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2015年3月15日日曜日

UFC 185: Pettis vs. dos Anjos 感想

Lightweight Anthony Pettis vs. Rafael dos Anjos
 ペティスもドスアンジョスもどちらも大好きな選手である。相手を潰し壊しあうようなスポーツだけに、こういう対戦カードは観ていてつらい。しかし、いちばん楽しみな試合であり、期待どおりの好勝負であった。
 ドス・アンジョス予想をした人は少なかったようにおもうが、私もその一人であった。ただ、私はドスアンジョスの猛烈な蹴りが決め手になるだろうとおもっていたが、この勝敗を分けたのはサウスポーのドスアンジョスの速い左のパンチであった。試合が自分有利になったところで、ドスアンジョスの攻めはますます多彩になり、上に下にテイクダウンにと実力全開となり、ペティスは防戦一方となってしまった。こうなるともはや勝負は一方的である。
 初回にドスアンジョスがみせた、右に頭を振りつつ出す左のオーバーハンドが、ペティスの眉間、そして右目にと、クリーンヒットし、ペティスはそれで右目の視力を失ってしまったらしい。ペティスにとっては不運な試合展開となってしまった。ペティスの反応のよさ、打撃の正確さも、優れた視力あってこそのものである。それを失えば、無敵のようなペティス牙城でも崩されてしまう。
 ペティスの目に入ったパンチはグラブからむき出しの第二関節部分であり、ペティスは眼球に深刻なダメージを受けたであろう。早い回復を祈るが、視力の完全回復は難しいのではないか。

 予想的中。


Women's Strawweight Carla Esparza vs. Joanna Jędrzejczyk
 女子バンタムのロンダ・ラウジー選手の試合レベルが突出してるが、他の女子の試合はまだまだセミファイナルでできるようなレベルではないのではないか、と懸念していたが、そんなことは全然なかった。ヨアナ・イオンジェイチェク、「つよい!」とうならせるほどであった。
 ジャブの速さと伸び、長いリーチ、小さな連打もでるとおもいきや、おもいきりの強振もできる。女子ボクシング出身の腰の入っていないパンチをみてガッカリさせられることが多いが、この女子ムエタイの世界チャンピオンのパンチは、男子顔負けのキレとスピードがあった。えてして打撃主体の選手てのは相撲が下手だったりするのだが、イオンジェイチェクは長い足を生かして、レスラーのエスパーザに一度もテイクダウンを許さなかった。
 女子格闘でもこれからどんどんこういう才能もった選手が参入してくるであろうし、これからもっと面白くなるのであろう。
 
 ブログ予想はしていなかったが、ツィート予想的中。


Welterweight Johny Hendricks vs. Matt Brown
 予想に反して、ヘンドリクスが完全に復調していた。
 ロビーローラーとの試合では、拳を傷めたりしたせいかパンチに精彩がなく、テイクダウンの力強さも感じられず、育児疲れでこのまま下降してゆく選手なのかとおもわれたが、やはり駿馬は駿馬であった。すばらしい動きであった。さすがにノックアウトできるタイミングではなかったが、左もよく出たし、人並み外れた背筋力を生かしたダブルからの豪快なテイクダウンもみせてくれた。ブラウンの速いワンツーも、鳥肌の立つようなスィングも、しっかり見えてダッキングでかわしていた。あれだけ激しく攻め立ててカーディオも最後まで持続していたし、この調子ならばまた王者に返り咲けるのではないか。うれしい誤算である。
 ブラウンは最後まで猛然とブラウンらしい闘志をみせてくれ、期待どおりの好試合にしてくれたが、やはり勝敗を決めたのは文句なしの実力差だったというかんじであった。
 
 予想はずれ。


Heavyweight Roy Nelson vs. Alistair Overeem
 もともと慎重な性格だけに、筋力に頼らなくなったオフレイムは憎たらしいくらいに強いだろう、という予想をしていたが、そのとおりであった。
 パンチは小さく、ヒザも軽めによく出て、ビッグカントリーを完全に料理していた。惜しむらくは性格的に臆病なせいか、相手を倒してやろうという意気込みが感じられなかったことだろう。終盤、左の上段まわし蹴りがまともにヒットして、ネルソンの足がふらついた場面があったが、オフレイムはそれを静観してるだけで、出ようとはしなかった。そういう勝ち気の感じられない選手というのは、結局このまま中堅どまりだろうとおもうし、だからこそ私はこういう選手があまり好きでない。
 オフレイムは臆病なくせに慢心して相手の一打に沈む、という悪いクセがあるのだが、この試合でもそういう場面があった。ネルソンのストレートが、出てくるオフレイムのアゴを完全にとらえ、マウスピースを吐き出しかけた。が、ネルソンは足が遅すぎて、距離をとるオフレイムに対して追い打ちをかけることができなかった。

 私としてはビッグカントリーの豪快な一発を期待していたのだが、彼は右しか決め手がなく、それしか狙っていなかった。あれでは今のオフレイムのように足をつかってコツコツ当ててくる選手には勝てるわけがない。
 
 予想的中。


Flyweight Chris Cariaso vs. Henry Cejudo
 五輪金メダリストのセフードはやはりつよかった。
 レスリングでトップとって、格闘に転向してから学んだボクシング技術をスポンジに浸み込ませるように会得してゆく選手というのは、まったく無敵である。まるで空手家のように絶妙な場面でごく自然にパンチが出ていたし、速いワンツーパンチは相手の顔の中心めがけて真っ直ぐ集中していた。また、勝ち気、負けん気もすばらしかった。五輪で金をとる男のメンタリティ、メダルをとるかとらないかを決定づけているのは技術この負けん気だろう。
 ようやくマイティ・マウスに匹敵できるような好選手が現れた、というかんじである。その前にドドソンあたりと対戦だろう。

 予想的中。


Middleweight Elias Theodorou vs. Roger Narvaez
 カナダとアメリカの美男子対決であったが、カナダ代表に分があった。
 セオドロはさほど打撃のスピードは速くないのだが、予測しにくいパターンのコンボで出てきて、また下半身がしっかりしているだけにどれも体重ののった重い打撃であった。
 ナルヴァエズの受け方が悪かったのか、途中セオドロの蹴りを受けた左腕を骨折していた。

 勝ったセオドロはさわやか野郎なディズニー王子的笑顔で、そっちの印象の方がつよかった。
 
 ブログ予想していなかったが、ツィート予想的中。


Lightweight Daron Cruickshank vs. Beneil Dariush
 クルクシャンクは積極的な出入りでよく攻めたが、ダリウシの方が明らかに上手だった。翻弄してくるような動きのクルクシャンクに対してじっくり落ち着いてコツコツとタイミングよく打撃を当てて、最後は裸絞めであった。

 予想的中。


Heavyweight Jared Rosholt vs. Josh Copeland
 ヘビーにはもうこんなのしかいないのか、という感じである。豚のじゃれあいというか層が薄いというか、今更になってレスナーだのクロコップだのアラフォーのOBみたいな人たちを呼び戻そうというのもわかる気がする。


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