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2014年1月30日木曜日

UFC 169: Barao vs. Faber II 予想

Bantamweight Renan Barão vs. Urijah Faber
 両者ともに他を寄せ付けない強さをみせているだけに,とても興味ぶかい一戦。 
 この階級でいちばん力強く,まるで足に根の生えた千代の富士のようなバランス感のフェイバーが負けるのは想像しにくいが,これといって斬れのある打撃を持っておらず,また意外と過去に何度かノックアウト負けを喫しているのが気になるところ。
 バラオはプロとしての初戦を落として以降はまったくの無敗である。スピードは群を抜いており,打撃も速く斬れがある。
 理屈で考えればバラオが勝つと考えざるを得ないのではないか。
 フェイバーが自分の持ち味を生かしてどのようにバラオを攻略してゆくのか,大変に楽しみな一戦である。

 バラオ予想。


Featherweight José Aldo vs. Ricardo Lamas
 ラマスはエリック・コーク相手に圧倒的な安定感と強さをみせた選手であった。終始落ち着いて的確に小さなパンチを入れ,勝負どころでは爆発的な猛攻を見せる,という印象であった。
 が,やはり若くて無敵なジョゼイ・アルドーの方が,一枚も二枚も上手のように感じる。

 不動のアルドー予想。


Heavyweight Frank Mir vs. Alistair Overeem
 アリスター・オフレイムという選手は,猛然とパンチで向かってくる選手には子猫のような弱さ,意気地の無さを見せる選手だが,これといって強い打撃をもたない選手に対しては獅子のように強い。私の大嫌いな選手である。
 フランク・ミアは,おそらく関節技でしか勝てる見込みは無さそうだが,オフレイムはそこらへんの防御はわりあいとうまい。

 オフレイム予想。


Flyweight John Lineker vs. Ali Bagautinov
 コンバット・サンボの元世界チャンピオンであるバガウチノフは,終始下がりながら相手の出鼻に強い相打ちを当ててゆくというスタイル。イチロー選手に似ている。
 24歳のリネカーは強打者であるのだが,試合の前半はボディー中心に攻めつつ,後半は右一本に変えたりと,攻めのスタイルを試合中にがらりと変えてくる面白い選手である。
 両者ともに好選手であり,かなり面白い試合になるのではないか。

 積極性をとってリネカー予想。


Preliminary card
Lightweight John Makdessi vs. Alan Patrick
 松濤館空手の黒帯のマクデッシは打撃技術が高く。眼がよく頭を動かして相手の打撃を上手にかわす。しかし技術にこだわりポンポン当てるだけで,相手をノックアウトしてやろう,という執念があまり感じられない選手である。
 一方のパトリックは11戦全勝と急上昇中であり,興味深い一戦である。


Lightweight Tony Martin vs. Rashid Magomedov
 八戦全勝のマーチンは勝ちのほとんどが関節技による勝利である。
 一方のマゴメドフは16勝1敗という強豪であり,注目してみたい。

 
Welterweight Neil Magny vs. Gasan Umalatov
 ウマラトフもロシアの選手であり,かなりの強豪なのではないか。
 

2014年1月24日金曜日

UFC on Fox: Henderson vs. Thomson 予想

Lightweight Benson Henderson vs. Josh Thomson
 屈強な下半身とソツのない攻めと守り。きわめて安定感の高いベンドーが勝つのではなかろうか。
 トムソンは前回ネイト・ディアズの前額に蹴りを当てて見事な勝利を収めたが,ベンヘンはネイトのように無防備で前に出てくるような選手ではない。

 判定でベンソン・ヘンダーソン予想。
 

Heavyweight Stipe Miocic vs. Gabriel Gonzaga
 これは面白い一戦。ヘビー級の門番長ことゴンザガと,クロコップをソウフツさせる打撃の斬れるミオチェチ。
 ゴンザガは前回の試合で相手のパンチをもらいながらカウンターで返り討ちにしていたが,パンチが速くボクシングのうまいミオチェチ相手にああいう勝ち方は無理ではなかろうか。なんとか相手を倒して塩漬けにしたいところだろう。
 ミオチェチはストルーブに不覚をとったけれども,負けたのはその一戦だけであり,勝利のほとんどがノックアウトによるものである。
 私はミオチェチが足をつかって距離をとり,速いパンチでもって優位に試合を進めるのではないかと思う。 

 ミオチェチによるノックアウト予想。 
 

Lightweight Donald Cerrone vs. Adriano Martins
 カウボーイ,ここのところ勝ったり負けたりをくり返していたが,前回は完全復活をアピールする見事な勝利であった。連勝したいところだろう。ローキックに膝が冴え,つよいねばり腰をもった選手である。まず今回も負けないのではないか。
 マーチン選手はこの試合がUFCにおける二試合目だというが,前回はかなり前座で登場していた気がする。実はあまりよくわからない選手の一人。

 カウボーイ予想。
 

Featherweight Darren Elkins vs. Jeremy Stephens
 27歳のスティーブンスはとにかく強振してくる選手である。ここまで風切り音が聞こえてくるようなハンマーパンチ,一発でも当たればスティーブンスが勝つのだろう。だけど試合運びがやや大雑把で,丁寧さに欠けるところがある。
 一方のエルキンスは,前回日沖と対戦して苦戦しつつ,勝利への貪欲さでもって判定を制したかんじであった。右のクロスで鮮やかなノックアウトを決めたことはあるだけに,なかなか面白い打撃戦になるのではないか。

 私はエルキンスが丁寧に攻めて勝つのではなかろうかと思う。
 エルキンスによるノックアウト予想。
 

Preliminary card
Bantamweight Alex Caceres vs. Sergio Pettis
 アンソニー・ペティスの弟のセルジオが登場する。前回はその天才的な才能の片鱗をみせた試合であった。今回の相手は「ブルース・リロイ」ことアレックス・カセレス。

 カセレスは面白い選手だが,力が弱く,決して強いとはいえない選手である。
 まず問題なくセルジオが圧倒するだろう。
 

Bantamweight Eddie Wineland vs. Yves Jabouin
 バラオの回し蹴りに沈んだワインランドだが,ボクシングの技能は高い。
 ジャボインは組んでなんとかして倒しにいかなければ,ワインランドのボクシングでやられてしまうのではないか。

 ワインランドによるノックアウト予想。


Welterweight George Sullivan vs. Mike Rhodes
 両者ともUFCデビュー戦。
 ジョージ・サリヴァンは注目の強打の選手。いかにも力の強そうな体をしている。相手と打撃が交錯し接近したときのガードが甘くややアゴが上がり気味になるのが気になるところ。
 一方,24歳のローデスはサリヴァンとは対照的に体がやわらかそうな選手であり,テイクダウンがうまい。が,打撃に力が感じられないのが,いまひとつ。組みに行きたいところだろう。

 打撃でサリヴァンが圧倒するのではなかろうか。


2014年1月15日水曜日

UFC Fight Night: Rockhold vs. Philippou

Middleweight Luke Rockhold vs. Constantinos Philippou
 ロックホールドが組みに出るかとおもったが,そうなる前に打撃でも距離でもフィリプウを圧倒していた。ロックホールドの深い懐にフィリプウは入り込めず,手を出せばカウンターをもらって,序盤からもうなす術がなかったという感じであった。
 初回,ロックホールドの多彩な蹴りが額に当たり,やぶれかぶれ気味に前へ出たが,今度は腹部にキックを二度受け,たまらずダウン。あっけない幕切れだった。

 序盤の両者の距離感をみているだけでもう勝敗が見えたかのような,大きな実力差体格差を感じさせる試合であった。


Middleweight Lorenz Larkin vs. Brad Tavares
 タヴォーレスがとても上手に闘っていた。
 いつもどおり慎重ながら今日は序盤から積極的に攻め,距離と出入りを工夫してラーキンに自分の相撲をとらせなかった。時々ラーキンがみせる蹴りやパンチは半端なく速く,ヒヤッとさせられるものがあったが,そうやってラーキンが出てきてもタヴォーレスは下がらず,踏んばって打ち返していた。距離がつけばまたタヴォーレスが先手先手と攻め,見事に判定を自分のものにした。
 地味ながら予想どおりの好試合であった。


Bantamweight T.J. Dillashaw vs. Mike Easton
 今日もディラショーの動きが良かった。スピードと打撃の多彩さでイーストンを圧倒した観があった。好試合であった。


Middleweight Yoel Romero vs. Derek Brunson
 序盤はブランソンの方が良かった。速いパンチを何度か当て,時折ロメロを後退させていた。 
 驚いたのはロメロの超人的なタフネスさだった。肩から頭にかけてのラインがまるで一直線であり,後ろからみると首が無いように見える。序盤からブランソンの速いパンチを顔面に受け,後頭部付近に至近距離からの蹴りをまともに受けていたのだが,ケロっとして闘いつづけていた。

 力も超人的につよくタフなロメロだけれど,これからもっと上の選手と対戦していくと,なかなか今日の試合のようにはいかないとおもうし,いずれ大きな壁にぶつかるんじゃなかろうか。やはり総合格闘はスピードが命,動体視力と反応の速さ,すなわち年齢が,今後のロメロの大きな弱点になってしまうのだろう。また,いい打撃を受けた後,後退して仕切り直し,みたいなことは上位ではまずさせてもらえず,効いたとみるや一気にたたみかけてくるだろう。いくらタフとはいえ,そういう場面でロメロが踏んばれるかどうか。ちょっと難しいように思う。


Flyweight John Moraga vs. Dustin Ortiz
 オーティズはスタンスを頻繁にスイッチさせつつ交錯時に強い右のフックをかぶせてくる。上体が見事だが足が極端に短く,まるでアズマオオズアカアリの兵隊アリみたいな選手である。レスリンも強い。
 一方のモラガは総合力の高い選手であり,あわてずにじっくり攻めていくタイプである。
 序盤,オーティズが翻弄するかんじで攻勢に見えたが,2Rではモラガがパンチを的確に当てるようになり,さらに背後をとって裸絞めで極めたかにみえた。が,オーティズは腕力でモラガの腕をはずし,見事に盛り返した。
 最終ラウンドはオーティズがテイクダウンをとってポイントで勝ったかに私には見えたが,割れた判定でモラガが制した。
 いずれにせよ,いい試合であった。


Lightweight Beneil Dariush vs. Charlie Brenneman
 7戦全勝24歳ダルーシの電光のような左ストレートが見事であった。注目の選手である。

2014年1月14日火曜日

UFC Fight Night: Rockhold vs. Philippou 予想

Middleweight Luke Rockhold vs. Constantinos Philippou
 強打のフィリポウに対し,柔術達人のロックホールド。
 ロックホールドはベウフォートの後ろまわし蹴りの一発に沈んだが,粘り強く闘ってジャッカレに判定で勝ったことがあり,評価すべき実力をもった選手である。
 一方のフィリポウはいかにも打撃があるかんじの上体をしているが,ねちっこい相手に対してやや決め手に欠けるようなところがある。何より寝技に弱い。

 立ち技主体で試合が進むようだとフィリポウにも大いにチャンスはあるが,前回の試合をみるかぎり,どうしても寝技が弱点という印象がぬぐえない。ロックホールドはそこにつけ込むであろうし,おそらく執拗に組みにきて自分の土俵であるグラウンドの展開に持ち込むのではなかろうか。
 
 ロックホールド予想。


Middleweight Lorenz Larkin vs. Brad Tavares
 クリエイティブな打撃をもつラーキンは相撲もなかなか強くバランスもいい好選手。タヴォーレスも打撃が的確で安定感のある選手であり,辛抱強く丁寧に試合を進めるタイプである。
 これはこの日いちばんの好試合になるのではないか。

 難しいところだが,どちらかといえば好きなタイプのラーキンを予想。


Bantamweight T.J. Dillashaw vs. Mike Easton
 やや一発力に欠けるも抜群のバランス感をもつイーストンと,やや変則的ながら一発一発に力をこめて振るってくるディラショー。
 ディラショーは学生レスリングをやっていたが,エーストンはテコンドーと柔術が黒帯とのこと。
 武術の帯の色と,総合格闘がどれだけ直接関係するか見るうえで興味深い一戦である。

 両者ともにアサンカオと対戦しており,ディラショーの方が競って面白い試合をしていた。
 よってディラショー予想。


Middleweight Yoel Romero vs. Derek Brunson
 さてレスリングでキューバ代表,五輪金メダリストのヨエル・ロメロの登場である。下半身がしっかりして,かつ運動神経もよく,精神も安定した選手である。
 一方のブランソンは攻めのつめが甘く,カーディオもいまひとつ。ペース配分を誤ってダレた試合をしておきながら,試合終了時には勝利を確信して喜びの絶叫をするなど,私の個人的印象としては嫌いなタイプの選手である。
 
 というわけで駿馬のロメロ予想。


2014年1月4日土曜日

UFC Fight Night: Saffiedine vs. Lim

Welterweight Tarec Saffiedine vs. Hyun Gyu Lim
 リムは打撃主体の選手だが昔のプロレスラーのような構えでスリ足で寄って,ときどき雄叫びをあげるのが印象的であった。よく伸びるストレートは,序盤はサフィディンのキックに合わせるように出せて良かったが,疲れてくると攻めも防御も大雑把になっていった。
 一方,丁寧に丁寧にと攻めていたサフィディンが,次第に試合の主導権を握っていった。マーコートを倒しただけあって安定感のあるとてもいい選手である。つねにガードを高くかかげ,頻繁にスタンスをスイッチさせ,多彩な蹴りを見せたかとおもえばテイクダウンも狙ってくる。攻めも防御もキメが細かく丁寧という印象であった。ローキックが今日も冴え,リムの左腿は紫に腫れあがっていた。
 しかし勝利の確定した最終ラウンドは相手から距離をとり意図的に時間を稼いでいるような場面が目立ち,その点いまひとつな印象であった。一方,最終ラウンドで一気に追いつめて自分のラウンドにしたリムは大したものだった。
 

Featherweight Tatsuya Kawajiri vs. Sean Soriano
 川尻選手,まったく見事であった。私のヘボ予想は見事に外れた。心からおめでとうと言いたい。
 朽木倒しのようにして執拗にテイクダウンを狙い,自分の土俵で戦っていた。上体の力が大変強く,相手を倒すやいなやまるで水生半翅目の昆虫のように捕まえて離さない。あの立派な大胸筋は伊達ではなかった。
 序盤に相手の打撃をまともに顔面にもらっていたのが目立ち,今後の課題かという気もした。がしかし感触を得た相手が出てきたからこそ自分の土俵に持ち込めたわけで,川尻選手はあれでよい気がした。
 
 また川尻選手のマイク・パフォーマンスも良かった。勝者らしい笑顔がまた素晴らしく,底抜けの明るさがあり,英語ではナニ言ってるのかいまいちわからなかったがしかし伝えたいことをちゃんと伝えていた。スター性のある選手である。
 彼はアメリカでも人気者になりうる選手であり,早く本土上陸してきて欲しいものだ。


Featherweight Max Holloway vs. Will Chope
 序盤,チョウプの長い四肢に悩まされていた若きハワイアンのホラウェイであったが,相手の打ち終わりに踏み込んで的確なパンチを当て,徐々に自分のペースにしていったのが良かった。また,得意の回転しての後ろ蹴りを至近距離からくり出して,ボディーに強烈に当てていた。
 以前私は,ホラウェイには当てカンはあるが倒す力に欠ける,と書いたことがあったが,今回は長身の相手に対してガツンガツンと強いパンチを当て,キッチリ倒していた。まったく見事であった。

 

2014年1月2日木曜日

UFC Fight Night: Saffiedine vs. Lim 予想

Welterweight Tarec Saffiedine vs. Hyun Gyu Lim
 サフィデインは,ネイト・マーコートに対してローキックをよく当てて判定勝ちをおさめたのが印象的である。ストライクフォースにおける最後の王者になった選手である。
 対するは韓国の天才ストライカー,ヒュン・ギュ・リム。正確に相手の顔面に吸い込まれるように伸びてゆく真っ直ぐのパンチが印象的である。長いリーチと体格に恵まれているが,足をつかってリーチを生かすなどという小細工はせず,ベタ足で打ち合いに応じる,ある意味韓国選手らしい,とても好戦的な選手である。
 韓国ゾンビと並んで私の最も好きなタイプである。リムが打撃力を生かして圧倒するのではないかとおもう。

 リム予想。


Featherweight Tatsuya Kawajiri vs. Sean Soriano
 日本期待の川尻選手だが,残念ながら相手が悪いとしかいいようがない。
 8戦全勝のソリアーノは身体能力が高く,上へ下へと多彩な攻めはGSPをソウフツさせるものがある。何より反応がいい。力もある。ガードを高くかかげつつもリラックスした構えの安定感はとても24歳とは思えない。将来確実に上位にくる選手である。

 私は実は川尻選手のことはあまりよく知らないのだが,彼の年齢と,今まで主に日本でしか試合をしてこなかった点,対戦相手の履歴を見ただけで,まず敵わないのではないかと思ってしまう。
 かつて山本 "KID" 徳郁がUFCデビューにてデメトリアス・ジョンソンと対戦してしまったが,状況はそれと似たかんじなのではないか。
 
 ソリアーノ予想