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2014年1月4日土曜日

UFC Fight Night: Saffiedine vs. Lim

Welterweight Tarec Saffiedine vs. Hyun Gyu Lim
 リムは打撃主体の選手だが昔のプロレスラーのような構えでスリ足で寄って,ときどき雄叫びをあげるのが印象的であった。よく伸びるストレートは,序盤はサフィディンのキックに合わせるように出せて良かったが,疲れてくると攻めも防御も大雑把になっていった。
 一方,丁寧に丁寧にと攻めていたサフィディンが,次第に試合の主導権を握っていった。マーコートを倒しただけあって安定感のあるとてもいい選手である。つねにガードを高くかかげ,頻繁にスタンスをスイッチさせ,多彩な蹴りを見せたかとおもえばテイクダウンも狙ってくる。攻めも防御もキメが細かく丁寧という印象であった。ローキックが今日も冴え,リムの左腿は紫に腫れあがっていた。
 しかし勝利の確定した最終ラウンドは相手から距離をとり意図的に時間を稼いでいるような場面が目立ち,その点いまひとつな印象であった。一方,最終ラウンドで一気に追いつめて自分のラウンドにしたリムは大したものだった。
 

Featherweight Tatsuya Kawajiri vs. Sean Soriano
 川尻選手,まったく見事であった。私のヘボ予想は見事に外れた。心からおめでとうと言いたい。
 朽木倒しのようにして執拗にテイクダウンを狙い,自分の土俵で戦っていた。上体の力が大変強く,相手を倒すやいなやまるで水生半翅目の昆虫のように捕まえて離さない。あの立派な大胸筋は伊達ではなかった。
 序盤に相手の打撃をまともに顔面にもらっていたのが目立ち,今後の課題かという気もした。がしかし感触を得た相手が出てきたからこそ自分の土俵に持ち込めたわけで,川尻選手はあれでよい気がした。
 
 また川尻選手のマイク・パフォーマンスも良かった。勝者らしい笑顔がまた素晴らしく,底抜けの明るさがあり,英語ではナニ言ってるのかいまいちわからなかったがしかし伝えたいことをちゃんと伝えていた。スター性のある選手である。
 彼はアメリカでも人気者になりうる選手であり,早く本土上陸してきて欲しいものだ。


Featherweight Max Holloway vs. Will Chope
 序盤,チョウプの長い四肢に悩まされていた若きハワイアンのホラウェイであったが,相手の打ち終わりに踏み込んで的確なパンチを当て,徐々に自分のペースにしていったのが良かった。また,得意の回転しての後ろ蹴りを至近距離からくり出して,ボディーに強烈に当てていた。
 以前私は,ホラウェイには当てカンはあるが倒す力に欠ける,と書いたことがあったが,今回は長身の相手に対してガツンガツンと強いパンチを当て,キッチリ倒していた。まったく見事であった。

 

2 件のコメント:

  1. タレックは蹴ってる自分の足の甲も腫れてしまってたので仕方ないと言えば仕方ないですね
    むしろヒョンジュのガッツが素晴らしいというべきでしょうか
    あの雄叫びといい、日本人だとあの状況になると手はないと
    (実際足をあそこまできかされては相手が相当油断しない限り手はないのですが)
    奥底では諦めてるけど意地(見栄)でただ頑張るという感じになりますが
    彼には最後まで相手に対する闘志を失わないコリアン魂を見せつけられました

    ただ日本人としては川尻さんのFOTNの目がなくなっちゃうから無駄に頑張んなよと思いましたがw

    川尻は本当ドリーム魂を見せてもらいました
    初っ端の全然距離もあってないタックルを見た時は
    「あぁ~」
    と思ってしまいましたが
    終わってみればそれもまた熱い展開の一部でした

    ただ前述のタックルといい仰ってる打撃の反応の甘さといい
    初戦のテンパリによるものならいいですが
    そうでなければ歳もあるので不安要素ですね

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  2. コメントいただきありがとうございます。お返事が遅れてしまいすみません。

    なるほど,ヒョンジュの足の腫ればかりが気になって,タレックの足のことは気づきませんでした。途中,試合を放棄するのではないかとすら思いましたが,まさか最終ラウンドにあわやという場面がやってくるとは思いもよらず,驚かされました。格闘は観れば観るほどわからなくなっていくような気さえいたします。

    私は川尻選手の相手のソリアーノの試合をいくつか観ておりまして,これは相当イケる選手だろう,と当初思っていたのですが,ふたを開けてみれば川尻選手が見事な一本勝ち,これも正直かなり驚かされました。しかしUFCでは打撃力を持たないと判定に不利なばかりでなく,人気も出にくいという現実もあり,川尻選手は今後も判定勝利など狙わずに全試合生きるか死ぬかのイキオイで攻めてほしいところですね。

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