Light Heavyweight Jon Jones vs. Daniel Cormier
因縁の対決である。
盟友ヴェラスケスとの対戦を避け、階級をひとつ下げてきたコーミエだが、元ヘビー級とはいえ体格はライトヘビーでも小さい方だろう。それでもヘビー級では向かうところ敵なしであったし、あの巨漢アントニオ・シウバを右一発で沈めるだけの破壊力もある。レスリングのうまさは群を抜いており、元五輪代表だったヘンドや、柔術の専門家で重量のあるロイ・ネルソンなど手玉にとってみせまったく寄せ付けない強さをみせた。
そのコーミエならばジョン・ジョーンズを倒せるのではないか、という期待は大きい。
ジョン・ジョーンズは実にクリエイティブな選手であり、練習してきてないような実にいやらしいことをその場その場で臨機応変で繰り出せる頭の柔軟さがあり、おそらく格闘界随一のケンカ上手であろう。
ジョーンズの視力と反応のよさも群を抜いている。マチダのカウンターを誘ってそれにカウンターを当てられる打撃センスは天才的である。そして何よりの武器は格闘界でいちばん長いリーチだろう。相手が懐にとび込むなどして距離が狭まれば、戦慄の肘が待っている。ジョーンズには全く穴が無いようにさえおもえる。
超一流の両選手だけに、勝敗の決め手は、両者が相手を攻略する上でどういう対策を練り、どういう作戦を立ててきたかによるのではないかとおもう。
レスリングに絶大な自信をもっているコーミエが勝つとしたら、まずテイクダウンをとることだろう。肘撃ちのうまいジョーンズが上になってしまうとかなりヤバいので大きな賭けだけど、ジョーンズの四肢の長さを逆手ににとって横四方から十字架のようにして封じてしまったばあい、そのままパウンドないし肩固めで勝負が決まってしまうかもしれない。
あるいは、テイクダウンにいくと見せかけるフェイントで上へ強いパンチを出すなどしてくるかもしれない。渾身の右がジョーンズの顔面を一発でもとらえれば、それで決着がつくだろう。
ジョーンズにとっての勝機はその長いリーチを生かせた場合ではなかろうか。調子づいたコーミエの出鼻にチョン!とタイミングのいいパンチが当たれば、それが効いてしまい、そこで流れが一方的にジョーンズ優勢になってしまうかもしれない。あるいはコーミエのテイクダウン狙いに対して、膝ないし肘を合わせる練習をしてきているのかもしれない。
やや気になるのは、ジョーンズは踏み込みの速い選手に対して手のひらを前に出して牽制するしぐさをよくすることである。テシーラを悩ませたあのポーズである。最悪の場合、ジョーンズの指がコーミエの眼窩に入ってしまい、それで試合続行不能などになってしまう可能性もあるとおもう。
レフリーが早め早めに注意して、オープンハンドを相手の眼前に置くのはやめさせてほしい。
私はコーミエによるTKO予想で行ってみたい。
Lightweight Donald Cerrone vs. Myles Jury
次期チャンピオン候補の筆頭であるマイルズ・ジューリは目下15戦全勝中。ごく自然体な構えから、相手のうごきによく反応してまさに電光石火のカウンターで、これまでにバッタバッタと相手を倒してきた選手である。相撲もレスリングもつよく、力もある。
ただ、防御が雑なところがあり、不用意な小技をまともに何度ももらい続け、スローダウンしてしまう場合がある。
百戦錬磨で勝負強いセローニが、ジューリのような切れ味ある打撃をもった選手をどう攻略するのか楽しみであり、あるいは天才ジューリがセローニという壁をどう打ち破るか、大変興味ある一戦である。
私はジューリ予想。おそらく判定になるのではないか。
Middleweight Brad Tavares vs. Nate Marquardt
前回、キューバの怪人ロメロに翻弄されたタヴォーレスだが、距離も立ち位置もバランスもよく、打撃のタイミングもいい。格闘センスは群を抜いている。
マーコートが老獪とはいえ、私は間違いなく若き秀才タヴォーレスが勝つとおもう。
タヴォーレスによるTKO予想。
Flyweight Kyoji Horiguchi vs. Louis Gaudinot
注目の空手家対決である。
我らが日本期待の神風小僧、神の子の子、堀口恭司選手がメインに登場できたのは、一重に彼のスタイル、「肉を斬らせて骨を断つ」ようなスリルある面白さがあるからだろう。一発でも当たれば試合の流れが変わる強打も大きな魅力である。
堀口の弱点として相撲が弱いところがおもいつく。
対するルイス・ゴーディノットは空手四段という。
これは見ごたえのある打撃戦になるのではなかろうか。
ゴーディノットが空手を捨てて組んでいけば、相撲の弱い堀口に対して優位な立場となり、案外コーディノットが絞め技で勝ってしまうかもしれない。
が、私は神風野郎の堀口恭司24歳によるノックアウトを期待。
Welterweight Hector Lombard vs. Josh Burkman
UFCでいちばんの嫌われ者だと自嘲するヘクター・ロンバートは上体も見事であるが、柔道の専門家だけあってややガニ股気味な下半身が特徴的である。
草刈機のようなパンチの殺傷能力も高い。
これは問題なくロンバードによるノックアウト予想。
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