link

ツィッタ―始めました。
Twitter 全身凶器

2017年10月29日日曜日

UFC 217: Bisping vs. St-Pierre 予想

Middleweight Michael Bisping vs. Georges St-Pierre
 ずいぶんご無沙汰なGSPだが、ビスピンのテイクダウン防御がさほど良くないことをおもうに、往年のGSPであればビスピンを圧倒できたのではなかろうか。
 が、ブランク明けともなると、どうであろう。また体重が重くなれば下肢への負担は増えるわけで、先にバテるのはGSPだろう。

 がしかしそれでもGSPのテイクダウンは面白いように決まるであろうし、そこからの肘攻めのいやらしさをおもうにやはりGSPがつよいのではないか。ビスピンの強みはカーディオのつよさと手数の多さだが、GSPはそこらへん負けてはいないようにおもう。精神力もビスピンは特筆すべきものがあるが、GSPも数々の逆境を乗り越えて勝利をモノにしてきている。

GSP予想。


Bantamweight Cody Garbrandt vs. T.J. Dillashaw
 この試合がこの興業でいちばん楽しみであり、またもっとも白熱したものになるのではないか。本来こういうカードがメインであるべきであるとおもう。
 TJ俊ちゃんは前回の防衛戦でクルーズに敗れはしたものの、独特のフットワークによる変則的な打撃とテイクダウンの鋭さはますます磨きがかかっており、それが眼のいいガーブラントにどこまで通用するかに注目したい。
 ガーブラントはアルメイダ戦までは踏み込みの鋭さと回転の速い強打というイメージがつよかったが、クルーズ戦では相手のうごきをよく見えていたし、待って動きを読んで迎え撃つということをしていた。やはりパンチの鋭さは大きな武器で、無駄打ちが少なく、テイクダウンにしてもパンチにしてもパタン化していない最短距離で相手の虚につけ込んでくる。

 動きの読み合いという試合になるのではないかとおもうが、クルーズ戦など見返すにガーブラントの動きは型にはまっておらず、つねに最短距離を選ぶように体が反射応答しているようにみえた。俊ちゃんのうごきが変則的で読みにくいとはいえ、その攻撃運動は能動的である。相手に研究され動きを読まれるとしたらそれは俊ちゃんの方なのではないかとおもう。

 よって私はガーブラント予想。
 そして FOTN 予想。
 

Women's Strawweight Joanna Jędrzejczyk vs. Rose Namajunas
 このかわいい研ナオコはガッツがあるが、打撃でも相撲でもヨアナとは歴然とした差があるようにみえる。
 
 ヨアナによるTKO予想。


Welterweight Stephen Thompson vs. Jorge Masvidal
 半身でうるさいキックを放ってくるトンプソンと、高度なフェイントを織り交ぜた一級品のボクテクをもつマスヴィダル。この試合もかなりハイレベルな打撃の攻防が期待される、もっとも楽しみな試合のひとつである。
 サウスポで低く広く構える変則的なトンプソンの攻略解はウッドレイが示してくれているが、ボクシングにこだわりがちなマスヴィダルはともすると相手を見て手が出なくなってしまうという悪いクセがあり、トンプソンの横蹴りやミドルキックには大いに悩まされるのではないか。
 
 ボクシングの上手さが光るマスヴィダルだが、実はレスリングがかなり巧い選手であり、ウッドレイがやったように鋭いパンチと織り交ぜて積極的にテイクダウンも狙っていけばマスヴィダルに大いに勝機があるのではないか。逆にいつものように得意なボクテクにこだわればそれは不発に終わり、トンプソンに翻弄されるのではないかとおもう。

 私は後者をとってトンプソン予想。


Middleweight Johny Hendricks vs. Paulo Borrachinha
 カーロス・リベラのような精悍なツラをしたボハシーニャ、パンチの当て勘がよく高いKO率をもち、勝機に敏く猛烈な攻めをみせる。が、みごとな上体に対して下肢は細く、テイクダウン防御がいまひとつという印象である。
 ヘンドリクスとしては打ちあいにつきあわずにテイクダウンを狙っていくべきだろうし、実際そうするだろう。が、倒してもヘンドリクスの短い四肢では攻めあぐねるのではないかとおもわれる。おそらくボハシーニャは柔術も巧いのだろう。両者の体格差、パワーの差、年齢をおもうに、この試合はヘンドリクスが咬ませ犬的な役割になってしまうのではないか。

 ボハシーニャによるノックアウト予想
 ヘンドリクスはこれで引退だろう。


Lightweight James Vick vs. Joseph Duffy
 両手だらりの首をかしげるようにした変則的なスタイルのダッフィだが、単に曲者を衒ってるふうでもあり、私はこういうカッコつけマンは好きではない。
 対するヴィックは大柄で懐が深く力もあり相撲がつよく、打撃も上に下に多彩である。ヴィックが圧倒するとおもう。

 ヴィック予想。


Light Heavyweight Ion Cuțelaba vs. Michał Oleksiejczuk
 ポーランドのオレクシジュクは攻防ともに一見無造作で、わりと打ち込まれたりするのだが、機をつかむのがうまく、チャンスで一気にたたみかけてしまう爆発力でここまで勝ってきたという印象。ただ、見た感じどうしてもバランスの悪さが目につくし、わりと相手の打撃ももらってしまうようだ。ローカルで敵なしでも、メジャーの舞台では難しいのではないか。
 クテラバも強打で鳴らした選手であり、そして何より頑丈な選手である。いいパンチをもらっても、当たり所がいいのか、ケロッとしてプレッシャーを与え続けてゆく。グレコローマンのレスリングの経験があり、寝ころべばオレクシジュクを圧倒するんではないか。

 クテラバ和志によるノックアウト予想。
 

Welterweight Randy Brown vs. Mickey Gall
 細長い四肢でもって斬れる打撃をもったブラウンであるが、寝かされると決定的によわい。
 25歳で柔術黒帯のガルは寝かせると決定的につよく、またケンカもつよい。さらに連勝記録を伸ばすのではなかろうか。
 
 ガル予想 by submission。


Light Heavyweight Ovince Saint Preux vs. Corey Anderson
 元レスラーで王者ヅラしたコリー・アンダーソンであるが、試合はこびは単調であり、ふわふわと宙に浮いたようなフットワークから出るパンチも切れ味があまり感じられない。聖闘士プルーの方が打撃に凄みがあるし、組みも寝技も引き出しは多いだろう。

 中野サンプル―予想。


Bantamweight Aiemann Zahabi vs. Ricardo Ramos
 好戦績の若い選手どうしの対戦である。ザハビはきびきびとしたいい試合をした印象があり、一方のハモスは斬れるパンチがあるようだが田中戦ではカーディオの弱さを露呈して、攻めものそのそとした印象があった。あきらかにザハビの方が好印象であった。

 ザハビ予想。

2017年10月25日水曜日

UFC Fight Night: Brunson vs. Machida 予想

Middleweight Derek Brunson vs. Lyoto Machida
 往年のマチダならば猪突してくるブランソンなぞたやすく屠るのではないかとおもうのだが、年齢やこれまでの敗戦歴のことを考えると、首をかしげたくなる。ブランソンはレスリングがうまく身体能力が高くカーディオもいい。メインだけに5Rある。40男のマチダが5Rもつとはおもえず、長丁場になればマチダは尻下がりに落ちていくであろう。
 マチダとしては早くに出鼻にカウンターを決めて勝負をつけたいところだろう。が、今となってはマチダも何らかの成長をみせないと、あのいつもの攻めもワンパターンというかんじがしてしまう。

 ブランソン予想。
 マチダは負け方によってはこれで引退だろう。


Welterweight Demian Maia vs. Colby Covington
 大きな口をたたくコヴィントンだが、試合後のアピールなどがいまひとつ観客につたわらぬ様子がちょっと痛々しい。これはマイア先生に勝たせようというカードにしかみえない。

 マイヤ予想 by サブミッション。


Bantamweight Pedro Munhoz vs. Rob Font
 ムニョスは打撃も組みもまんべんなくこなせるバランスのとれた堅実な選手であるという印象で、リベラとは割れた判定で敗れてはいるものの素晴らしい競った試合をしている。欠点も無いが、これといって抜きんでた長所も無いのが欠点といえば欠点か。
 フォントはバンタムのなかでも抜きんでた手足の長さをもっており、打撃は正確でかつタックルも組み合わせてくる。おもむろに出してくる変な右のアッパーは、上背のないムニョスに対して有効かとおもわれる。私はフォントが圧倒するのではないかとおもう。

 ゴシック体(フォント)予想。
 そして FOTN 予想。
 

Lightweight Francisco Trinaldo vs. Jim Miller
 ブラジルの郷ミノルことトリナウドは柔術ができそうな面構えをしているが、キックボクシングが主体の選手であり、サウスポからおもむろに左を振り回してきたり変なところから左膝を突き上げてくる。振り回すようなパンチは無造作にみえて正確である。カオ的にも年齢的にもトリナウドはカーディオに懸念があるのではないかという気がしてしまうが、力まずペース配分が上手で意外とスローダウンしない印象。
 一方、ミラーもサウスポであり、一流のレスラーであり、さらに柔術も玄人であるため、当然テイクダウンを狙ってくるであろうし、立ち技かグランドかの攻防が勝敗の決め手になるのではなかろうか。それからトリナウドの年齢もさすがにそろそろ影響が出てくるのではないか。予想は難しい。カオ的にトリナウドは野球のフリオ・フランコみたく、かなり高齢になっても活躍しそうな雰囲気はある。

 トリナウド予想。


Middleweight Thiago Santos vs. Jack Hermansson
 ストライカー同志の対戦。
 華麗なフットワークで大きく距離をとるハーマンソンであるが、ちょこまかと当てたりあるいはスパッと斬れる打撃を正確に一発当ててバッサリ決めるタイプではなく、最終的には接近したり上になったりでパウンドでもってメッタ打ちにして倒すような選手であり、序盤に距離をとってたのは何だったんだというかんじさえする。どうもサウスポに対して苦手そうなかんじがするので、頻繁にスタンスをスイッチして左足の蹴りを得意とするサントスのような選手には苦手かもしれない。
 強打のサントスはブラジル人のくせに寝技が下手という印象。ハーマンソンはレスリング上手であるようだが、勝利よりも立ち技での勝ちにこだわりをみせているかぎりサントスには勝てないだろう。逆にハーマンソンがなんとかしてサントスを寝かせてしまえば、勝機があるのではないか。

 なかなか予想するのは難しい。サントスが勝つなら早い段階で圧倒してしまうとおもうが、なんとなく私はハーマンソンがグダグダにしてしまうのではないかという気がする。

 ハーマンソン予想。


Bantamweight John Lineker vs. Marlon Vera
 じっくり観ればなかなかクレバーな闘いをするヴェラであるが、はっきりいって面白味のない選手という印象。プレッシャーをかけてくる選手に対して下がる一方だったりする。単純にリネカーの敵ではないとおもう。

 リネカー予想


Welterweight Vicente Luque vs. Niko Price
 ルケは王道的なバランスのとれてる印象の選手で、強打があり、相撲もうまい。そして25歳という若さである。全勝のニコにとって最強の相手であろう。無敗のニコは手足が長く、型やぶりながらタイミングよくあざやかに右を当てるし、グランドでもねちっこく、いつもみごたえのある面白い試合をするケンカ上手であるが、ややバランスが悪い。
 私は強打者どうしの対戦ではバランスが良い方をとることにしているし、やはり基本をしっかり抑えている本格派のルケがニコに初黒星を与えるのではないかとおもう。

 ルケ予想。


Flyweight Deiveson Figueiredo vs. Jarred Brooks
 全勝どうしの若い対決だが、ブルックスの試合の印象はさほど芳しくない。一方、フィギュレドが四肢の長いベルトランを上手に攻略してみせた試合は見応えがあった。私はフィギュエレドの方が打撃でも寝技でもブルックスを上回るようにおもう。

 フィギュエレド予想。

2017年10月11日水曜日

UFC Fight Night: Cerrone vs. Till 予想

Welterweight Donald Cerrone vs. Darren Till
 若いティルはパンチが多彩で、サウスポのスタンスから鋭く伸びる右のジャブ、そして踏み込んでの左ストレートなどは芸術的なタイミングである。接近すれば振り下ろすような左肘が出る。アップライトなスタンスでバランスがよく、相手の打撃に対しての反応もよくボクシングの上手さは申し分ない。グラウンドで上になれば腰に体重を残しつつパンチや肘を正確に当ててくる。ただ、攻めがやや単発でボリュームに欠けるところがある。それから前足である右足が無防備で、まるでまな板に載った大根のような印象。蹴りの専門家であるセローニがそれを放置するとはおもえない。また頭部へのパンチを避けるのは巧いが、ボディーや下半身への打撃をどう対処するのかもちょっと怪しい。グランドで下になったときも、どれだけ対応できるのか未知数。
 一方のセローニは、ペティスやドスアニョス、マスヴィダルといった一級品のボクテクをもった選手に完敗しているとはいえ、彼らがセローニを攻略できたのは腕だけでなく蹴りも織り交ぜてのことだ。いくらティルがボクシングがうまいとはいえ、パンチだけでセローニを倒せるとはちょっと考えにくい。さらにメイン・イベントともなれば五回あるわけで、ティルは尻下がりに落ちてゆくのではないか。じわりじわりとセローニのペースになってゆくようにおもう。

 私はセローニによる一本勝ち予想。


Women's Strawweight Karolina Kowalkiewicz vs. Jodie Esquibel
 いかにも私ごのみなかっちり骨太系のジョディはきびきびとしたフットワークで、力もあり、踏み込んでソリッドなパンチを放つ。この緊張感を終始保っていけば、ポイントで判定勝ちも狙えるかもしれない。が、動きはやや直線的で、どっしりとした下半身のわりにバランスがさほど良いわけでなく、距離感もいまひとつ。クリンチワークのうまいカロリナに捕まったとき、どこまで自分のスタイルを維持できるのかは疑問である。
 カロリナ・コヴォルケヴィッチは、場内コールのときに恥じらう少女みたいにケージにもたれてみせるが、この女、とんでもない怪物である。いかにもポーランドの女らしいというか、逆境でも折れない、いかにも芯の強げな女である。スタンスを頻繁にスイッチさせながらぐいぐい前に出て、相撃ち上等で出すべきところに手を出し、膝を出し、肘を出しする全く型にはまらぬスタイル。とくにクリンチしてからの膝やら肘やら、めちゃくちゃに出してくる。並外れてタフであり、長丁場につよい。ヨアナ相手にあれだけ打たれながらも最後には追い詰めて、主導権を握っている。
 勝敗の決め手は 3R という短い試合で、きびきびうごきまわるジョディをカロリナがどこで捕まえられるかであろう。ジョディが最後まで緊張感をもって自分の距離を保てれば勝てる可能性があるが、私はカロリナがつよいと思う

 カロリナ予想


Light Heavyweight Jan Blachowicz vs. Devin Clark
 クラークはダウン症候群への意識を高めようという運動に参加している社会派格闘家である。フットワークも軽快で鮮やかなパンチをよく当てるが、豆タンクなわりに慎重すぎるほど距離をとり、踏み込んで放つパンチの斬れ味はさほどでもない。重心が低く、元レスラーでもあることからテイクダウンもよく決めるが、いかんせん胴が短いために結局何もできずに相手に立たれてしまうことが多い。甘いマスクで心優しい青年なのか、スタイルもクリーンで、いまひとつ迫力が感じられない選手である。顔が長くさほど打たれ強い方でもない。ただ相手のブラホビッチはテイクダウン防御はさほど上手ではない。クラークが執拗にテイクダウンをとって心を鬼にして削りまくれば勝てるかもしれない。
 ポーランドのケンカ屋の方は打撃に斬れ味がある。私はブラホビッチのパンチが一発でも当たれば、それでクラークが失速するのではないかという気がする。

 よってノックアウトによりブラホビッチ予想。


Middleweight Jonathan Wilson vs. Oskar Piechota
 ジョニーブラボーことウィルソンは勝星のほとんどがKOであり、一見強打の持ち主のようにみえるが、蓋を開けてみると左のパンチは強烈とはいえ単発であることが多く、本格派に通用するようにはみえない。テイクダウン防御率が高いが、これは上に下にと攻めてくるオールラウンダーと闘ったことがないためで、これまで試合が殴り合いを主体とするような内容のものばかりであったからだろう。
 一方のピエコタはまちがいなく本格派である。反応がよく、カウンターがうまい。じりじりと後退しながら出鼻に左フックを合わせる。かとおもえば相手の出鼻に合わせるように大胆に踏み込んで左、あるいは右。強烈である。打撃だけでなくグラップリングも得意のようで、相手をグラウンドに引き込むように自ら倒れこんだりもする。この選手は勝ち上がってくるだろう。

 ノックアウトでピエコタ予想。