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2013年6月26日水曜日

UFC 162: Silva vs Weidman 予想

Middleweight Anderson Silva vs Chris Weidman
 さて,怪人蜘蛛男アンデウソン・シウヴァの登場。相手はミドル級のホープ9戦全勝29歳のクリス・ワイドマン。
  ワイドマンはレスリングにおいて高校大学と全米トップクラスの実績があり,よって必勝のテイクダウンをもつ。また,いろんな局面で一番欲しいところに適切な打撃を躊躇なくえげつなく出せる選手でもあり,つまり,ケンカがつよい。
 またこのクラスでは珍しくリーチも上背もアンデウソンを上まわっている。メンタル面もアメリカ人らしく楽観的で,まだ恐いものを知らない。臆することなくアンデウソンに向かっていけるであろう。今のミドル級でアンデウソンを破れる可能性の最も高い男である。
  というわけで,私はセオリーどおりのワイドマン予想。
 
 アンデウソンが勝つとしたら,初回二回と相手の動きをじっくり見切れるだけの時間を与えられた場合だろう。裏を返せば,ワイドマンが勝つためにはアンデウソンに自分のうごきをじっくり観察させる時間を与えてはダメであり,試合開始と同時にもたつかずに全開で攻めて行くべきだろう。

 私はアンデウソン・シウバという選手はどうもあまり好きになれないので,この試合ワイドマン選手を応援しながら観戦するつもりだ。  
 
 
Featherweight Frankie Edgar vs. Charles Oliveira
 フランキーがオリヴィェラと対戦。
 ブラジルの若きホープオリヴィエラはバランスがよく,組めばかなり強いかんじがするのだが,わりと相手の打撃をポンポンもらってしまう選手という印象。

 ここはフランキーの速いパンチがよく当たり,彼のペースで試合が進むのではなかろうか。
 組んで相撲になっても,元レスラーのフランキーが負けるとも思えない。


Middleweight Tim Kennedy vs. Roger Gracie
 元グリーンベレー33歳のケネディ(14勝4敗)が,ブラジリアン柔術のホジャー・グレイシーに挑む。
 ケネディは日本の柔術の達人だそうで,柔術対決としてみても面白い。

 私は元軍人でケンカのうまいケネディーが,えげつない攻め方をしてホジャーを圧倒するだろうと予想。


Middleweight Mark Muñoz vs. Tim Boetsch
 前回,ワイドマンのえげつない肘のカウンターでマットに沈んだマーク・ ムニョスが,強打のボウチと対戦。

 ボウチは荒削りなところのある選手であるからして,ムニョスがあわてず冷静に攻め続ければムニョスが勝つのではなかろうか。

 追記(7月1日)
 去年,ムニョスは激太りして,今年になって大減量したらしい。
Mark Munoz shows off slimmed down physique for UFC 162 after ‘turning to food for comfort
 35歳にもなってこんなことをしていては,勝てるわけがない。
 ボウチ予想に変更。


Featherweight Cub Swanson vs. Dennis Siver
  スワンソンもシヴァーもともに打撃に自信をもっており,強打の打ち合い対決になるのではなかろうか。

 スワンソンはブラジリアン柔術も達人であるからして,単純に持ち駒の多さでスワンソン有利だろうとおもう。


Middleweight Chris Leben vs. Andrew Craig
 ミノル,ことクリス・リーベンの登場。対するはテキサス野郎のアンドリュー・クレイグ 。クレイグは前回マルケスに惜しくも敗れたが,なかなかクレバーな選手という印象。

 私はクレイグが自分のペースで試合を進めて,判定でリーベンを破るのではないかと思う。


Lightweight Norman Parke vs. Kazuki Tokudome
 まだ26歳の日本の期待のホープ徳留一樹選手が登場する。
 徳留選手の前の試合をみるに,なかなか強そうなハートと雰囲気をもったサウスポーで,相撲も強く,ケンカも上手い印象。
 前回の試合を観た感想を述べさせてもらえば,コンボが交錯すると頭が止まりがちなのと,押されるとまっすぐ下がってしまう悪癖が気になる。これは日本人選手全般にいえることだ が,顔面への速いパンチに対する反応がどうも鈍い。鈍いなら鈍いでガードを高く掲げるとか,頭をつねに動かすとか,それなりの対策があろうに,そういうことをしないでまるで天才ボクサーみたいにガード下げてじっと静止して構えてたりする。それはパンチのおそい日本人相手なら通用するかもしれないが,世界のトップレベルには通用しない。世界の上に行くためには速い打撃に丁寧に対処してできるだけパンチを顔面にもらわないようにもっと工夫をこらすべきだ。

 相手は北アイルランドの強豪ノーマン・パーク選手,16勝2敗。初めて名前を聞くが戦績からしてかなり強そうな相手だ。柔道とレスリングの達人らしい。これは徳留選手にとって試練になりそうだ。
 
 徳留を応援したいところだが,私はパークを予想


Heavyweight Gabriel Gonzaga vs. Dave Herman
 中堅実力者のゴンザガがハーマンを問題なくパウンドか何かで退けるのではないかな。
 ハーマンは美しい筋肉をもっているが, 勝利への貪欲さが希薄でやや決め手に欠ける印象。
 

Lightweight Edson Barboza vs. Rafaello Oliveira
 11勝1敗のバルボザはマーチンス戦では左のジャブを出鼻に入れて突破口を開いていた。この試合でもバルボサの速いタイミングのいいパンチが先に当たり,それが勝敗の決め手になるのではなかろうか。

 

2013年6月16日日曜日

UFC 161: Evans vs. Henderson

Light Heavyweight Rashad Evans vs. Dan Henderson
 過去のリョート戦,ショーグン戦を見るかぎり,ヘンドは右手にさえ気をつけてじっくり疲弊を待っていれば決して恐くない選手ともいえ,ラシャド・エヴァンスが距離を上手にとって優位に試合を展開していくんじゃなかろうかと予想していた。

 しかし予想以上にラシャドが慎重であった。
 ヘンドは本腰を入れた右の布石としてか,序盤からわりと変則的な右を出してきていたが,その後,左の踏み込んだジャブがラシャドの出鼻にカウンターで入った。リョートに受けたカウンターのような見事なタイミングで,ラシャドは膝をついていたが,当てたヘンドの方もびっくりしていたようでもあった。あれは狙って当てたというよりたまたま入ったかのようであった。
 序盤はラシャドは明らかに翻弄されていた感じであった。回を追うごとにラシャドの顔には迷いの色が濃くなっていったようにみえた。

 むかしはもっと大胆に踏み込んでパンチを出していたラシャドであるが,このごろは距離をうまく使うようになった感じで,安定感が増した反面,臆病になったようにも感じられる。どうしても勝ちたいというのはわかるし,結果的に勝てて嬉しかろうが,第一級のプロとしてもっと大胆な攻めを見せて欲しいものである。



Heavyweight Roy Nelson vs. Stipe Miocic
 ミオチッチも強い打撃をもっているが自分より強い打撃をもった選手に対してどう対処するかが見所であった。
 一方のビッグ・カントリー,ロイ・ネルソンの右がまた今日も当たるんではなかろうか,という期待をこめて観戦。
 
 試合開始前の自信に満ちたミオチッチの顔を見ていたら,ミオチッチが勝つような気がしてきた。
 野球でも格闘でも,強打者の一発ほどアテにならないものはない。頭のいい選手によってちょっと研究され攻略されれば完全に不発に終ってしまう。今日のロイ・ネルソンの不発っぷりもまさにそんな感じであった。ミオチッチの身体能力と比べると,はんぺんのように太ったロイ・ネルソンは,レベルが一つ二つ下の選手のようにもみえたし,結果もそのとおりとなってしまった。

 打撃を何度もまともに顔面にもらっていたネルソンのダメージが心配である。 
 100kg を超える選手が放つ渾身の打撃を,頭部に百発以上も受け続ければ,脳に後遺症が残らない方がおかしい。この試合以降はどんどん下降していくのではなかろうか。



Light Heavyweight Ryan Jimmo vs. Igor Pokrajac
 カナダの空手家ジモは17勝2敗という華々しい戦績。全体的に筋肉がよく発達しており,ふくらはぎなど卓球選手のようであるが,全体的に動きがなんだか重いかんじがする。

 いくら馬力があっても,ギヤがローで固定されたような選手は速さに欠け,攻撃にキレがない。今日は勝てたが,こんなスピードではLH級の上位にはまず通用しえないのではなかろうか。



Women's Bantamweight Alexis Davis vs. Rosi Sexton
 おふらんす出身でエギリスで学んだロジー・セクストンは頭脳明晰な秀才選手らしい。
 一方のアレクサス・デイビスも日本柔術とブラジリアン柔術の両方を学んだそうで,生粋の格闘家とのこと。

 女子の試合は身体が柔らかいせいで,打撃も関節技もスパっと決まらず,また根性は男子以上で滅多なことではタップしない。時として眼を覆いたくなるような展開になったりする。この試合もそんな展開であった。
 


Heavyweight Pat Barry vs. Shawn Jordan
 相撲っとりみたいな体型の両者だけど,相撲の下手っぴな,ただのぶん殴りあい対決。はっきりいって,前時代の総合格闘であり,暇つぶしにはいいが,面白みはナシかも。
 
 ノックアウトされたパット・バリーは,相手の打撃を受けたあと頭を抱えたまま後ろによたよた歩くだけであった。今時そんな素人みたいな防御反応をしてるのはヘビー級ぐらいなものだろう。
 ノックアウトとはいえ,ブーイングしたくなる最悪の試合であった。
 


Welterweight Jake Shields vs. Tyron Woodley
 ウッドレイの一発に期待したいが,いなし上手なジェイクがまた誤魔化して勝つんじゃないかな,という予想。
 そして予想どおりの結果。つまらん。
 


Lightweight Sam Stout vs. James Krause
 クラウスは頻繁にスタンスをスイッチさせ,長い手足でもって変幻自在のパンチと蹴りをもった選手。カポエラのような変則的なキックを出してきたりもする,面白い選手。
 特徴的なクラウスと比較すると,スタウトの方は真っ正直であまり面白みのない選手になってしまうが,どんなときも下がらずに前へ前へと出てゆく不屈の闘志をもっており,決して悪い選手ではない。
 


Welterweight Sean Pierson vs. Kenny Robertson
 ショーン・ピアソンはもう37歳というベテラン。強い打撃を持つ選手だが,打たれやすい面もあり,ノックアウトによる勝ち負けが多い。見ていて面白い選手ではある。
 ケニー・ロバートソンは前回股裂きという珍しい技で勝っていた。自称レスリング黒帯だそうな。

 ピアソンはサウスポで,右のフックにクロスがソリッドで,見ていて気分がいいが,やはり最大の敵は自身の年齢のようであり,どうしても混戦になれば相手の打撃をもらってしまう。
 一方のロバートソンは,レスリング黒帯と自称しているが,あんましケンカ上手というわけでもなく,さほど将来が楽しみというかんじでもなかった。負けてるし。



Bantamweight Roland Delorme vs. Edwin Figueroa
 11戦して9勝2敗,28歳のムエタイ・キックボクサー,フィガロアと,10戦して8勝1敗1無効試合,地元ウィニペグ出身のカナダ人デロームの対戦。
 デロームは寝技のうまい選手という印象だが,打撃が苦手というのが見ていてわかるところが大きな欠点か。
 フィガロアはマウントから皮膚をかすめるようなエルボーを出してくる,どうやったら人間の皮膚を切り裂けるか熟知しているかのように打撃をくり出す選手である。

 デロームのようにはじめから組みいくことしか考えていないような選手の試合は,私はあんまり好きでない。