Women's Bantamweight Ronda Rousey vs. Bethe Correia
予想どおりといえば予想どおりであったが,まさかこれほどまでとはおもわなかった。
これほどまで,というのはラウジーのつよさのことではなく,女子バンタムのレベルの低さという意味である。コヘイヤのパンチのお粗末さはもちろんであるが,ラウジーのパンチだって,たしかに力強いパンチではあったが,ボクシングはお世辞にも上手いというかんじではなかった。もちろんバンタム級では飛びぬけているのだろうが,女子ストロー級のボクシングのレベルと比較すると,バンタムの立ち打撃はまだまだ前時代の女子格闘のレベルをそのまま引きずっている観がある。
ラウジーの強さが賛美され,女子スポーツのスーパースターの誕生であるかのように喧伝されればされるほど,私はなんだかしらけてしまう。ラウジーがつよいのでなく,周りが弱いのだろう。女子バンタムのレベルが低いからだろう。
ミーシャ・テイトとの再戦が囁かれているが,そんな試合,だれが見たいと思うのか。ミーシャとロンダでは明らかに実力にひらきがあるし,他の選手などミーシャ以下のレベルである。正直つまらない。
サイボーグが衰える前になんとか対戦させて欲しいところだが,それも簡単には話は進まないであろう。というのは,興行者側としては,できるだけロンダでもって総合格闘技の認知度を高めたいわけであり,それと同時に儲けたいわけである。早々とサイボーグと対戦させてロンダが負けてしまっては,興行者としては儲けを失ってしまう。
つまり,ロンダに比類するスター選手が現れるまでは,ロンダとサイボーグの試合はお預けだろう。
なんだかやるせない気持ちになってしまう。
Light Heavyweight Maurício Rua vs. Antônio Rogério Nogueira
ショーグンとリトル・ノグの『戦争だ! (it was a war!)』,とやたら騒がれてはいたが,私はこの試合もしらけた気分で見ていた。なじみある選手の引退間際の試合であり,往年をなつかしみつつ感傷に浸りつつ観戦する,という見方もあるのだろうが,私にはそれができない。最盛期をとうに過ぎ下降しつくした両者による,どうにも見栄えのしない,チャンネルをまわしてNHK紅白でも見たくなるような,そんな試合であった。
結局ショーグンが勝ったらしいが,UFCは次もペイパービュー試合枠をひとつショーグンに進呈して,こんな試合をさせるのだろうか。ファンあっての興行であるからして,それでファンがよろこぶのならそうするのだろう。
Heavyweight Stefan Struve vs. Antônio Rodrigo Nogueira
この試合は,もっとひどい試合であった。語るのすら面倒だ。
ミノタウロはこれで引退だろうが,総合格闘に敬意を示すのなら,そしてどうせ引退するのなら,むしろこんな試合などせずに引退した方がずっと良かったのではないか。
まあ,しかし彼を尊敬するファンの多くがこの試合をよろこんで観たのなら,そういうものなのだろう。ここに書くのは私の私見であるからして。
Heavyweight Antônio Silva vs. Soa Palelei
わりと柔軟でそれなりに反応できるパレレイが勝つのではないかとおもったが,彼のうごきがスローであったことが致命的だったのだろう。ビッグフットは速い打撃には反応しないが,遅いのなら反応できる。
ビッグフットが,格のちがいで勝ってみせた,というかんじであった。
Welterweight Demian Maia vs. Neil Magny
ブラジルの柔術の専門家がまったく寄つけず,レッスンをつけるようであった。リーチのあるマグニーに対して序盤から積極的にぐいぐいと距離をつめ,マグニーは何もすることができなかった。
Women's Strawweight Cláudia Gadelha vs. Jessica Aguilar
かわいい顔をしたクラウディアは王者ヨアナと僅差の試合をしてみせた選手であるが,踏み込みが鋭く,思い切りもよく,非常にキレのあるパンチを出せる選手であった。序盤から実力差があきらかで,それゆえに攻め急いだ観があったが,ジェシカもよく耐えコツコツとクラウディアの右足にローキックを当て,それが中盤以降のクラウディアの攻撃力を削ぐかたちとなり,結局判定になった。
メインイベントの女子バンタムと比して猶の事ストロー級の層の厚さを実感させられる試合であったが,クラウディアのつめの甘さをみるにやはり王者ヨアナの方が一枚上かな,という印象であった。
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