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2015年4月18日土曜日

UFC on Fox: Machida vs. Rockhold 感想

 メインイベントのマチダ対ロックホールド以外はすべての予想が当たり、ある意味わかりやすい大会だったわけだが、内容的にも実に良い試合の多かった興行であった。
 ダナ・ホワイト氏も実に満足げな顔をしていた。とくにロックホールドとジャッカレという二人の好選手が実に素晴らしい試合をしたことは、次の挑戦者を決める上でも嬉しい悲鳴であったろう。
 ここでジャッカレイに次の王座挑戦権を与えたとしたら、ホワイト氏は選手おもいの信頼できるボスだとおもうし、口達者なロックホールドを贔屓して彼に挑戦権を与えるようだと、私はあまり彼のことを好きにはなれないだろう。
 
 試合後の会見ではロックホールドに質問が集まり、置き忘れられたかのようであったジャッカレは口を真一文字に結んで仏頂面であった。
 が、ある時点でふっ切れたさわやかな表情になっていた。
「相手が誰だろうと、何度でも勝てばいい、さすれば結果は必ずついてくる」
 と、自分自身に言い聞かせたかのようであった。


 
Middleweight Lyoto Machida vs. Luke Rockhold
 ロックホールドのつよさもであるが、私的にはむしろマチダの脆さが出たという印象であった。
 試合を決めたのは初回のロックホールドの右のクロスのフックだったろう。ショーグンがマチダを倒したときと似たカウンターのパンチであったが、ショーグンのほど絶妙なタイミング、というわけではなく、マチダの踏み込みをよく見たロックホールドがやや遅れ気味にオーバーハンド気味にかぶせるように出した右のフックが頭部のどこかに当たり、それでマチダがバランスを崩してあっさり転んでしまった。そこでロックホールドがすかさず攻め勝敗を決定的なものにした。初回終了時点で、もはや勝負があったようにみえた。

 マチダにはガラスのような脆さがあり、劣勢から奮起してがむしゃらに勝つということは少ない選手である。序盤にタイミングよく入っていたマチダの打撃に対して、ロックホールドはまったく慌てることがなかった。また、マチダの打撃がほとんど効いてなかった、というのもあるだろう。そういえばワイドマンにも効いてなかった。私の予想は大きくはずれ、マチダの完敗であった。

 試合前に気合いの入った顔をしていたマチダに対し、ロックホールドは不敵なほどに落ち着いていたようにみえた。自信があったのだろう。また、「マチダがおもったほど速くなかった」としきりに言っていた。ここまで完敗してしまうと、もう36歳のマチダは引退を考えるのではなかろうか。
 初回終了間際、ロックホールドの全体重ののった肘がマチダの側頭部に当たり、ものすごい音をたてていた。マチダの頭蓋は大丈夫であろうか。試合後、病院に直行したそうである。ダメージが心配である。
 

Middleweight Ronaldo Souza vs. Chris Camozzi
 まず予想通り、ソウザがあっさりと勝負を決めた。
 言うまでもなくジャッカレの圧倒的な強さであったが、次の試合のロックホールドの勝ちっぷりの方があまりに見事で印象ぶかく、また興行的にも魅力的なだけに、ジャッカレが順番をすっとばされることになりそうである。となると、かなりジャカレかわいそうである


Featherweight Cub Swanson vs. Max Holloway
 予想通り本大会一番の好試合になったわけだが、強振を狙ってくるスワンソンに対し、ホラウェイの距離の取り方に出入りのタイミングが絶妙で、相手に最後まで強振させなかった。
 
 二十代前半のとろんとした目のかわいい顔したホラウェイだったが、歳とともに殺気ある脂ののった強い格闘家の顔になってきた、というのが最初の印象だった。
 強打のスワンソンに対して恐れることなく積極的に踏み込み、また攻めも上に下にと多彩で、まさに殊勲の勝利だった。


Women's Strawweight Felice Herrig vs. Paige VanZant
 ペイジ・ヴァンザントは単純につよい、という印象であった。この選手も上位に登ってくるだろう。最後までペースがまったく落ちぬカーディオに、ケンカ流のがむしゃらな首投げ。華奢な上体に比してしっかりした足腰。手足は終始休むことなくいつも何かしらをして攻めていた。実にケンカのつよい選手である。
 ロンダ・ラウジーひとりが抜きんでた女子バンタム級とはちがい、女子ストロー級は粒ぞろいで面白い。


Lightweight Jim Miller vs. Beneil Dariush
 接近してのぶつかり合いではやはり力強いミラーに分があるようにみえたが、ダリウーシも誤魔化すどころか負けることなくよく打ちあい、耐えしのぎ、みるみると自分の土俵に引きずり込んでいた。25歳とは思えない老獪な闘い方をする選手である。


Light Heavyweight Ovince Saint Preux vs. Patrick Cummins
 型にはまらないセイントプルーが、ボールをトスするような無造作なアッパーをカミンスの出鼻に当て、それが突破口となり見事にノックアウトした。
 が、内容的には必ずしもよくなかった。初回の見事な体のキレは二回から見られなくなり、バランスも悪く、カーディオに懸念アリな選手というのがよくわかった。


Light Heavyweight Corey Anderson vs. Gian Villante
 ヴィランテのローキックが序盤からよく当たっていたが、距離のとり方もパンチのタイミングと的確さもアンダーソンの方がうまく。私はアンダーソンが勝つのではないかと思って観ていた。
 が、あれだけローキックをもらっていながら、まったく対応せず、もらい続け、最後にパンチの交錯で沈んだのはアンダーソンの方だった。相手の攻めに対して全く学習せずに同じ蹴り技を何度も何度ももらってた。いくら敏捷でいい攻めをしていても、頭を使えずアジャストできない選手はよわいということだ。

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