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2014年4月27日日曜日

UFC 172: Jones vs. Teixeira

Light Heavyweight Jon Jones vs. Glover Teixeira
 ジョーンズは後半になって本腰いれて肘を出してくる。それまでは長いリーチを生かしていろんなことをしてくる。今日は序盤にアンディ・フグみたいなかかと落しまでくり出していた。
  
 今日の試合でいちばん決定的な瞬間は,初回に組み合ったときのモロ差しだったテシーラに対して,その右腕をまるでカンヌキに極めるようにしてジョーンズが締め上げた場面だろう。それでテシーラは右肩を傷めたしまったらしい。それ以降テシーラの右はオープンブロー気味となり完全に威力を失ってしまった。残念であった。その状態のまま最終ラウンドまで闘いぬいたのだから大したものだ。
 
 また初回,ジョーンズの回転しての後ろ蹴りがテシーラの右脇腹にまともに入った場面があった。一瞬テシーラは顔をゆがめ,かなり効いたようであったが,それから何事もなかったかのように試合を続行していた。あのときテシーラはあばら骨を折っていたらしい。
 
 中盤以降のジョーンズはリーチを生かした闘い方でなく,終始ケージ際に詰め寄って闘っていた。距離があるとかえってテシーラの強いパンチが飛んで来ることから,あえて距離を詰めたらしい。見事である。ケージ際でのジョーンズの尖った肘がまるでカマイタチのようにテシーラの肉を裂き,今日も勝敗を決定的なものにしていた。

 初回にジョーンズがテシーラの肩を壊した「カンヌキ」は,とくに練習していた技ではなく,レスリング時代からあった暗黙の反則技で,それがとっさに出たものらしい。強い選手というのは繰り返し練習したうごきはもちろんのこと,「こうしたら相手は痛かろう」という攻めをアドリブで反射的に出せる選手のことを言うのだろう。


Light Heavyweight Phil Davis vs. Anthony Johnson
 フィル・ディビスが速さと目のよさで徹底的に誤魔化すかとおもったが,落ちついたジョンソンの反応がよく,デイビスが出るたびに相打ちにして,またことごとく打ち勝っていた。防御カンのいいデイヴィスの顔面にまともに打撃を与えて流血させた選手はおそらくジョンソンが初めてであり,それは高く評価されるべきことだとおもう。

 ジョンソンが頭角を現したことで,ライトヘビー級に新風が吹き込まれたかんじである。これは面白くなった。ジョン・ジョーンズをガスタフソンと再戦させるより,まず先にジョンソンとやらせてみたいものだ。


Middleweight Luke Rockhold vs. Tim Boetsch
 ロックホールドがボウチをまったく寄せ付けなかった。股でボウチの頭を抑えてのキムラ,あっという間に極めてしまって,ほとんど内容を憶えていない。


Lightweight Jim Miller vs. Yancy Medeiros
 オバマ大統領とイチローを足して二で割ったような顔のメデイロスは,うごきも反応もよく決して悪くない選手であったが,ミラーの方が上手であった。ギロチン・チョークであった。今日はギロチンで極まる試合が多かった。


Featherweight Max Holloway vs. Andre Fili
 両者とも二十台前半の若い好選手。フィリが終始力づよい打撃をよく届かせていたが,カーディオがいまひとつで,徐々にホラウェイのペースになっていった。打撃の力強さではフィリが勝っていたが,ホラウェイの打撃はタイミングがよかった。打撃ポイントは五分五分であったが,フィリは明らかに疲弊しており,最後はホラウェイがギロチン・チョークであった。
 

Preliminary card
Flyweight Joseph Benavidez vs. Tim Elliott
 初回は変則的な打撃で翻弄したエリオットのペースだった。何度かいいパンチをベナヴィデスはもらい,苦戦するかに見えた。
 が,徐々に盛り返し,最後はギロチン・チョークであった。フルマウントにちかい状態から両腕ごと足で抱え込んで極めたため,エリオットはタップすることが出来ず,両足をバタつかせてギブアップをアピールしていた。
 試合後ベナヴィデスが意気揚々と「面白い試合だった」と語っていたのが印象的であった。観ていてもスピーディーで面白い試合であった。


Lightweight Takanori Gomi vs. Isaac Vallie-Flagg
 手に汗握るクラシカルな殴り合いの試合は,われらが五味選手が制した。
 いちかばちかの相打ちで殴りあうようなスタイルは五味選手の得意とするところであったが,この日はフラグのコンパクトな右がよくて,最初から大振りしていた五味は苦戦を強いられた。
 このまま五味選手が押されてしまうのかと思ったが,中盤以降はジャブや真っ直ぐのパンチをよく混ぜて出すようになり,またそれがよく当たり,試合は混戦の様相に。どちらが勝ってもおかしくないような試合であったが,五味選手が見事な判定勝ちであった。

 観客から五味コールがわき,彼のアメリカでの人気ぶりがうかがえた。


Women's Bantamweight Jessamyn Duke vs. Bethe Correia
 無敗のコレイアはキックボクシングが上手いが相撲がいまひとつにみえたのは,デュークの柔道技が見事だったからであろうか。


Lightweight Danny Castillo vs. Charlie Brenneman
 ブレンマンもうごきのキビキビした選手であったが,カスティロがマイク・タイソンをそうふつさせるようなかがみ込んでから伸び上がるような右のフックだっただろうか,見事に顎をとらえて,芸術的な一発ノックアウトであった。


Bantamweight Chris Beal vs. Patrick Williams
 射程に入れば爆発するようにつよいパンチを出すビール。ウィリアムスも距離をうんと遠くとって飛び込んでくる身体能力が高くクリエイティブな好選手であった。

 堅実なボクシング主体で攻めていたビールが,最後はおもむろに跳んでの真空飛び膝蹴りであった。センセーショナルな勝ち方。
 これは面白い選手が出てきたものだ。これで9戦全勝。

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