Light Heavyweight Daniel Cormier vs. Alexander Gustafsson
両者ともジョン・ジョーンズと対戦しており,あわやと思わせるいい勝負をしたのはガスタフソンの方であった。コーミエの方はおそらくジョーンズを上まわるレスリング力であろうと評され,ガスタフソン以上に期待されたが,ふたを開けてみればジョーンズによってほとんど封じられしまった。
一方,アンソニー・ジョンソンとの対戦では,ガスタフソンは初回に一発を浴びてノックアウトされてしまったが,コーミエは見事に自分の長所を生かしてジョンソンを完封した。
ジョンソン戦でみせたコーミエの柔軟な対応と安定感をみるに,私はコーミエがこの試合も制するのではないかとおもう。
ガスタフソンの四肢の長さもタフネスさもLHでは群を抜いているが,パンチも踏み込みもさほど速いというわけではなく,スピードのあるコーミエには当たらないのではないか。むしろ自身のタフネフさに頼るところがあり,速いパンチはわりともらってしまう方だ。コーミエの速いパンチは当然よく当たるであろうし,組んでもコーミエが体重を預けるようにしてガスタフソンのスタミナを奪い,内容で圧倒するのではなかろうか。
判定でコーミエ予想。
Light Heavyweight Ryan Bader vs. Rashad Evans
いちおう身体能力も高く,いちおうここのところ連勝がつづいているベイダーであるが,相手を倒すということがまったくできない選手であり,この階級では一番見ていてつまらない選手だ。パンチも,声だけはやたら大きいが腰が入っておらず,ポイントしか狙っていない。王座に挑戦させろ,とか言っているらしいが,とんでもない話だ。
一方,エヴァンスの方は一発もあり,スピードもあり,これまでも一流の強豪と闘っている経験がある。
まちがいなくエヴァンスだろう。
判定でエヴァンス予想
Heavyweight Shawn Jordan vs. Ruslan Magomedov
Twitter ではフォローしていただいているヘビー級のマゴメドフだが,以前試合をみたかんじでは,まるで素人のようなナマクラパンチで,さほど光るものがほとんど感じられなかった。
一方,ジョーダンの方は,ついこないだも強打で巨躯のルイスに対して実にうまい攻めをみせ,連打を当て,さらに突拍子も無い後ろ回し蹴りを当て,みごとな勝利をみせている。また試合後の自己分析も的確で,とても頭のいい選手という印象である。
この試合もジョーダンがノックアウトで勝つだろう。
Flyweight Joseph Benavidez vs. Ali Bagautinov
この試合が一番楽しみな一戦である。
打てよし,組んでよしで,いつも積極的な攻めをみせるベナヴィデスは,この階級で屈指の選手である。
一方,イチローに似た風貌のバガウチノフは,コンバット・サンボの元世界チャンピオンであり,打撃は変則的で左右にスタンスを変えつつ下がりながら出鼻に強い相打ちを当ててくる。出てくるベナヴィデスとは相性がよさそうだ。ベナヴィデスは苦戦するのでないか。
また,ベナヴィデスはいつも体幹に力のこもったかんじがするが,バガウチノフはいかにも上体がやわらかそうであり,これまた対照的である。
バガウチノフのへんなパンチが当たって,一気にたたみかけるようにノックアウトしてしまうような気がする。
バガウチノフによるKO予想。
Heavyweight Derrick Lewis vs. Viktor Pešta
25歳のペスタに注目してみたい。