レスリング力で差が出た。相撲でもエドガーは強引なだけでなく、相手の力を読んでの引き手がうまく、押しておいてスッと逆に引くと相手が前に倒れるという、往年の千代の富士のようなうまさがあった。
内容で勝っていながらも、逃げたり時間を稼いだりせず、最後の最後まで相手を攻め続け、最後に首をねじるようにしてスワンソンからタップをとった。まったく大した選手である。
今日の興行は全般的にがっかりするような内容の試合が多く、途中パッキャオの試合なぞ観たりしたが、この最後の試合だけは見ごたえがあった。
Lightweight Bobby Green vs. Edson Barboza
グリーンはいつぞやの須藤元気選手のような変則的なスタイルでバルボザに対峙、バルボザは終始マイペースで王道の攻めをみせた。グリーンの反応は良かったが、攻め続けたバルボザの方が一枚上手であった。
Flyweight Brad Pickett vs. Chico Camus
Heavyweight Oleksiy Oliynyk def. Jared Rosholt
ファンも目が肥えてきてんだから、UFCももっと質の高いカードを並べないと、ファンが離れてくぞ。メインカードにしては低レベルな試合が二試合ほど続いた。
Flyweight Joseph Benavidez vs. Dustin Ortiz
今日のベナヴィデズはガードも低いし、ナックルがかえってない雑なパンチが目立ち、また強引なところがあり、いつもの格闘の教科書のようなベナヴィデズじゃなかった。またオーティズもおそろしくタフな選手で、かなりいいパンチや蹴りが顔面をとらえていたはずだが、オーティズは倒れなかった。
ベナヴィデズが勝ったものの、内容は決してよいとはいえなかったようにおもう。
Lightweight Matt Wiman def. Isaac Vallie-Flagg
ワイマンは接近時の肘の使い方が上手であったが、両者ともに打撃も締めも切れ味がいまひとつであった。
Heavyweight Ruslan Magomedov vs. Josh Copeland
まるで素人の試合であった。マゴメドフには技術があるのだろうけど、まったくもって重量級らしからぬナマクラな打撃で、観ていてイライラしてくるような試合であった。
ジョシュ・コウプランドはうごくたんびに腹の贅肉がゆらゆらと揺れていて、とても現代格闘の選手とは思えない。一体どうしたんだUFCというかんじである。
Middleweight Luke Barnett vs. Roger Narvaez
八勝一敗のバーネットに六勝一敗のナーヴァエズ、両者ともに戦績がいい。また両者ともに殺人鬼のような風貌。殺るか殺られるか、というような試合を期待。
ふたを開けてみたら、ナマクラパンチ同士の試合で、両者ともうごきに歯切れがなく、まったくつまらなかった。
Lightweight James Vick vs. Nick Hein
戦績のいい両者。とくにヴィックはボクサーだそうだが、KO率はさほどでなく、注目するほどの打撃力はなさそう。中堅どころの退屈な判定試合になるのではないかと予想。
リーチさがかえって緊迫感を生んで面白い試合になったが、が、この緊迫感は、高いレベルの試合というより、ヴィックが派手な技を出すわりによくパンチがもらいまた打たれ弱い点に起因するようだ。
また、面白かったのは序盤だけで、後半はヴィックが足をつかって逃げにはいり、なんともつまらない終わり方であった。
Women's Strawweight Paige Van Zant vs. Kailin Curran
うまく腰をつかったひねりで倒した相手にえげつないパウンドを入れて勝ったペイジ・ヴァンザント選手はまだハタチ。nose-up がキュートなかわいこちゃんである。