久しぶりの日本でのUFC興行であるが,メインが日本選手でないのが残念である。メインどころか全体を見ても日本勢の顔ぶれがいまひとつ ,という印象がぬぐえない。日本の格闘界の高齢化と,選手層の薄さがはっきりと出てきているように感じる。
一方,今回は韓国選手の試合もいくつか用意されている。キムドンヒュン以外は無名の選手であるが,ここで根性ある試合を全世界に見せることで,今後韓国格闘陣が日本以上に注目される可能性は大いにあるわけで,皆かなり気合を入れて臨むであろう。,注目してみたい。
裏を返せば,ここのところの日本選手の試合が総じてあまり面白くないように感じる。日本人だからということで注目して観戦するが,内容をみるとどれもいまひとつでパッとしない。ここはひとつ韓国勢に負けないように根性みせて頑張ってもらいたいところである。
Light Heavyweight Wanderlei Silva vs. Brian Stann
我らがヴァンダレイがライトヘビーに昇級して,スタンと試合をする。
ヴァンダレイもスタンも,ともに日本にゆかりの深い選手である。ヴァンダレイを有名にしたのは日本のPRIDEであることは言うまでもないが,ブライアン・スタンも東京の横田基地で生まれている。
長らく死闘を続けてきたヴァンダレイの実力は明らかに下降ぎみであり,ここは円熟期を迎えつつあるスタンが有利ではなかろうか。
予想: KOでブライアン・スタン
Heavyweight Mark Hunt vs. Stefan Struve
これまた日本でおなじみ,サモアの超人マーク・ハントが,ヘビー級で急上昇中のステファン・ストルーブと対戦する。
両者ともに連勝中であり,またきわめて対照的な体形でもあり,大変興味深い試合である。
背の高いストルーブの頭部にハントのパンチが届くのか,ということもあるが,ストルーブは打撃だけでなく蹴りもあるし関節技もなかなかうまい。実力的に五分であれば引き出しの多い選手が有利であることは言うまでも無い。マーク・ハントは好きな選手だが,ここはやはり25歳という若さのストルーブの頑張りに期待したい。
予想: 関節技でストルーブ
Lightweight Takanori Gomi vs. Diego Sanchez
我らが金太郎,格闘界の京人形の五味選手による打撃の一発によるスカ勝ちに期待をしたいところであるが,サンチェスといえば総合力のある実力者であり,五味が勝つのはかなり難しいだろう。
予想: 早い回に,関節技でサンチェス
Middleweight Yushin Okami vs. Hector Lombard
日本人で一番上位にランク付けされており,いつも安定感たっぷりの試合をする岡見選手であったが,アンデウソン・シウバに完敗してから,次の試合ではティム・バウチの強烈なアッパーを何発も顔面にもらってしまい,それ以降はどうも見ていてハラハラする試合が多くなった。最近の過去二試合を見るに速いパンチがほとんど見えていないかのように,まったく反応せずにまともに顔面にもらってしまう場面が目立つ。
ロンバートといえば柔道四段で五輪にも出たことのある選手であり, また,パンチも速く,馬力もあり,かなりの強打者である。岡見にとってかなり苦しい試合になるであろう。
予想: パンチによるノックアウトでロンバート
Welterweight Dong Hyun Kim vs. Siyar Bahadurzada
韓国のキム・ドンヒュンがシアー・バハデュラザと対戦する。
バハデュラザは最近はパンチによるノックアウトが目立つが,もともとはサブミッションのうまい選手である。
ドンヒュンはパンチも速く相撲も強いバランスのとれた選手であるが,最近の何試合かを観るにやや骨細でひ弱な印象がぬぐえない。
予想: バハデュラザの打撃によるノックアウト
Middleweight Riki Fukuda vs. Brad Tavares
タヴォーレスは打撃が的確で上体もやわらかい,とてもクレバーな選手だ。
一方の福田は,練習量は多そうだが,闘い方にあまり独創性,柔軟性が感じられない。
予想: タヴォーレスが難なく判定勝ち
Bantamweight Takeya Mizugaki vs. Bryan Caraway
水垣といえばUFCで定着しつつある選手であり,今の日本人選手の中で実力者のひとりだと思うが,彼がどうしてこんな前座試合にされているのかよくわからない。
キャラウェイも実力ある選手であり,簡単には勝たせてはもらえないだろうが, 水垣としても待望の連勝したいところだろうし,私は応援したい。
予想: 水垣の判定勝ち
Bantamweight Alex Caceres vs. Kyung Ho Kang
ブルース・リロイことアレックス・カセレスと,韓国の美男子格闘家カンとの対戦。カセレスといえば,ベン・ヘンダーソンがこないだの試合でみせた大腿へのパンチは,あれはカセレスから教わったのだそうだ。ブルース・リーのジークンドーをやっているようで,実力はともかく見た目には面白いうごきをしてくれる選手である。
内容はどうなるかわからないが,見た目に個性的どうしの対戦であり,ちょっと興味がある。
Welterweight Marcelo Guimaraes vs. Hyun Gyu Lim
前座ながら両者ともになかなかの戦績である。 注目してみたい。
2013年2月25日月曜日
2013年2月24日日曜日
UFC 157: Rousey vs. Carmouche
Women's Bantamweight Ronda Rousey vs. Liz Carmouche
予想どおりといえば予想どおりだが,ロンダ・ラウジーがアーム・バーで勝利。しかし試合内容はメインにふさわしい予想以上の好試合であった。
カムーシュが立ったまま背後から首を極めるという大きな見せ場をつくり,ロンダの首がとても不自然なねじれ方をして観ていてハラハラさせられた。
寝技では,やはりロンダが上手かった。とくにあの袈裟固めは絶品であった。おさえ込みながら足を前後に開くのであるが,そのしぐさがいかにも柔道的であり,しかしむき出しのあんよであり,なかなかセクシーでもあった。
リョートとヘンドの試合が湿気た試合だったが,ラウジーvsカムーシュ戦がそれを補って余りある好試合となり,興行としては大成功だろう。これから若い女の空手家とかテコンドーの一流選手がもっともっと総合格闘に入ってくれば,女子総合格闘はもっと面白くなるのではないか。
Light Heavyweight Lyoto Machida vs. Dan Henderson
ほぼ予想どおりの展開となったが,にらみ合いで膠着してしまい,そのまま判定に持ち込んでしまった。両者の長所が転じて欠点となったしまったような試合でもあった。
ヘンドー側としては右の一発に期待をしていたわけだが,結局右の一発しか狙っておらず,またそれしか決め手が無かったかのようであり,リョートにはぐらかされ結局不発に終ったという,もっとも良くない形での敗北であった。
一方, リョートはリョートで,最後まで自分からチャンスを切り開こうとはせず,相手の出鼻につけ入るというスタイルで通したわけだが,相手の一番得意な右の一発を封じてしまったがために,自らのつけ入るチャンスすら潰してしまい,結局相手が出て来れずで,だから自分も出て行けずという悪循環になり,最後まで何も出来なかったという感じであった。
内容からすればヘンド-の右を封じて要所要所で何発か当てていたリョートの勝ちという判定で間違いなかっただろうが,期待されていた試合としてはいまひとつ盛り上がりに欠けていた。
互いが互いを最後まで倒せなかったわけで,あれではどっちが勝ちあがったとしてもジョン・ジョーンズなどには勝てっこないだろう。
Bantamweight Urijah Faber vs. Ivan Menjivar
カリフォルニアの子供と,エルサルバドルのたこ八郎の闘い。
予想どおり,きわめてレベルの高い試合であった。
予想以上にユライヤが積極的に攻め,最後は立っている相手の背後からの裸締めであった。
タップアウトしたメンジヴァーの背中に貼りついたままガッツポーズしていたユライヤ,なんだか光景として奇妙であった。
Welterweight Court McGee vs. Josh Neer
マッギーのうごきには派手さが無く,教科書のように基本に忠実であり,まるで私の助言を実行してるようであった。大きく振るってくる相手に対して常に小さな真っ直ぐを中から中からと出し,下がるときはジグザグに,ガードはつねに高く掲げていた。
中盤,ニアが盛り返した時期があったが,そのときはマッギーはだらだら惰性でまっすぐ下がっていて,そこにつけ込まれていた。やはり練習というのは大事なものである。
Welterweight Josh Koscheck vs. Robbie Lawler
ローラーははメルヴィン・マヌーフをノックアウトしてた強打者。 UFCのマイクタイソンと呼ばれたこともあったそうな。
コスチェックはグラウンドで油断を突かれ,意外なほどまともに相手の打撃を顔に受けてしまい,それが効いてしまった。 ハーブ・ディーンの止めが早いというけど,コスの目線はとんでもないとこに飛んでた。強打者ローラーのうなるようなパンチだったし,あそこで止めて正解だったろう。
もう終わりかなと思ってほっとしているとこを狙われやられてしまう,というのはベテランにありがちな失敗かもしれない。ヒョードルが立ち上がりざまに後ろにいるヘンドーのアッパーをもらって前のめりに倒れてしまったのを思い出した。
Heavyweight Brendan Schaub vs. Lavar Johnson
シャウブが勝ったが,転んだり転ばされたりのあまりレベルの高くない試合であった。いっそのことジョンソンが一発を当ててくれればと思うのだけど,才能不足なのか練習不足なのか,バランス悪くて転んでばっかりである。
いくら体重制限の無いヘビー級とはいえ,上を目指して激しい練習してればもちっと締まった体になるだろうに。ヘビー級だからこそまだこういう選手が出てきたりするのだろうけれど,次第に淘汰されてくと思うし,そうあるべきだろう。
Lightweight Michael Chiesa vs. Anton Kuivanen
さて私が期待していたキエサであったが,サウスポで変な左からいきなり入ったりするのがわりと変則的で序盤は有効であったが,じっくり見れば突っ込みどころ満載であったように思えた。またキエサにはまっすぐ後退する悪いクセがある。彼の強みは打撃ではなく,むしろ深い懐と長い四肢で蜘蛛みたいに得物をからめとるような闘い方だろう。
キエサが裸締めで勝った。
Featherweight Dennis Bermudez vs. Matt Grice
すごい壮絶な試合だったけど,その原因は両選手のガードの甘さと,ナマクラな打撃か。
グライスはダメージが残り,今後は下降してくのではなかろうか。
Welterweight Kenny Robertson vs. Brock Jardine
極度の伸脚でジャーディンがタップアウトしていた。体が堅いだけで負けたという感じであった。
オクタゴンで闘うなら股割りぐらいできるようになっておくべきだろうが,いずれにせよロバートソンの方が圧倒していたことは確かであった。
Welterweight Jon Manley vs. Neil Magny
前座だけど好試合。マグニーのテイクダウン・ディフェンスはなかなかうまいし,パンチもタイミングよく出てる。グラウンドでも上手くひっくり返すし,これは有望な選手だね
予想どおりといえば予想どおりだが,ロンダ・ラウジーがアーム・バーで勝利。しかし試合内容はメインにふさわしい予想以上の好試合であった。
カムーシュが立ったまま背後から首を極めるという大きな見せ場をつくり,ロンダの首がとても不自然なねじれ方をして観ていてハラハラさせられた。
寝技では,やはりロンダが上手かった。とくにあの袈裟固めは絶品であった。おさえ込みながら足を前後に開くのであるが,そのしぐさがいかにも柔道的であり,しかしむき出しのあんよであり,なかなかセクシーでもあった。
リョートとヘンドの試合が湿気た試合だったが,ラウジーvsカムーシュ戦がそれを補って余りある好試合となり,興行としては大成功だろう。これから若い女の空手家とかテコンドーの一流選手がもっともっと総合格闘に入ってくれば,女子総合格闘はもっと面白くなるのではないか。
Light Heavyweight Lyoto Machida vs. Dan Henderson
ほぼ予想どおりの展開となったが,にらみ合いで膠着してしまい,そのまま判定に持ち込んでしまった。両者の長所が転じて欠点となったしまったような試合でもあった。
ヘンドー側としては右の一発に期待をしていたわけだが,結局右の一発しか狙っておらず,またそれしか決め手が無かったかのようであり,リョートにはぐらかされ結局不発に終ったという,もっとも良くない形での敗北であった。
一方, リョートはリョートで,最後まで自分からチャンスを切り開こうとはせず,相手の出鼻につけ入るというスタイルで通したわけだが,相手の一番得意な右の一発を封じてしまったがために,自らのつけ入るチャンスすら潰してしまい,結局相手が出て来れずで,だから自分も出て行けずという悪循環になり,最後まで何も出来なかったという感じであった。
内容からすればヘンド-の右を封じて要所要所で何発か当てていたリョートの勝ちという判定で間違いなかっただろうが,期待されていた試合としてはいまひとつ盛り上がりに欠けていた。
互いが互いを最後まで倒せなかったわけで,あれではどっちが勝ちあがったとしてもジョン・ジョーンズなどには勝てっこないだろう。
Bantamweight Urijah Faber vs. Ivan Menjivar
カリフォルニアの子供と,エルサルバドルのたこ八郎の闘い。
予想どおり,きわめてレベルの高い試合であった。
予想以上にユライヤが積極的に攻め,最後は立っている相手の背後からの裸締めであった。
タップアウトしたメンジヴァーの背中に貼りついたままガッツポーズしていたユライヤ,なんだか光景として奇妙であった。
Welterweight Court McGee vs. Josh Neer
マッギーのうごきには派手さが無く,教科書のように基本に忠実であり,まるで私の助言を実行してるようであった。大きく振るってくる相手に対して常に小さな真っ直ぐを中から中からと出し,下がるときはジグザグに,ガードはつねに高く掲げていた。
中盤,ニアが盛り返した時期があったが,そのときはマッギーはだらだら惰性でまっすぐ下がっていて,そこにつけ込まれていた。やはり練習というのは大事なものである。
Welterweight Josh Koscheck vs. Robbie Lawler
ローラーははメルヴィン・マヌーフをノックアウトしてた強打者。 UFCのマイクタイソンと呼ばれたこともあったそうな。
コスチェックはグラウンドで油断を突かれ,意外なほどまともに相手の打撃を顔に受けてしまい,それが効いてしまった。 ハーブ・ディーンの止めが早いというけど,コスの目線はとんでもないとこに飛んでた。強打者ローラーのうなるようなパンチだったし,あそこで止めて正解だったろう。
もう終わりかなと思ってほっとしているとこを狙われやられてしまう,というのはベテランにありがちな失敗かもしれない。ヒョードルが立ち上がりざまに後ろにいるヘンドーのアッパーをもらって前のめりに倒れてしまったのを思い出した。
Heavyweight Brendan Schaub vs. Lavar Johnson
シャウブが勝ったが,転んだり転ばされたりのあまりレベルの高くない試合であった。いっそのことジョンソンが一発を当ててくれればと思うのだけど,才能不足なのか練習不足なのか,バランス悪くて転んでばっかりである。
いくら体重制限の無いヘビー級とはいえ,上を目指して激しい練習してればもちっと締まった体になるだろうに。ヘビー級だからこそまだこういう選手が出てきたりするのだろうけれど,次第に淘汰されてくと思うし,そうあるべきだろう。
Lightweight Michael Chiesa vs. Anton Kuivanen
さて私が期待していたキエサであったが,サウスポで変な左からいきなり入ったりするのがわりと変則的で序盤は有効であったが,じっくり見れば突っ込みどころ満載であったように思えた。またキエサにはまっすぐ後退する悪いクセがある。彼の強みは打撃ではなく,むしろ深い懐と長い四肢で蜘蛛みたいに得物をからめとるような闘い方だろう。
キエサが裸締めで勝った。
Featherweight Dennis Bermudez vs. Matt Grice
すごい壮絶な試合だったけど,その原因は両選手のガードの甘さと,ナマクラな打撃か。
グライスはダメージが残り,今後は下降してくのではなかろうか。
Welterweight Kenny Robertson vs. Brock Jardine
極度の伸脚でジャーディンがタップアウトしていた。体が堅いだけで負けたという感じであった。
オクタゴンで闘うなら股割りぐらいできるようになっておくべきだろうが,いずれにせよロバートソンの方が圧倒していたことは確かであった。
Welterweight Jon Manley vs. Neil Magny
前座だけど好試合。マグニーのテイクダウン・ディフェンスはなかなかうまいし,パンチもタイミングよく出てる。グラウンドでも上手くひっくり返すし,これは有望な選手だね
2013年2月19日火曜日
UFC 157: Rousey vs. Carmouche 予想
Women's Bantamweight Ronda Rousey vs. Liz Carmouche
発展途上である女子格闘を一気にメジャーにしたロンダ・ラウジー様の登場である。
北京五輪柔道の銅メダリストで目下6戦全勝,全てが腕ひしぎ十字固めによるもの。笑顔が愛くるしく,四肢も美しい,女性としての魅力も満点である。
一方,挑戦者のリズ・カムーシェは,8勝2敗で一見するととてもKO率の高い選手のようであるが,試合内容をみるかぎり決して一発の打撃を持つ選手というわけでない。
ロンダ・ラウジーを倒せる選手が現れるとしたら,速くて強力な打撃をもった選手,自分の距離をつくれて速いワンツーと膝が得意な選手ではなかろうか。 カムーシェはバランスのとれた選手だけど,まだまだ従来の女子格闘のレベルを脱していない選手であり,必殺の極め技をもったロンダ様には敵わないのではないかとおもう。
ロンダ様が早いラウンドでアーム・バー勝利と予想。
Light Heavyweight Lyoto Machida vs. Dan Henderson
メインの女子の試合よりも,こちらの方が見ごたえのある試合になるのではないかと思う。
大方の予想は,ヘンドーの右が当たるか,あるいはリョート町田の距離でもって試合が進むか,というかんじだろう。私は出てくる相手にはめっぽう強い町田が有利と考える。年齢的にもスタミナ消耗が懸念されるヘンドは,初回から前に出てきて短期決戦を仕掛けてくるであろう。それを町田がどこまで見切れるかが勝敗の分かれ目だと思うが,眼が良くリーチで上回る町田がヘンドーの出鼻に小さい右左を合わせるであろうし,距離が近ければ町田の膝がよく当たるだろうと予想する。案外,膝で決着がつくのではないかとさえ思う。
空手系の打撃が主体のリョートに対して,レスラーのヘンドーが組んできて主導権を握るのではないか,という考えもあるかもしれないが,私はそうはならないと思う。というのは,粘り腰のある町田は空手だけでなく相撲もかなり強い選手であり,そうそう簡単には倒されない。
というわけで,私は町田によるKO勝利と予想。
Bantamweight Urijah Faber vs. Ivan Menjivar
前回,サンボの達人ガシモフの一瞬の隙をついてアームバーに極めたメンジヴァーが,元フェザー王者のユライジャ・フェイバーと対戦する。両者は以前にも対戦したことがあり,メンジヴァーが立ち姿勢でないところに蹴りを入れたために反則負けとなっている。
ユライジャが終始優勢に進めて判定で勝つのではなかろうか。
Heavyweight Brendan Schaub vs. Lavar Johnson
個性的だがいまひとつパッとしないヘビー級どうしの対戦。
個人的にはシャウブに頑張ってもらいたい。
Lightweight Michael Chiesa vs. Anton Kuivanen
25歳で目下8戦全勝中のマイケル・キエサに注目したいところ。
発展途上である女子格闘を一気にメジャーにしたロンダ・ラウジー様の登場である。
北京五輪柔道の銅メダリストで目下6戦全勝,全てが腕ひしぎ十字固めによるもの。笑顔が愛くるしく,四肢も美しい,女性としての魅力も満点である。
一方,挑戦者のリズ・カムーシェは,8勝2敗で一見するととてもKO率の高い選手のようであるが,試合内容をみるかぎり決して一発の打撃を持つ選手というわけでない。
ロンダ・ラウジーを倒せる選手が現れるとしたら,速くて強力な打撃をもった選手,自分の距離をつくれて速いワンツーと膝が得意な選手ではなかろうか。 カムーシェはバランスのとれた選手だけど,まだまだ従来の女子格闘のレベルを脱していない選手であり,必殺の極め技をもったロンダ様には敵わないのではないかとおもう。
ロンダ様が早いラウンドでアーム・バー勝利と予想。
Light Heavyweight Lyoto Machida vs. Dan Henderson
メインの女子の試合よりも,こちらの方が見ごたえのある試合になるのではないかと思う。
大方の予想は,ヘンドーの右が当たるか,あるいはリョート町田の距離でもって試合が進むか,というかんじだろう。私は出てくる相手にはめっぽう強い町田が有利と考える。年齢的にもスタミナ消耗が懸念されるヘンドは,初回から前に出てきて短期決戦を仕掛けてくるであろう。それを町田がどこまで見切れるかが勝敗の分かれ目だと思うが,眼が良くリーチで上回る町田がヘンドーの出鼻に小さい右左を合わせるであろうし,距離が近ければ町田の膝がよく当たるだろうと予想する。案外,膝で決着がつくのではないかとさえ思う。
空手系の打撃が主体のリョートに対して,レスラーのヘンドーが組んできて主導権を握るのではないか,という考えもあるかもしれないが,私はそうはならないと思う。というのは,粘り腰のある町田は空手だけでなく相撲もかなり強い選手であり,そうそう簡単には倒されない。
というわけで,私は町田によるKO勝利と予想。
Bantamweight Urijah Faber vs. Ivan Menjivar
前回,サンボの達人ガシモフの一瞬の隙をついてアームバーに極めたメンジヴァーが,元フェザー王者のユライジャ・フェイバーと対戦する。両者は以前にも対戦したことがあり,メンジヴァーが立ち姿勢でないところに蹴りを入れたために反則負けとなっている。
ユライジャが終始優勢に進めて判定で勝つのではなかろうか。
Heavyweight Brendan Schaub vs. Lavar Johnson
個性的だがいまひとつパッとしないヘビー級どうしの対戦。
個人的にはシャウブに頑張ってもらいたい。
Lightweight Michael Chiesa vs. Anton Kuivanen
25歳で目下8戦全勝中のマイケル・キエサに注目したいところ。
なすび,あるいは麻原彰晃のような髪型をしているキエサは,まるで超獣ブルーザー・ブロディーのようなワイルドさと知的さをあわせもつような風貌をした選手。達観した素人のオッサンが血気にはやる若者をたしなめるような,そんな闘い方をする。とても25歳の若さとは思えない。
キエサの強さがどれくらいホンモノなのか,この試合で見極めたいところ。
私はキエサ予想。
私はキエサ予想。
2013年2月16日土曜日
UFC on Fuel TV: Barao vs. McDonald
Bantamweight Renan Barão vs. Michael McDonald
予想どおりマクドナルドが真っ向から相打ちに出て序盤は緊迫した展開になったが,しだいにバラオが見切るようになり,中盤からうまく誤魔化して主導権を握るようになった。
立ち相撲では明らかにバラオの方に分があったし,打撃もパンチにキックに多彩であった。徐々にバラオが優位に立つようになり,最後は肩固めで極めた。
試合をしていないときのバラオ選手は大変間の抜けた表情をしているが,試合が始まると別人のような顔つきになるし,とてもクレバーであった。ブラジルの選手だからという理由だけでカーディオに懸念ありかと勝手な先入観を抱いていたが,先にバテていたのはむしろマクドナルドの方であった。
マクドナルドは成らぬものは成らぬようながむしゃらな投げを何度かみせたりして若さを露呈した感じであった。最後は強引すぎる首投げがすっぽ抜けて,そこをバラオにつけ込まれ極められた。
Featherweight Cub Swanson vs. Dustin Poirier
ポエリエはサウスポーで,コンボをよく当てていたが,決定打に欠けていた。相撲もずば抜けて強いというわけでなく,スワンソンと五分五分であった。
打撃力で勝るスワンソンが随所で強いパンチを当て,判定勝ち。
競った試合であったが,私はいまひとつ緊迫感を感じなかった。
Light Heavyweight Jimi Manuwa vs. Cyrille Diabaté
マヌワの弱点はバランスの悪さと寝技なのだが,今日の相手がキックボクサーであることを考えると,当然難なく勝つであろうと予想された。
結果,デァバテの足の痙攣か肉離れで試合放棄。つまらない試合であった。
Welterweight Gunnar Nelson vs. Jorge Santiago
予想に反して,ガナー・ネルソンが苦戦をした。
攻めが雑であり,ほぼノーガードで攻めに行っては,サンチアゴに迎え打たれていた。
どんな相手であろうと相手を舐めてかかるのは禁物である。
結果的にネルソンが判定でなんとか勝ったが,内容は悪かった。
サンチアゴが打撃で押してくると,ネルソンはだらだらと後ろにまっすぐ下がり,そこにつけ込まれる場面が何度かあった。
ネルソンはバランスも悪く,不意打ちのような一発がたまに当たっても,自身がバランスを崩すために後が続かない。
ネルソンの持ち前のタフネスさだけで勝てたような試合であり,今日の試合を観るかぎり,まだまだ上位には通用しない感じがした。
予想どおりマクドナルドが真っ向から相打ちに出て序盤は緊迫した展開になったが,しだいにバラオが見切るようになり,中盤からうまく誤魔化して主導権を握るようになった。
立ち相撲では明らかにバラオの方に分があったし,打撃もパンチにキックに多彩であった。徐々にバラオが優位に立つようになり,最後は肩固めで極めた。
試合をしていないときのバラオ選手は大変間の抜けた表情をしているが,試合が始まると別人のような顔つきになるし,とてもクレバーであった。ブラジルの選手だからという理由だけでカーディオに懸念ありかと勝手な先入観を抱いていたが,先にバテていたのはむしろマクドナルドの方であった。
マクドナルドは成らぬものは成らぬようながむしゃらな投げを何度かみせたりして若さを露呈した感じであった。最後は強引すぎる首投げがすっぽ抜けて,そこをバラオにつけ込まれ極められた。
Featherweight Cub Swanson vs. Dustin Poirier
ポエリエはサウスポーで,コンボをよく当てていたが,決定打に欠けていた。相撲もずば抜けて強いというわけでなく,スワンソンと五分五分であった。
打撃力で勝るスワンソンが随所で強いパンチを当て,判定勝ち。
競った試合であったが,私はいまひとつ緊迫感を感じなかった。
Light Heavyweight Jimi Manuwa vs. Cyrille Diabaté
マヌワの弱点はバランスの悪さと寝技なのだが,今日の相手がキックボクサーであることを考えると,当然難なく勝つであろうと予想された。
結果,デァバテの足の痙攣か肉離れで試合放棄。つまらない試合であった。
Welterweight Gunnar Nelson vs. Jorge Santiago
予想に反して,ガナー・ネルソンが苦戦をした。
攻めが雑であり,ほぼノーガードで攻めに行っては,サンチアゴに迎え打たれていた。
どんな相手であろうと相手を舐めてかかるのは禁物である。
結果的にネルソンが判定でなんとか勝ったが,内容は悪かった。
サンチアゴが打撃で押してくると,ネルソンはだらだらと後ろにまっすぐ下がり,そこにつけ込まれる場面が何度かあった。
ネルソンはバランスも悪く,不意打ちのような一発がたまに当たっても,自身がバランスを崩すために後が続かない。
ネルソンの持ち前のタフネスさだけで勝てたような試合であり,今日の試合を観るかぎり,まだまだ上位には通用しない感じがした。
2013年2月6日水曜日
UFC on Fuel TV: Barao vs. McDonald 予想
再来週の UFC on Fuel TV: Barao vs. McDonald は,戦績の秀でた若いホープ選手が目白押しで,どれも興味深い試合ばかりである。格闘ファンならば,是非観なくてはならない興行である。
Bantamweight Renan Barão vs. Michael McDonald
Featherweight Cub Swanson vs. Dustin Poirier
強打のスワンソン29歳と,関節技のうまい24歳ポエリエ。
ポエリエといえばコリアン・ゾンビとすごい試合を演じたのが記憶に新しい。
ポエリエ予想。
Light Heavyweight Jimi Manuwa vs. Cyrille Diabaté
ナイジェリアの怪物ジミ・マヌワは32歳の選手。12戦全勝11KOという記録をみるかぎりとてつもない強打の豪傑のようだが,しかしバランスがさほど良くなく,腰高で,あっけないほど相撲の弱い選手である。だから私はさほどには評価していない。
一方のディアバテは39歳,198cm という長身選手。キックボクサーらしく打撃主体で,相手の出鼻に丁寧に左を当てるのがうまい。ただし床に寝かされるとまったく弱い。
おそらく打撃主体の勝負となるであろうから,強打のマヌワが打ち勝つか,ディアバテが距離をとりつつ相手の出鼻にうまく当ててマヌワの突進をくじくか,という展開になるのではないかとおもう。
私はマヌワの突進力の方が勝るとみて,マヌワ予想。
Welterweight Gunnar Nelson vs. Jorge Santiago
Light Heavyweight James Te-Huna vs. Ryan Jimmo
テ=フナはわりと乱雑に殴りあいをしてくる選手である。
一方,ジンモは17勝1敗,16連勝中の31歳。昨年のカルガリー大会ではUFCでの最速ノックアウトのタイ記録を出したこともある。
ここは波に乗っているジンモが勝つのではなかろうか。
Welterweight Che Mills vs. Matthew Riddle
マット・リッドルはいわゆる苦学生だったようで,レスリングによる奨学金で学生レスリングをしてたそうな。ある日,レスリングコーチ が解雇され,そのせいで奨学金が切れてしまい,大学中退。それからプロ格闘を始めたそうだ。
リーチを生かしたパンチを持っているサウスポーだが,やや振り回したがる傾向がある。もっと踏み込んで真っ直ぐ打てるようになれば,この選手はもっとノックアウトが稼げるだろうとおもう。
リドル予想。
Lightweight Paul Sass vs. Danny Castillo
ポール・サスは13勝1敗,12サブミッション勝ち。話しているとコテコテの英国訛りでかなり変人っぽい感じもするが,マスクも精悍で鼻筋が細く通ったいかにも英国紳士的ハンサムというかんじである。
まだ24歳だけど,いかにも強そうな雰囲気をもっているし,実際積極的に打ち合い面白い試合をしてくれる。視力もいい。彼も将来はスター選手になるのではなかろうか。
一方のカスティロは,フィニッシュすべきところでフィニッシュすることの出来ない詰めの甘い選手という印象。試合運びもパッとしない。マイケル・ジョンソン戦では,狙ったようには見えないアクシデンタルな相打ちを顔面に受けてしまい失神。
ポール・サスが間違いなく勝つであろう。
Middleweight Tom Watson vs. Stanislav Nedkov
Bantamweight Vaughan Lee vs. Motonobu Tezuka
リーは昨年に山本KID徳郁と競った試合をしたばかりである。速いパンチをもっているが力強さが感じられない,まず印象のうすい選手である。
そしてリーに対するは私のお気に入り,浪花の柔道家・手塚の登場である。今回も奇妙なマスクをかぶっての登場であろうか。変な数珠の首飾りとかして。こういうアタマの悪そうな(決して悪くないと思うが)選手は私は大好きである。
Bantamweight Renan Barão vs. Michael McDonald
ブラジルのヘナン・バラオは25歳にして28勝1敗というすごい戦績。ブラジリアン柔術黒帯であり,獣のように秀でた身体能力をもつ。パンチをぽんぽんと当てるのがうまいのだが,かといって一発で相手をノックアウトできるようなパンチをもっているかといえば,さにあらず。勝利のほとんどは判定か関節技である。
かたや22歳のマイケル・マクドナルドは15勝1敗という,これまたすごい戦績。いわゆるケンカのつよそうなタイプの選手であり,いつもノックアウトを狙ってくる豪傑である。私がもっとも期待している選手の一人である。笑顔がとろけるようにかわいい。
ここはマクドナルドに是非勝ってもらいたい。
マクドナルド予想。
かたや22歳のマイケル・マクドナルドは15勝1敗という,これまたすごい戦績。いわゆるケンカのつよそうなタイプの選手であり,いつもノックアウトを狙ってくる豪傑である。私がもっとも期待している選手の一人である。笑顔がとろけるようにかわいい。
ここはマクドナルドに是非勝ってもらいたい。
マクドナルド予想。
Featherweight Cub Swanson vs. Dustin Poirier
強打のスワンソン29歳と,関節技のうまい24歳ポエリエ。
ポエリエといえばコリアン・ゾンビとすごい試合を演じたのが記憶に新しい。
ポエリエ予想。
Light Heavyweight Jimi Manuwa vs. Cyrille Diabaté
ナイジェリアの怪物ジミ・マヌワは32歳の選手。12戦全勝11KOという記録をみるかぎりとてつもない強打の豪傑のようだが,しかしバランスがさほど良くなく,腰高で,あっけないほど相撲の弱い選手である。だから私はさほどには評価していない。
一方のディアバテは39歳,198cm という長身選手。キックボクサーらしく打撃主体で,相手の出鼻に丁寧に左を当てるのがうまい。ただし床に寝かされるとまったく弱い。
おそらく打撃主体の勝負となるであろうから,強打のマヌワが打ち勝つか,ディアバテが距離をとりつつ相手の出鼻にうまく当ててマヌワの突進をくじくか,という展開になるのではないかとおもう。
私はマヌワの突進力の方が勝るとみて,マヌワ予想。
Welterweight Gunnar Nelson vs. Jorge Santiago
柔術の世界選手権で銀メダリストの24歳ガナー・ネルソンはアイスランドの選手。しゃべらせるととても物静かな印象だけれども,目下無敗。これは強い選手である。
リョート町田と似た構えで対峙し,相手の出鼻によく反応する。グラウンドも立ち相撲も強く,打撃力もかなりある。かなり期待の持てる選手である。
一方のホルヘ・サンチアゴは,三崎和雄を圧倒したこともあるが,ブライアン・スタンとデミアンマイアには負けている。およそどれくらいか見当がつく選手である。
文句無しにこの試合はガナー・ネルソンが勝つだろう。
また彼は今年中にはウェルター級上位にとって脅威的な存在になるであろうことは間違いないとおもう。
リョート町田と似た構えで対峙し,相手の出鼻によく反応する。グラウンドも立ち相撲も強く,打撃力もかなりある。かなり期待の持てる選手である。
一方のホルヘ・サンチアゴは,三崎和雄を圧倒したこともあるが,ブライアン・スタンとデミアンマイアには負けている。およそどれくらいか見当がつく選手である。
文句無しにこの試合はガナー・ネルソンが勝つだろう。
また彼は今年中にはウェルター級上位にとって脅威的な存在になるであろうことは間違いないとおもう。
Light Heavyweight James Te-Huna vs. Ryan Jimmo
テ=フナはわりと乱雑に殴りあいをしてくる選手である。
一方,ジンモは17勝1敗,16連勝中の31歳。昨年のカルガリー大会ではUFCでの最速ノックアウトのタイ記録を出したこともある。
ここは波に乗っているジンモが勝つのではなかろうか。
Welterweight Che Mills vs. Matthew Riddle
マット・リッドルはいわゆる苦学生だったようで,レスリングによる奨学金で学生レスリングをしてたそうな。ある日,レスリングコーチ が解雇され,そのせいで奨学金が切れてしまい,大学中退。それからプロ格闘を始めたそうだ。
リーチを生かしたパンチを持っているサウスポーだが,やや振り回したがる傾向がある。もっと踏み込んで真っ直ぐ打てるようになれば,この選手はもっとノックアウトが稼げるだろうとおもう。
リドル予想。
Lightweight Paul Sass vs. Danny Castillo
ポール・サスは13勝1敗,12サブミッション勝ち。話しているとコテコテの英国訛りでかなり変人っぽい感じもするが,マスクも精悍で鼻筋が細く通ったいかにも英国紳士的ハンサムというかんじである。
まだ24歳だけど,いかにも強そうな雰囲気をもっているし,実際積極的に打ち合い面白い試合をしてくれる。視力もいい。彼も将来はスター選手になるのではなかろうか。
一方のカスティロは,フィニッシュすべきところでフィニッシュすることの出来ない詰めの甘い選手という印象。試合運びもパッとしない。マイケル・ジョンソン戦では,狙ったようには見えないアクシデンタルな相打ちを顔面に受けてしまい失神。
ポール・サスが間違いなく勝つであろう。
Middleweight Tom Watson vs. Stanislav Nedkov
ブルガリアのネドコフは12勝1無効試合という無敗の選手。
前回ライトヘビー級にてチアゴ・シウバと対戦して,ややスタミナ不足という問題を露呈した。無駄な肉も多そうであり,階級をひとつふたつ落としたらよいのに,と感じていたのだが,やはり今回はミドル級で登場である。
打撃力もあり,積極的に打ち合いに行く負けん気の強い選手である。今回スタミナ面をどれだけ鍛えてきたかに注目したい。
一方,イングランドのワトソンもアグレッシブで力強く,積極的に打ち合いに出れる選手であるが,心肺機能にやや懸念がある。前回タヴォーレスとかなり競った好試合をしており,メンタルも強く,決して悪い選手ではない。
前回ライトヘビー級にてチアゴ・シウバと対戦して,ややスタミナ不足という問題を露呈した。無駄な肉も多そうであり,階級をひとつふたつ落としたらよいのに,と感じていたのだが,やはり今回はミドル級で登場である。
打撃力もあり,積極的に打ち合いに行く負けん気の強い選手である。今回スタミナ面をどれだけ鍛えてきたかに注目したい。
一方,イングランドのワトソンもアグレッシブで力強く,積極的に打ち合いに出れる選手であるが,心肺機能にやや懸念がある。前回タヴォーレスとかなり競った好試合をしており,メンタルも強く,決して悪い選手ではない。
打撃主体の似たもの同士による壮絶な打ち合いなるであろうが,おそらくネドコフの一発が先に当たり,一気にたたみかけてノックアウトするのではないかと予想。
リーは昨年に山本KID徳郁と競った試合をしたばかりである。速いパンチをもっているが力強さが感じられない,まず印象のうすい選手である。
そしてリーに対するは私のお気に入り,浪花の柔道家・手塚の登場である。今回も奇妙なマスクをかぶっての登場であろうか。変な数珠の首飾りとかして。こういうアタマの悪そうな(決して悪くないと思うが)選手は私は大好きである。
手塚は柔道主体のスタイルで,まるですっぽんのようにしつこいところがある。ただし,視覚反射がさほど良くなく,速い打撃への対処がいまひとつなのが弱点といえば弱点か。これは練習でもって克服できるような弱点ではないであろうから,打ち合いをする前にねちっこく相撲をした方が良いだろう。グラウンドでの肘打ちやパウンドのチャンスをもっと生かせるようになれば,もっともっとイヤラシ強い選手になれるのではないかと思う。
前回の手塚選手の試合で感じたのは,テイクダウンを狙うにしてもその先の選択肢がひとつふたつぐらいで固定されてしまっているふうであったこと。攻めの動きの流れのなかで臨機応変に選択肢が派生していかない。だからどこかの段階でその目的が阻止されてしまうと,それだけでもう先に進めなくなる。これは手塚選手に限らないことだと思われるが,そこらへんどれだけ成長してきたかに注目したい。
私の予想は迷わず手塚。
私の予想は迷わず手塚。
2013年2月3日日曜日
UFC 156: Aldo vs. Edgar
Featherweight José Aldo vs. Frankie Edgar
初回からホセ・アルドーがボクシングでも蹴りでも完全に優位に立ち,試合の勝敗もほぼ決まったかにみえた。自分の得意なボクシングの土俵で相手にレッスンつけられるというのは,フランキーにとって初めての経験ではなかろうか。
が,それからがフランキー・エドガーのすごいところで,顔面を腫らしながらも動きがどんどん良くなってくる。最後はどちらが勝ったのかさえ微妙な判定になった。
アルドーのように目のいい選手は,目線があちこち動かずに,かっと見開いて,どこみてるかわからないような,どこかイッたような目をして闘っている。網膜の焦点でもって相手の一点一点を注視するのでなく,視野全体の中で動くものに対して体が反射的に対応している。目のいい選手の目線とはそんな感じである。
Light Heavyweight Rashad Evans vs. Antônio Rogério Nogueira
リトル・ノグのボクシング技術が,ラシャドを完全に上まわった感じであった。
陣営は試合前からラシャドのうごきをよく研究してきたのであろう。
ただ,試合内容としては,つまらなかった。
ラシャド・エヴァンスは,相手との距離感が最後までつかめず仕舞いで終った感じであった。テイクダウンも決まらず中途半端だった。また,サウスポーのリトル・ノグに対しては右の真っ直ぐを頻繁に出せばよく当たるだろうにと思うのだが,ラシャドは右の真っ直ぐが打てない選手だった。それがこの試合では致命的であった。
ライト・ヘビー級の上位の一戦であるはずなのに,両選手のこの次の試合に対してまったく興味が抱けないような,そんな試合であった。両者がわりと高齢でこの先の選手生命もさほど長くないことも,いまひとつエキサイト感が欠ける原因だろうか。
Heavyweight Alistair Overeem vs. Antonio Silva
久しぶりに大いにエキサイトしたこの試合,私の予想どおりビッグ・フットがアリスター・オフレイムを豪快にノックアウトした。見事!
ビッグ・フットは序盤から脇を締め,ガードを高く,腰を落とした慎重な構えであった。自分からは出て行かず,アリスターの何かを待っているふうでもあったが,あるいは単に緊張して堅かったのか。 私は,ビッグフットが押されて下がったら負けるし,相打ちで一発でもいいから顔面に当てれば必ず勝つと思っていたのだが,試合展開も全くそのとおりになっ た。
序盤,アリスターのプレッシャーに押されて下がり気味だったが,中盤以降からおもい切って打ち合いに転じたのが良かった。アリスターにはメンタルの脆さが あることは昔から周知のとおりであり,一発でも当てさえすればいいのである。文字どおりビッグフットの一発がクリーンに側頭部に入り,それでアリスターの体は完全に逃げの体勢に入り,そこでビッグフットは見事に仕留めた。
勝負どころを逃さなかったビッグ・フットを褒めるべきだろう。
アリスターといえばいつも高々とガードをあげているのが特徴的だが,今日は両腕を低く構えていた。総合が主戦場となりスタイルを変たのかなと思ったりしたが,実はあれは打撃下手のビッグフットを小馬鹿にしたポーズだったらしい。
アリスターはブロック・レスナーと対峙したときはガードをしっかり固めていた。ということはビッグ・フットをレスナー以下と見なしていたのだろう。レスナーは内臓の重病を繰り返して,腹の手術を二度も経てきていたわけだし,それ以前に格闘に関してはド素人であることは以前から明白であった。そんな相手よりもビッグフットの方を過小評価するようでは本人もコーチ陣営も見る目が無いとしか言いようがない。また,あのレスナー戦なぞを観てそれでアリスターが本当に強いなどと錯覚した人は,格闘がよくワカッテないんじゃないかとさえ思えてしまう。
アリスターは,あれだけの強い打撃を頭部にまともに何発も受けて崩れるようにその場に倒れたわけで,そのダメージは確実に脳に及んでいるであろう。これから動体視力の低下や反応が鈍るなど身体能力は下降線の一途をたどることはほぼ間違いないと思われる。
今後は日本のバラエティー番組でボブ・サップ氏とともに腕相撲だとか筋肉番付なんかに出たりするのだろうかね。
Welterweight Jon Fitch vs. Demian Maia
私の予想は外れてデミアン・マイアが勝った。
マイアが勝ってもなんとなく面白くないのは,かのアンデウソン・シウバが一度マイアを徹底的に小馬鹿にした試合をしたことがあり,その試合ではマイアは何も出来なかったことがあったからである。
Flyweight Joseph Benavidez vs. Ian McCall
古典的なボクサーのように上体を直立させて脇を絞めた独特のスタイルのサウスポー,ベナビデスが初回に打撃戦で終始優位に立っていたが,それが結局勝敗の決め手になったようだ。
マッコールも悪くなかったが,大きく開いたガードの構えであり,これが打撃戦において彼我との優劣を分けたようにおもえた。パンチが交錯すれば,教科書どおりに脇をしめたベナビデスのパンチは中から中からと出てくるわけで,これが相打ちになったときの威力の差になる。
中盤からベナビデスの上体がやや前傾して,ガードも下がり気味になったが,そのとたんに相手の打撃をもらっていた。やはり序盤と終盤のベナビデスの構えは意識してそういう構えをしてるようであり,またそういう構えをしているときの方が動きがいい。
両者スピードが最後まで落ちず,判定ながら締まった好試合であった。
Lightweight Gleison Tibau vs. Evan Dunham
タイミングのいいパンチを的確に当てていたダナムが終始優位に試合を進めていた。
29歳のティーボウはバランスもいいサウスポーだが,すごく力強そうな筋肉をもっているのにパンチの威力があまり相手に伝わらない。殺傷力のあるパンチというのは全身の骨格とタイミングでがつんと当てるようなパンチであり,ティーボウのようにどんなに筋力があっても打撃時に体全体の調和が悪いために一発で決められる武器にはならない。
Welterweight Tyron Woodley vs. Jay Hieron
ウッドレイが豪快にTKOで勝ったが,子供のハミガキ指導をしていたら見そびれた。
Lightweight Jacob Volkmann vs. Bobby Green
元レスラーのヴォルクマンと対戦する26歳のグリーンは最近ではJZと競った試合してたらしい。
頻繁に左右スイッチするグリーンは足をそろえたまま相手と対峙したりするなかなかユニークなスタイルだったが,はたしてそのユニークなスタイルに自身の才能が追随できるかどうかは疑問を感じた。
序盤はヴォルクマンの方が良いかんじに見えたが,中盤以降グリーンがポイントを重ねて判定で勝ち。しかし全体的にダレた試合で,あまり感心できるような内容ではなかった。
Lightweight Yves Edwards vs. Isaac Vallie-Flagg
36歳のエドワーズと34歳のフラッグの年増対決。
エドワーズはとてもいいパンチも蹴りも足ももってるが,バランスが悪いように見えた。また,それが戦績に反映されているかんじであった。
いまひとつ緊迫感の欠けた中年どうしの対決,どっちが勝ってもいいやという感じで見ていたが,試合展開もそんな感じであった。
当事者同士は頑張っているのはわかるが,興行としての試合を評価するのは私のような視聴者であるべきで,また総合格闘の全体的なレベルがあがればあがるほど,こういう高齢でパッとしない選手は自然に淘汰されていくだろうと思う。よほどの天才選手でないかぎり。
Bantamweight Chico Camus vs. Dustin Kimura
23歳で10戦全勝中のハワイアン,キムラがまったく危なげなく安定したつよさを見せた。これで11戦全勝。これは期待のもてる選手。
キムラ選手は,なかなかのキャラクターのようで,話しぶりなどは若い頃の田原俊彦さんのようである。私は気に入った。次の試合が楽しみである。
初回からホセ・アルドーがボクシングでも蹴りでも完全に優位に立ち,試合の勝敗もほぼ決まったかにみえた。自分の得意なボクシングの土俵で相手にレッスンつけられるというのは,フランキーにとって初めての経験ではなかろうか。
が,それからがフランキー・エドガーのすごいところで,顔面を腫らしながらも動きがどんどん良くなってくる。最後はどちらが勝ったのかさえ微妙な判定になった。
アルドーのように目のいい選手は,目線があちこち動かずに,かっと見開いて,どこみてるかわからないような,どこかイッたような目をして闘っている。網膜の焦点でもって相手の一点一点を注視するのでなく,視野全体の中で動くものに対して体が反射的に対応している。目のいい選手の目線とはそんな感じである。
Light Heavyweight Rashad Evans vs. Antônio Rogério Nogueira
リトル・ノグのボクシング技術が,ラシャドを完全に上まわった感じであった。
陣営は試合前からラシャドのうごきをよく研究してきたのであろう。
ただ,試合内容としては,つまらなかった。
ラシャド・エヴァンスは,相手との距離感が最後までつかめず仕舞いで終った感じであった。テイクダウンも決まらず中途半端だった。また,サウスポーのリトル・ノグに対しては右の真っ直ぐを頻繁に出せばよく当たるだろうにと思うのだが,ラシャドは右の真っ直ぐが打てない選手だった。それがこの試合では致命的であった。
ライト・ヘビー級の上位の一戦であるはずなのに,両選手のこの次の試合に対してまったく興味が抱けないような,そんな試合であった。両者がわりと高齢でこの先の選手生命もさほど長くないことも,いまひとつエキサイト感が欠ける原因だろうか。
Heavyweight Alistair Overeem vs. Antonio Silva
久しぶりに大いにエキサイトしたこの試合,私の予想どおりビッグ・フットがアリスター・オフレイムを豪快にノックアウトした。見事!
ビッグ・フットは序盤から脇を締め,ガードを高く,腰を落とした慎重な構えであった。自分からは出て行かず,アリスターの何かを待っているふうでもあったが,あるいは単に緊張して堅かったのか。 私は,ビッグフットが押されて下がったら負けるし,相打ちで一発でもいいから顔面に当てれば必ず勝つと思っていたのだが,試合展開も全くそのとおりになっ た。
序盤,アリスターのプレッシャーに押されて下がり気味だったが,中盤以降からおもい切って打ち合いに転じたのが良かった。アリスターにはメンタルの脆さが あることは昔から周知のとおりであり,一発でも当てさえすればいいのである。文字どおりビッグフットの一発がクリーンに側頭部に入り,それでアリスターの体は完全に逃げの体勢に入り,そこでビッグフットは見事に仕留めた。
勝負どころを逃さなかったビッグ・フットを褒めるべきだろう。
アリスターといえばいつも高々とガードをあげているのが特徴的だが,今日は両腕を低く構えていた。総合が主戦場となりスタイルを変たのかなと思ったりしたが,実はあれは打撃下手のビッグフットを小馬鹿にしたポーズだったらしい。
アリスターはブロック・レスナーと対峙したときはガードをしっかり固めていた。ということはビッグ・フットをレスナー以下と見なしていたのだろう。レスナーは内臓の重病を繰り返して,腹の手術を二度も経てきていたわけだし,それ以前に格闘に関してはド素人であることは以前から明白であった。そんな相手よりもビッグフットの方を過小評価するようでは本人もコーチ陣営も見る目が無いとしか言いようがない。また,あのレスナー戦なぞを観てそれでアリスターが本当に強いなどと錯覚した人は,格闘がよくワカッテないんじゃないかとさえ思えてしまう。
アリスターは,あれだけの強い打撃を頭部にまともに何発も受けて崩れるようにその場に倒れたわけで,そのダメージは確実に脳に及んでいるであろう。これから動体視力の低下や反応が鈍るなど身体能力は下降線の一途をたどることはほぼ間違いないと思われる。
今後は日本のバラエティー番組でボブ・サップ氏とともに腕相撲だとか筋肉番付なんかに出たりするのだろうかね。
Welterweight Jon Fitch vs. Demian Maia
私の予想は外れてデミアン・マイアが勝った。
マイアが勝ってもなんとなく面白くないのは,かのアンデウソン・シウバが一度マイアを徹底的に小馬鹿にした試合をしたことがあり,その試合ではマイアは何も出来なかったことがあったからである。
Flyweight Joseph Benavidez vs. Ian McCall
古典的なボクサーのように上体を直立させて脇を絞めた独特のスタイルのサウスポー,ベナビデスが初回に打撃戦で終始優位に立っていたが,それが結局勝敗の決め手になったようだ。
マッコールも悪くなかったが,大きく開いたガードの構えであり,これが打撃戦において彼我との優劣を分けたようにおもえた。パンチが交錯すれば,教科書どおりに脇をしめたベナビデスのパンチは中から中からと出てくるわけで,これが相打ちになったときの威力の差になる。
中盤からベナビデスの上体がやや前傾して,ガードも下がり気味になったが,そのとたんに相手の打撃をもらっていた。やはり序盤と終盤のベナビデスの構えは意識してそういう構えをしてるようであり,またそういう構えをしているときの方が動きがいい。
両者スピードが最後まで落ちず,判定ながら締まった好試合であった。
Lightweight Gleison Tibau vs. Evan Dunham
タイミングのいいパンチを的確に当てていたダナムが終始優位に試合を進めていた。
29歳のティーボウはバランスもいいサウスポーだが,すごく力強そうな筋肉をもっているのにパンチの威力があまり相手に伝わらない。殺傷力のあるパンチというのは全身の骨格とタイミングでがつんと当てるようなパンチであり,ティーボウのようにどんなに筋力があっても打撃時に体全体の調和が悪いために一発で決められる武器にはならない。
Welterweight Tyron Woodley vs. Jay Hieron
ウッドレイが豪快にTKOで勝ったが,子供のハミガキ指導をしていたら見そびれた。
Lightweight Jacob Volkmann vs. Bobby Green
元レスラーのヴォルクマンと対戦する26歳のグリーンは最近ではJZと競った試合してたらしい。
頻繁に左右スイッチするグリーンは足をそろえたまま相手と対峙したりするなかなかユニークなスタイルだったが,はたしてそのユニークなスタイルに自身の才能が追随できるかどうかは疑問を感じた。
序盤はヴォルクマンの方が良いかんじに見えたが,中盤以降グリーンがポイントを重ねて判定で勝ち。しかし全体的にダレた試合で,あまり感心できるような内容ではなかった。
Lightweight Yves Edwards vs. Isaac Vallie-Flagg
36歳のエドワーズと34歳のフラッグの年増対決。
エドワーズはとてもいいパンチも蹴りも足ももってるが,バランスが悪いように見えた。また,それが戦績に反映されているかんじであった。
いまひとつ緊迫感の欠けた中年どうしの対決,どっちが勝ってもいいやという感じで見ていたが,試合展開もそんな感じであった。
当事者同士は頑張っているのはわかるが,興行としての試合を評価するのは私のような視聴者であるべきで,また総合格闘の全体的なレベルがあがればあがるほど,こういう高齢でパッとしない選手は自然に淘汰されていくだろうと思う。よほどの天才選手でないかぎり。
Bantamweight Chico Camus vs. Dustin Kimura
23歳で10戦全勝中のハワイアン,キムラがまったく危なげなく安定したつよさを見せた。これで11戦全勝。これは期待のもてる選手。
キムラ選手は,なかなかのキャラクターのようで,話しぶりなどは若い頃の田原俊彦さんのようである。私は気に入った。次の試合が楽しみである。
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