Welterweight Robbie Lawler vs. Carlos Condit
打撃よしレスリングよしのローラーと、ケンカ屋コンディットの対戦。
コンディットがウッドレイの速いパンチを持て余し気味であったことをおもうと、マクドナルド戦で勝利の糸口になったローラーの速いジャブが序盤からよく当たるのではないか。
ただ、胴長のコンディットが上背とリーチにおいてローラーを大きく上回るのが気になる。
また、コンディットの方が強豪相手に好勝負を演じてきたという実績もある。パンチパンチ蹴り、というやや単調な攻めをくり返しつつ、突然変化して出てくるコンディットの膝がローラーのアゴを捉えて、試合が一気に決まるかもしれない。
が、やはり順当に考えると、引き出しの多いローラーに分があるのではないかと私はおもう。
ローラーによる判定勝ち予想。
Heavyweight Stipe Miocic vs. Andrei Arlovski
ボクシングがうまくレスリングもうまく足もあるミオチッチがアスレティズムという側面において有利かとおもわれるが、ストライカーで立ち位置のとり方のうまいアーロフスキーがタイミングよく強打一発で試合をひっくり返ることができる。どっちが勝ってもおかしくない試合だろう。
アーロフスキーはトラヴィス・ブラウンを見事に倒したが、ブラウンのように雑で無造作な打撃を放ってくる相手だと、キックボクシングの専門家であるアーロフスキーにとってたまたま相性が良かったようにも思える。一方、前回のミアとの試合はどうも試合がかみ合わず、鈍重で、観るのも嫌になってくるような、お粗末な試合であった。あるいはシャウブ戦だとか、そういう試合の印象がつよいためか、私はアーロフスキーという選手はあまり好きでない。
好悪別にしても、私はボクシングもレスリングもうまいミオチッチが終始攻勢に立つのではないかとおもう。
ミオチッチによる判定勝ち予想。
Welterweight Albert Tumenov vs. Lorenz Larkin
多彩な打撃をもったラーキンはバランスもよく総合力の高い選手。打撃はクリエイティブで観ていて面白い。
一方、24歳のツメノフも出てくる相手に対してカウンターを合わせたり、蹴りを捕ったりと、反応のいい好選手であり、これは良い試合になるのではないか。
予想は難しいが、リーチで勝る若く伸び盛りのツメノフが有利なのではないか。
ツメノフによる判定勝ち予想。
Featherweight Diego Brandao vs. Brian Ortega
柔術の達人らしく組んでくるのかと思いきや、わりとパンチを豪快に振り回したり膝を突き上げたりとラフファイトもできるブランダオであるが、カーディオにおいて大いに懸念がある。
一方のオルテガはケンカの天才という印象で、若いながらも辛抱強く機をうかがい、実にえげつない肘を当てるのが上手く、勝負どころで一気に試合を決められる爆発力をもった選手である。
時々計量に失敗するブランダオの出来次第だが、両者のコンディションが良ければこれがこの日一番の好試合になるのではないか。
後半のブランダオの失速でオルテガが有利になってゆくのではないかとおもう。
オルテガによるノックアウト予想。
Bantamweight Michael McDonald vs. Masanori Kanehara
笑顔が愛くるしい若きマクドナルドは、パンチを思い切って振ってくるし、絞め技もできる、面白い選手で、興行者にとっても贔屓したくなる選手だろう。バラオやフェイバーといった強豪に敗れているが、まだまだ伸びてくる選手だろう。
一方、対照的なぶおとこの金原であるが、こないだはヤーヤなんぞ相手に実にモタモタした試合をした印象がつよく、興行者に一番嫌われるタイプであろう。
ここはUFCの将来的な興行収入のためにもマクドナルドがスカッと勝ってほしいところであるし、実際そうなるであろう。
マクドナルドによるノックアウト予想。
打撃防御において大いに課題のある日本人選手だが、金原もその例にもれず、序盤はかなりまともにマクドナルドのパンチをもらっていた。が、入念な研究をしてきたのか組んでからの金原がとても良く、マクドナルドを一気に肩固めで破るかという勢いであった。マクドナルドは下から下肢を絡めるようにしてすり抜け、すかさず背後をとって裸絞めで試合を決めた。金原にとっては至極残念な敗戦であったろう。
返信削除ブランダオとオルテガの戦いも死闘と呼ぶにふさわしく、柔術の達人どうしだが序盤は終始打撃戦で、みごたえのあるものにしていた。ブランダオの風を斬るようなパンチがよく当たっていたにもかかわらず、オルテガはとほうもなく打たれ強い選手のようで、けろっとしていた。最後は疲れの出始めたブランダオのパンチの空振りに乗じて寝技にもちこみ、オルテガ得意の三角締めであった。
ボクシングがうまく、パンチをよく当てていたトゥメノフであったが、ラーキンはコツコツとローキックを相手の左脚に当てつづけ、トゥメノフの膝のあたりは痣になっていた。どちらが勝ってもおかしくない試合であったとおもうが、トゥメノフが試合を割れた判定を制していた。トゥメノフは勝ったにせよ、大いに課題を残した。
ミオチッチが序盤から動きが冴えており、アーロフスキの出鼻に左のジャブを当てから形成が一方的になった。ケージ際に追い詰めつつ、右のフック気味の短いストレートがアーロフスキの耳に当たり、それが試合を決定づけた。さらに連打を重ねてアーロフスキは膝が折れ、前のめりになって両手をついてしまう。
ローラーとコンディットの試合も予想以上に壮絶であった。サウスポーのローラーに対しコンディットは左へ左へとよく動き、また小さな連打をよく出して、ローラーを大いに悩ませていた。一方のローラーは要所でつよいパンチを正確にコンディットの顔面をとらえ仰け反らせており、ダメージ的には最後まで五分と五分だったろうか。
最終ラウンドでは明らかにローラーが攻勢な場面が多かったが、コンディットも踏みとどまってよくパンチを撃ち返し、試合を終わらせなかった。両者殊勲の一戦であった。
ローラーは迷いが出たり弱気になるとそれがよく顔に出る。今回もローラーの一怒一迷がよくわかった。次回の対戦相手はウッドレイか、ヘンドリクスか。私的には強打のウッドレイを当ててみたい。ヘンドリクスとの対戦はもう見飽きた。