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2012年11月18日日曜日

UFC 154: St-Pierre vs. Condit

Welterweight Georges St-Pierre vs. Carlos Condit
<試合前予想>
  全盛期のGSPならば明らかに有利だけど,現在のGSPには不明な点が多いし,不安要素を挙げればいくつもある。まず,左目の視力がどの程度回復している のか。眼球内で出血したとかしないとか,くわしくは知らないのだが,飛蚊症のような症状が残ればそれはそれは大きなハンデだろう。膝を蹴られまいとして動 きにも偏りが出るのではないか。脚力がどの程度回復しているのか。
 一方のコンディットはあのニック・ディアズを誤魔化しきった試合巧者であり,技巧派のキム・ドンヒュンを文句無しにノックアウトしている。 私はコンディット有利だと思う。

<試合後感想>
 GSPはつよかった!
 気合の入りまくったコンディットとくらべて,GSPは入場時はかなりナーバスな表情をしており,これは・・・と不安を感じた。 が,リングに上がったときは,いつものGSPの表情に変わっていた。

  GSP の強みは将棋みたいに持ち駒の多彩さで,どっちが飛んでくるかわからないオフェンス力。先手先手といけば好感だろうと思っていたが,そのとおりの展開になった。
 強気にどんどん前に 出てゆくGSPにコンディットは終始押され気味であった。GSPの見事なテイクダウンもほとんど全て決まっていたし,GSPが圧倒的な実力差を見せ付けたかたちとなった。
 3Rであったか,コンディットが低い体勢から伸び上がりざまにみせた左のまわし蹴りがGSPの側頭部をとらえ,あわやという場面があった。それでもGSPが後半盛り返して,そのラウンドもほぼイーブンにしていた。
 コンディットも暫定王者らしく実によく頑張り,GSPの右側頭部にタンコブ,左目の下と鼻柱を割って,両者血みどろの死闘は最終ラウンドまで続いた。
 ショーグン対ヘンドの試合に匹敵する好試合であった。

  懸念していたGSPの左目だが,とくに問題は無さそうでもあったが,コンディットの右を序盤からポンポンもらってたのがやや気になるところでもある。 次回も注視したい。
 右足はほぼ常に後ろ足だったのも,やや気にはなった。ときおりスイッチして右足を前に出すこともあったが,すぐオーソドックスにもどしていた。スーパーマン・パンチも力のこもったのは一発のみだったかと思う。

 次回はジョニー・ヘンドリックスかアンデウソン・シウバであろう。 ヘンドリックスであれば勝機は十分にあるであろうが,コンディットでいくつか危うい場面があったことを考えると,やはりアンデウソンにはGSPはさすがに勝てないとおもう。


Welterweight Martin Kampmann vs. Johny Hendricks
<試合前予想>
 これもたのしみな一戦。 上り調子の陽気なヒゲ男,ジョニー・ヘンドリックスが勝てば面白いのだが,ケンプマンも試合巧者である。わからない。 ヘンドリックスの左が当たればヘンドリックス,判定ならケンプマンか。

<試合後感想>
 これは予想どおり,ヘンドリックスの左のストレート一発であった。
 往年のマイク・タイソンを思わせるような鋭い踏み込みで,距離をとりたいケンプマンが下がろうとしたところに,右フック,左の真っ直ぐのワンツー。左がアゴに見事に入り,ケンプマンは直立したまま後ろに倒れた。すごい一発であった。

 試合前の場外チェックで,ヘンドリクスは自分で鼻の穴のなかに小指でワセリンを塗付していた。ああすると呼吸がしやすくなるのであろうか。


Middleweight Francis Carmont vs. Tom Lawlor 
 割れた判定でカーモントが勝ったが,これもなかなか競った好試合であった。
 ローラーは妙な仮装をして入場してきたが,そういう面白みのある選手らしい。何度かギロチンを極めかかったが,カーモントがよくしのいだ。



Light weight Rafael dos Anjos vs. Mark Bocek
 うなじに「福」の刺青のドス・アニョスは,アグレッシブに頭と手を動かしながら打撃から入ってくる選手で,膝とアッパーカットがとてもいい。また下半身がとても安定している選手で,まるでチラノサウルスのような力強い足をしている。テイクダウン防御も第一等であり,もちろん相撲もつよい。これは上位へ確実に登ってくる選手だろう。ブラジリアンらしい陽気さはドスサントスと似てる。ボチェックも柔術黒帯だが完全に運動能力とパワーで圧倒されていた。


Featherweight Pablo Garza vs. Mark Hominick
 アメリカの力石徹,『案山子 (Scarecrow) 』 のパブロ・ガーザはいい膝をもっているが,それをベテランのホミニクがどう対処するかがみどころの試合であった。
 大流血の試合となったが,肘を有効につかったガーザが勝利。うれし泣きをしていた。


Light Heavyweight Cyrille Diabaté vs. Chad Griggs
  とてもKO率の高いグリグスに対し,手足の長い39歳ストライカーのディアバテがどう賢く闘うかがみどころであった。デァビテのタイミングよく出した左がグリッグスの鼻っぱしらに入って効いた。最後は裸絞めで一本。
 これまでの軽量級とくらべると重量級の前座はなんだか雑で荒っぽく感じられたが,しかし,一発でもあたれば終るという緊張感があってこその総合格闘技であるからして,なかなか面白い試合だった。


Lightweight John Makdessi vs. Sam Stout
 松濤館空手の黒帯のマクデッシはデビューから連続KOだった強打の選手。彼の一発が当たれば面白い。一方,とくに破壊力の無いスタウトに勝機があるとしたら,寝技にもちこんで塩漬けの試合にすることだろう。

 序盤から打撃技術の高いマクデッシがボクシングのレッスンつけてるような感じになった。スタウトのうごきも完全に見切った感じで,巧みに頭を動かしてかわす。しかし一発を狙ってるかのようなマクデッシに対して,スタウトは休まずしぶとく攻める。マクデッシもちょこちょことパンチをもらうようになった。
 マクデッシはあれだけ技術差がありながらポンポン当てるだけで,ノックアウトできずに判定なんてやってるようではスター選手にはなれないだろう。


Featherweight Antonio Carvalho vs Rodrigo Damm
  アンデウソン・シウバがセコンドについたホドリゴ・ダム。かたや変幻自在の多彩なけりを出すカルヴァルホは判定で日本の日沖選手に勝ったことがあるという,松濤館黒帯の空手家。
 試合はダムが見切ったかんじで,序盤からどんどん間合いをつめていくが,カルヴァロのローキックがよく当たってたのを審判は採って判定でカルヴァルホ。


Preliminary Card
Welterweight Matthew Riddle vs. John Maguire

 リドルはレスリングで得た奨学金で学生レスリングをしてたが,レスリングコーチ が解雇されたせいで奨学金が切れ大学中退。それでプロ格闘始めたそうな。マイナー団体を経ずにいきなりUFCで試合をしている。 前回,クリス・クレメンツ Chris Clements に対してスタンディング・アームバーという奇抜な技でみごとに勝ったのだが,試合後にマリファナ陽性が出て無効試合にされたという。

 リドルはいつかのクリス・ワイドマンのようにえげつなく肘で相打ちを狙ったりするが,もっとリーチを生かして小さく真直ぐを出せばいいのに,とおもう。力をこめてぶんぶん振り回してるが,あまり当たらない。もっと踏み込んで撃てるようになれないと上へは行けないだろう。一方,リーチの短いマグワイヤの踏み込んだストレートの方がよく当たっていた。マグワイヤはもっと絞って下の階級に行くべきだろう。


Bantamweight Ivan Menjivar vs. Azamat Gashimov
 エルサルバドル出身のカナダ人メンジヴァーと,ロシアのガシモフ。UFC 初参戦のガシモフは11戦10勝で,サンボの達人だそうな,これは興味深い選手なので注目した。
 ガシモフは静かな選手かとおもいきや,意外と頭を振って積極的に動きまわる選手。かと思いきややはりサンボの選手らしく,つかまえるタイミングを狙っている。怪力であり,腕ひしぎされかかったのを強引に切ったりと荒っぽさもみせる。これは天才が現れたかなと思った矢先,メンジヴァーが腕をとって一瞬で試合を決めた。私は22歳のガシモフが天才らしく最後まで圧倒するかとおもっていたが, 「今日はホイス・グレイシーのように勝つ」 と虎視眈々とチャンスを狙っていたというメンジヴァーが見事に一瞬の隙をついて逆十字で極めた。ガシモフの腕は負傷したであろう。


Featherweight Darren Elkins vs. Steven Siler
 泥試合化してきたが28歳のエルキンスがいい頑張りを見せる。3Rからしか観ていないが,いいタイミングで右のクロスも入れてた。やはり判定でエルキンスであった。


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