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2015年1月4日日曜日

UFC 182: Jones vs. Cormier 感想

Light Heavyweight Jon Jones vs. Daniel Cormier
 細長い体を縮めるようにして小さくやや消極的な構えのジョーンズに対して、コーミエが序盤からぐいぐい前に出て積極的大胆に攻め、これは、と思わせる場面もあったが、さすがは巧者のジョーンズ、上に下にと打ちわけて、徐々に徐々にと試合を自分のペースにもっていった。
 テイクダウンにこだわり、立てば接近してからの右に頼りがちなコーミエに対して、一方のジョーンズは、パンチありの、上下蹴りありの、肘ありの、ヒザありので、攻めも断然多彩だった。クリンチでコーミエのうごきを完全に封じてしまう上手さもあった。終盤にはコーミエから二度も完璧なテイクダウンをとってみせた。やはりつよい、ジョーンズ。

 最終ラウンドの試合終了前なのにジョーンズはおもむろに両手を挙げてみせたかとおもうと、急にコーミエにむかってパンチを出したりしていた。怒ったコーミエが応戦しかけて、試合終了。そこでジョーンズはコーミエに何やら小馬鹿にしたようなしぐさをみせた。インタビューでも「コーミエが大嫌いだ」と言っていた。
 なんとも後味の悪い幕切れであった。

 ジョーンズはジーザスがどうしただのロードがどうのだのやたら敬虔なこと言うけれど、なんだか人間としてだいぶ問題アリなかんじがする。まあ格闘がつよければ人間性なぞどうだっていいんだが、しかしこの選手が好きか嫌いかと言われたら、はっきりと嫌いになった。

 ジョーンズは次にヘビーのウェルドゥムとのスーパーファイトを考えているらしいが、この後味の悪さからして、俄然ウェルドゥムを応援したくなった。

 追記:ジョーンズの次はガスタフソンとジョンソンの勝者に照準を合わせているようで、記者会見でウェルドゥムの名前は一切出なかった。コーミエとジョーンズの気分は当人同士にしかわからず、相手を尊敬どうの以前にこれは戦いなんだ、と言っていた。二人の態度だけで安易にどうこうなど言うべきでないとおもった。


Lightweight Donald Cerrone vs. Myles Jury
 打撃に切れ味のあるジューリがパンチを当ててセローニを圧倒するのでないかとおもっていたが、ふたを開けてみればセローニの強いプレッシャーで手が出せず、逃げてばかりいる場面が目立った。見たかんじセローニの顔が怖くてビビったかのようであった。
 セローニは逃げてばかりいるジューリに対戦相手として不満をかんじたのか、最後は寝そべったジューリの下半身に、まるで「男なら立って向かってこい」でも言わんかのようにサッカーボールキックを無造作に何度も何度も入れていた。
 
 
Middleweight Brad Tavares vs. Nate Marquardt
 タヴォーレスの左のジャブが実によく当たり、またキックも速く、打撃戦でマーコートを圧倒していた。ボウチ戦と似た展開であったが、今回のタヴォーレスは油断せず最後まで慎重であった。
 マーコートは後半になってやや疲れがでてふらつく場面も多かった。


Flyweight Kyoji Horiguchi vs. Louis Gaudinot
 堀口が速さで圧倒した。フットワークもよく、踏み込みも速く、パンチもよく当たっていた。惜しむらくは、あまり見栄えのしない試合であったことか。あれだけのスピード差があれば倒して存在感をアピールしてほしかった。


Welterweight Hector Lombard vs. Josh Burkman
 ロンバードが圧倒すべき試合であったし、実際圧倒したけれど、私は不本意な試合だったのではないかとおもう。なかばグロッキー状態のバークマンに対して、手が出せずにらめっこをするような不器用な場面が目立った。これでは上位にあがるのは難しいのではないか、という気がした。


Lightweight Danny Castillo vs. Paul Felder
 テコンドー二段のフェルダーは、下から上へ突き上げるように実にいやらしいタイミングで膝を出す。蹴りもパンチより速くみえた。流れるようなパンチ蹴りヒザの多彩なコンボで、まるで格闘ゲームをみてるかのような面白さがあった。
 最後はめずらしくバックブローがまともに入り、カスティロは完全にのびてしまった。
 

Bantamweight Marcus Brimage vs. Cody Garbrandt
 レスリングで実績があって、天性ともいえる打撃センスもった選手というのは無敵だと常々おもうが、このオハイオ出身の23歳ガーブラントなど、まさにその典型だろう。とても23歳とはおもえない落ち着いた構えで対峙していた。パンチの交錯時に頭をさほどに動かさないのがやや気になったが、ふしぎとブリメジのパンチが当たらない。ブリメジが悪いのか、ガーブラントがよく見えてるのか、よくわからない。また、蹴った後で相手がつけ入ろうとすると、それを迎え撃つパンチが自然に出てくる。
 初回にブリメジの前頭部に強烈なの当てており、ちょっと心配したが、案の定あれで右手を骨折してたそうな。でもブリメジをぐらつかせたのも、その後のフィニッシュブローも右で、しかも渾身の振りでもって何度も何度も出していた。闘争心、文句のつけようがない。格闘のために生まれてきたような天才坊やの登場である。


Heavyweight Shawn Jordan vs. Jared Cannonier
 見るからに鈍重そうな関取ジョーダンに対して、キャノニエはフットワークも軽快で力を抜いたパンチにキックもよい感じであったが、接近したときの打撃の交換ではジョーダンの方が反応もよく上手であった。決め手はジョーダンの右のクロスで、軽く出したようなパンチであったがキャノニエの耳の後ろにかすめるようにあたって、それが勝負がついた。


Welterweight Omari Akhmedov vs. Mats Nilsson
 ニルソンはグラップリングの達人らしいが、どうしても柔術とかグラップリングの専門家と聞くと打撃のない選手という先入観を抱いてしまう。かつてグレイシー一族が一世を風靡してた時代とちがって現代格闘では打撃のない選手はまず勝てない。

 ニルセンのパンチは細かく軽快で決して悪くなかったが、なにせ効かなかった。一方のアクメの方がガードの上からたたく強振気味ながら見栄えはよく、それで稼いだポイントは大きい。しかし、いくらパンチ力があろうと、振り回すようなパンチしか出せない選手はダメである。
 ふたを開けてみれば強振家のアクメの方がテイクダウンが確実で、打撃よりむしろそっちが勝因となったようだ。


Women's Bantamweight Alexis Dufresne vs. Marion Reneau
 37歳のレノー、格闘家としてはかなり高齢なんだけど、フットワークも軽く、パンチはまっすぐソリッドで速かった。体のキレはすばらしかったね。ただ、相手のデュフレインがまるで素人すぎたために、評価が難しいところ

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