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2014年4月21日月曜日

UFC on Fox: Werdum vs. Browne

Heavyweight Fabricio Werdum vs. Travis Browne
 予想を外すは多々あるけど,この日のように,ここまで全試合の予想が外れる,というケースも珍しい。この試合は私はウェルドゥムの判定勝ちと予想していたのだけれど,世間の大多数はブラウン予想であり,この試合も予想が外れるのではないか,という感じさえした。

 結果的に,私の予想が唯一当たった試合となった。
 しかし,試合内容は,まったく予想外であった。意外にもウェルドゥムが序盤から積極的にどんどん前に出て,がんがんパンチを入れていった。その姿はとても好印象で,それまで嫌いだったこの選手を,少し好きになってしまったくらいだ。
 後半になってウェルドゥムの攻めは丁寧にやや慎重になったが,それでも手を休めず,小さなパンチを顔面に的確に当てていた。ボクシングにおいてブラウンを完全に圧倒していた。

 ブラウンは初回に拳とわき腹を骨折していたらしい。残念ではあるが,やはり私は序盤のウェルドゥムの積極性を評価したい。私が予想したみたいに序盤から慎重に距離をとり寝技ばかり狙っていたら,ブラウンの打撃力が最後まで生きてウェルドゥムは勝てなかったのではなかろうか。
 
 さて,これでウェルドゥムがヴェラスケスに勝てるかどうか,ということであるが,今日の試合をみるに,やはり無理なのではないかと思う。
 試合前から,ブラウンにはスピードがある,という声がよく聞かれたが,私はブラウンは決して速い選手ではないと思う。これまでの試合をみても彼の動きが特別速いと感じたことは一度もなかった。オフレイムを前蹴りでノックアウトした試合があったが,序盤は明らかにオフレイムの方が踏み込みは鋭く,打撃も速かった。ブラウンの前蹴りが当たったのは,それは速かったからでなく,単にオフレイムが油断していたからだとおもう。
 何がいいたいかというと,ウェルドゥムはうごきが遅い,ということ。あのスピードではヴェラスケスには絶対に勝てないだろうと思う。前時代の試合じゃあるまいし,いまどき寝そべって罠のごとく三角締めがすぱっと入るほど総合格闘は甘くない。
 

Women's Bantamweight Miesha Tate vs. Liz Carmouche
 近い距離から子供のけんかのようなパンチの応酬が目立ち,序盤はため息まじりで観戦していたが,だんだん女のたたかいの魅力に引きずりこまれていった。最終ラウンド,テイトが完全に優位に立ち,カームーシュをあと一息で攻略してしまいそうなときは,固唾をのんで見入ってしまった。終わってみれば,テイトのよさが出た,とても面白い試合だった。


Lightweight Donald Cerrone vs. Edson Barboza
 予想どおりバルボザのパンチもキックも斬れがあり,序盤からセローニを圧倒してたかにみえた。それで慢心したのか,セローニが軽く出したような左のパンチが出鼻に当たり,それが効いてしまう。百戦錬磨のセローニが見逃すはずもなく,一気に絞めあげて勝負を決めた。セローニという選手の勝負強さが出た試合であった。


Middleweight Brad Tavares vs. Yoel Romero
 ロメロが工夫してきた。パンチは蹴りで揺さぶりをかけた後でしっかり踏み込んでの真っ直ぐが主体であったし,またこれまで見たことないような妙なタイミングで出てきてタヴォーレスを翻弄していた。積極的に組んでレスリングもしてきた。タヴォーレスの方もいいパンチを何度か当てていたが,ロメロの方が終始上手だったし,圧倒していた。まったく意外だった。


Preliminary card
Lightweight Rafael dos Anjos vs. Khabib Nurmagomedov
 この若きロシア人,試合前にとろけるような笑顔である。これから死闘を前にしてこんなにうれしげな顔するというのもすごい肝っ玉である。

 ヌマゴメドスは変なパンチを打つという印象だったが,しっかり腰を入れたパンチを出していた。うごきは相変わらず多彩で, 試合内容でもドスアニョスを圧倒し,テイクダウンを何度もとっていた。彼はペティスとやっても勝てるのではなかろうか。
 

Welterweight Thiago Alves vs. Seth Baczynski
 2年ぶりの試合になるチアゴ・アルベスの試合,ブランクを感じさせず,じわりじわりと前に出てきては重たいパンチに,ローキックを出していた。豪傑である。こういう相手には下がってはならない。
 バゼンスキは序盤にうけたローキックが効いてきて,終始棒立ちでふらふらと跳びまわりながら変則的な打撃を出していただけだった。それでも何度かパンチを当てたりしていたが,その後の打撃が続かず,本気度の低いテイクダウンをだらだらと狙っては,相手を回復させていた。
 前座後半らしい中堅どころの,いまひとつ斬れ味もスピードも感じられない,言っちゃわるいがもたもたした試合であった。


Featherweight Estevan Payan vs. Alex White
 ホワイトは9戦全勝の24歳。軽量級の注目の新人である。パンチの連続技にバックブローを入れてきたりするが,あれはさほど有効ともおもえない。むしろ前へ出ながら連続してくり出してくる地味な真っ直ぐのパンチがの方がいやらしく,最後もそれを下顎に当てて,パヤンは一瞬意識を失ってしまった。やや上体が硬いという印象であり,今後に注目したい。


Welterweight Jordan Mein vs. Hernani Perpetuo
 24歳にして既に三十戦を超える戦歴(27勝9敗)をもつミエン,長い四肢を生かして距離をとって打撃をタイミングよくコツコツ当ててくるタイプであるが,さほどの爆発力や上手さをもった選手というわけではなさそうだ。
 パペチュオはキックボクサーらしいが,自分よりリーチのある相手に対して踏み込めず攻めあぐね,まったく良いところ無かった。
 かといってミエンも決定的な決め手をもっているわけでもなく,ひたすら両者ともに同じ動きがつづく膠着した,ある意味退屈な試合となった。


Preliminary card
Flyweight Dustin Ortiz vs. Ray Borg
 6戦全勝中のレイ・ボーグは20歳の若さ。5勝はサブミッションで勝っている興味深い選手。ダスティン・オーティズも25歳で12勝3敗という若い強豪であり,楽しみな一戦。

 ボーグはヒスパニクらしいが顔はアジア人のよう。オーティスの激しいプレッシャーに押され気味だったにもかかわらず,顔色ひとつ変えず終始おちついていた。オーティズも終始積極的で,好試合であった。しかしグラップリングはいいが,打撃に対する反応がいまひとつであったのがやや残念か。距離が近いと,速いパンチをわりとまともにもらっていた。

 若いボーグの上手さが光る試合かとおもったが,オーティズが終始積極的で,割れた判定をみごとにモノにしていた。


 

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