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2013年3月3日日曜日

UFC on Fuel TV: Silva vs. Stann


Light Heavyweight Wanderlei Silva vs. Brian Stann
 全体的にフラストレーションの溜まるような試合の多い興行であったが,この試合がすべて帳消しにしてくれるような一戦であった。とにかく,ものすごい試合であった。
 両者,下がることなく真っ向からの殴り合い。PRIDE 黎明期のような試合であった。打ち合いはすべて相打ちであり,殴り殴られで,それに打ち勝って倒したヴァンダレイもすごいが,端整な顔を血まみれに して真っ向から向かっていったスタンの根性もすごかった。

 こんな試合を見せられると,もう何も言うことはなく,何も言うべきでなく,ただただ拍手するしかない。


Heavyweight Mark Hunt vs. Stefan Struve
 序盤はモタモタした試合展開で,またか,という感じであったが,しだいにマーク・ハントのパンチが当たりだして,最後は見事すぎるほどのノックアウトであった。さすがは K-1,PRIDE の立役者である。最後の渾身の左フックを振るったハント,ストルーヴが崩れるように倒れるのを観るやいなやその場できびすを返し,勝利を確信して両手を挙げていた。いかにもノックアウト・アーチストであった。ストルーヴは下顎骨折したらしい。

 何度か相打ちの場面があったが,最初はリーチのあるストルーヴの真っ直ぐがよく当たっていたのに,しだいにハントのパンチがよく当たるようになっていった。
 どういうトリックなのか知らないが,手の長いストルーブに対してまったくリーチ差を感じさせないようなマーク・ハントの魔法のような踏込みは,今後ジョン・ジョーンズと対戦する選手にとっても大変参考になるのではなかろうか。
 

Lightweight Takanori Gomi vs. Diego Sanchez
 五味と対戦するサンチェスは計量をパスできなかったらしい。プロとして失格である。五味は今回はテイクダウン対策をみっちり練習したらしく防御は良かったが,攻撃面で相手を最後までとらえきれなかった。それ以上にサンチェスが何をやりたいのかよくわからない試合をしていた。

 判定でサンチェスの勝ちであったが,どっちが勝ったとしてもいまひとつの試合内容であった。
 五味にとって,内容は良くても負けは負け。この負けは痛い。


Middleweight Yushin Okami vs. Hector Lombard
  雷 vs 稲妻という対戦であり,サンダー岡見がいかに立ち位置でもって強打ロンバードの稲妻パンチを封じ誤魔化すかが勝敗のカギだろう,と思って観ていた。
 が, しかしふたを開けてみれば,岡見が安定感たっぷりの試合を見せてくれた。ヘクターの速いパンチに対しても先手先手と先読みして,危なげなくさばいていた。きっとイメージどおりだったのだろう。むしろ岡見の速い右のジャブの方が鋭く感じられ,また実際よく当たっていた。最後,混戦から岡見のガードが下がり気味のところに,ロンバードのパンチが一発二発入り,ちょっと危ない展開にもなったりしたが,総じてみれば岡見が圧倒した感じであった。

 まさに,強い岡見が帰ってきた,という印象であった。


Featherweight Mizuto Hirota vs. Rani Yahya
 廣田は残念であったが,あまりにも実力に開きがあった。
 しかし,3Rでガス欠になって逃げまわるようなヤーヤという選手,あんまり好感もてない。


Welterweight Dong Hyun Kim vs. Siyar Bahadurzada
 一発のあるバハデュザダが圧倒するか思ってみていたが,キムが上手さで圧倒した試合であった。
 パンチのタイミングのことしか頭に無いバハデュザダに対し,キムの方が攻めが多彩で,テイクダウンをことごとく成功させていた。グランドの展開になればキムの方がはるかに上手く,まるでレッスンつけてるような試合展開となった。

 キム・ドンヒュンがまた着実に階段を上に登り始めた,という感じであった。


Middleweight Riki Fukuda vs. Brad Tavares
 序盤の福田選手がとても良くて瞠目したが,やはり攻めが単調なのか,しだいにタヴォーレスが見切るようになり,的確な打撃で迎え打たれていた。終ってみればいつものパターンであった。

 福田はまるでとりつかれたように前へ前へと出るのだけれど,それに対して相手が何を考え何を狙ってくるかとかそういうことは考える余裕はみられず,自分自身がくり返し練習したパターンの攻撃のことしか頭にないようであった。それを見切ったタヴォーレスの方が一枚も二枚も上手であった。


Bantamweight Takeya Mizugaki vs. Bryan Caraway
 かなりきわどい接戦であったが水垣選手が見事に判定勝ちをおさめた。中盤にカウンターをまともにもらって腰が落ちた場面があったが,なんとか持ちこたえた。水垣選手は,相手が出てくれば自分も出てゆく選手であり,いつも見ごたえのある試合をしてくれる。

 勝って号泣する水垣選手,ここまで大泣きできるのは,それだけの努力を重ねてきた証拠だろう。


Lightweight Cristiano Marcello vs. Kazuki Tokudome
 徳留一樹選手を観るのはこれが初めてであったが,なかなか強そうな雰囲気をもっている選手であった。格闘も上手く,サウスポーでアテ勘もあり,相撲も強く,いいハートももっているようだ。
 今後の課題を挙げれば,コンボが交錯すると頭が止まりがちなのと,押されるとまっすぐ下がってしまう悪い癖だろう。これは日本人選手全般にいえることだが,顔面への速いパンチに対する反応がどうも鈍い。鈍いなら鈍いでガードを高く掲げるとか,頭をつねに動かすとか対策があろうに,そういうことをしないで,まるで天才ボクサーがそうするみたいにガード下げてじっと静止して構えてたりする。それはパンチのおそい日本人相手なら通用するかもしれないが,世界のトップレベルには通用しない。世界の上に行くためには,速い打撃に丁寧に対処してできるだけパンチを顔面にもらわないように工夫することが大切だろう。
 
 いずれにせよ見事にUFCデビュー戦を勝った徳留選手はまだ25歳。これから日本の格闘界のエース的存在になるのではなかろうか。


Bantamweight Alex Caceres vs. Kyung Ho Kang
 韓国イケメン美男子格闘家のカンは,練習では強そうだけど,ケンカがあまり上手くなく,格闘センスもいまひとつという印象であった。一生懸命さは伝わってきたし,相手はガガンボのように非力なカセレスであったが,結局捕まえることが出来ず,最後まで翻弄された感じであった。


Welterweight Marcelo Guimaraes vs. Hyun Gyu Lim
 いい試合ではあったが,両者とも単発が多く,まるで誰かがコントローラで動かしているような格闘ゲームのキャラみたいなぎこちない動きであった。リムが出てくる相手に対して真っ向から打ち合いを挑むのはよかったが,パンチにキレがなかった。最後はリムがヒザでグィマライスをノックアウト。しかし前座としてどれだけ根性みせてくれるかと秘かに期待していたのだが,両者ともさほどに期待できる選手ではないというかんじであった。


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