 ロックホールドはベウフォートの後ろまわし蹴りの一発に沈んだが,粘り強く闘ってジャッカレに判定で勝ったことがあり,評価すべき実力をもった選手である。
 一方のフィリポウはいかにも打撃があるかんじの上体をしているが,ねちっこい相手に対してやや決め手に欠けるようなところがある。何より寝技に弱い。

 立ち技主体で試合が進むようだとフィリポウにも大いにチャンスはあるが,前回の試合をみるかぎり,どうしても寝技が弱点という印象がぬぐえない。ロックホールドはそこにつけ込むであろうし,おそらく執拗に組みにきて自分の土俵であるグラウンドの展開に持ち込むのではなかろうか。
 
 ロックホールド予想。


Middleweight Lorenz Larkin vs. Brad Tavares
 クリエイティブな打撃をもつラーキンは相撲もなかなか強くバランスもいい好選手。タヴォーレスも打撃が的確で安定感のある選手であり,辛抱強く丁寧に試合を進めるタイプである。
 これはこの日いちばんの好試合になるのではないか。

 難しいところだが,どちらかといえば好きなタイプのラーキンを予想。


Bantamweight T.J. Dillashaw vs. Mike Easton
 やや一発力に欠けるも抜群のバランス感をもつイーストンと,やや変則的ながら一発一発に力をこめて振るってくるディラショー。
 ディラショーは学生レスリングをやっていたが,エーストンはテコンドーと柔術が黒帯とのこと。
 武術の帯の色と,総合格闘がどれだけ直接関係するか見るうえで興味深い一戦である。

 両者ともにアサンカオと対戦しており,ディラショーの方が競って面白い試合をしていた。
 よってディラショー予想。


Middleweight Yoel Romero vs. Derek Brunson
 さてレスリングでキューバ代表,五輪金メダリストのヨエル・ロメロの登場である。下半身がしっかりして,かつ運動神経もよく,精神も安定した選手である。
 一方のブランソンは攻めのつめが甘く,カーディオもいまひとつ。ペース配分を誤ってダレた試合をしておきながら,試合終了時には勝利を確信して喜びの絶叫をするなど,私の個人的印象としては嫌いなタイプの選手である。
 
 というわけで駿馬のロメロ予想。


2014年1月4日土曜日

UFC Fight Night: Saffiedine vs. Lim

Welterweight Tarec Saffiedine vs. Hyun Gyu Lim
 リムは打撃主体の選手だが昔のプロレスラーのような構えでスリ足で寄って,ときどき雄叫びをあげるのが印象的であった。よく伸びるストレートは,序盤はサフィディンのキックに合わせるように出せて良かったが,疲れてくると攻めも防御も大雑把になっていった。
 一方,丁寧に丁寧にと攻めていたサフィディンが,次第に試合の主導権を握っていった。マーコートを倒しただけあって安定感のあるとてもいい選手である。つねにガードを高くかかげ,頻繁にスタンスをスイッチさせ,多彩な蹴りを見せたかとおもえばテイクダウンも狙ってくる。攻めも防御もキメが細かく丁寧という印象であった。ローキックが今日も冴え,リムの左腿は紫に腫れあがっていた。
 しかし勝利の確定した最終ラウンドは相手から距離をとり意図的に時間を稼いでいるような場面が目立ち,その点いまひとつな印象であった。一方,最終ラウンドで一気に追いつめて自分のラウンドにしたリムは大したものだった。
 

Featherweight Tatsuya Kawajiri vs. Sean Soriano
 川尻選手,まったく見事であった。私のヘボ予想は見事に外れた。心からおめでとうと言いたい。
 朽木倒しのようにして執拗にテイクダウンを狙い,自分の土俵で戦っていた。上体の力が大変強く,相手を倒すやいなやまるで水生半翅目の昆虫のように捕まえて離さない。あの立派な大胸筋は伊達ではなかった。
 序盤に相手の打撃をまともに顔面にもらっていたのが目立ち,今後の課題かという気もした。がしかし感触を得た相手が出てきたからこそ自分の土俵に持ち込めたわけで,川尻選手はあれでよい気がした。
 
 また川尻選手のマイク・パフォーマンスも良かった。勝者らしい笑顔がまた素晴らしく,底抜けの明るさがあり,英語ではナニ言ってるのかいまいちわからなかったがしかし伝えたいことをちゃんと伝えていた。スター性のある選手である。
 彼はアメリカでも人気者になりうる選手であり,早く本土上陸してきて欲しいものだ。


Featherweight Max Holloway vs. Will Chope
 序盤,チョウプの長い四肢に悩まされていた若きハワイアンのホラウェイであったが,相手の打ち終わりに踏み込んで的確なパンチを当て,徐々に自分のペースにしていったのが良かった。また,得意の回転しての後ろ蹴りを至近距離からくり出して,ボディーに強烈に当てていた。
 以前私は,ホラウェイには当てカンはあるが倒す力に欠ける,と書いたことがあったが,今回は長身の相手に対してガツンガツンと強いパンチを当て,キッチリ倒していた。まったく見事であった。

 

2014年1月2日木曜日

UFC Fight Night: Saffiedine vs. Lim 予想

Welterweight Tarec Saffiedine vs. Hyun Gyu Lim
 サフィデインは,ネイト・マーコートに対してローキックをよく当てて判定勝ちをおさめたのが印象的である。ストライクフォースにおける最後の王者になった選手である。
 対するは韓国の天才ストライカー,ヒュン・ギュ・リム。正確に相手の顔面に吸い込まれるように伸びてゆく真っ直ぐのパンチが印象的である。長いリーチと体格に恵まれているが,足をつかってリーチを生かすなどという小細工はせず,ベタ足で打ち合いに応じる,ある意味韓国選手らしい,とても好戦的な選手である。
 韓国ゾンビと並んで私の最も好きなタイプである。リムが打撃力を生かして圧倒するのではないかとおもう。

 リム予想。


Featherweight Tatsuya Kawajiri vs. Sean Soriano
 日本期待の川尻選手だが,残念ながら相手が悪いとしかいいようがない。
 8戦全勝のソリアーノは身体能力が高く,上へ下へと多彩な攻めはGSPをソウフツさせるものがある。何より反応がいい。力もある。ガードを高くかかげつつもリラックスした構えの安定感はとても24歳とは思えない。将来確実に上位にくる選手である。

 私は実は川尻選手のことはあまりよく知らないのだが,彼の年齢と,今まで主に日本でしか試合をしてこなかった点,対戦相手の履歴を見ただけで,まず敵わないのではないかと思ってしまう。
 かつて山本 "KID" 徳郁がUFCデビューにてデメトリアス・ジョンソンと対戦してしまったが,状況はそれと似たかんじなのではないか。
 
 ソリアーノ予想