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2012年12月30日日曜日

UFC 155: Dos Santos vs. Velasquez II

Heavyweight Junior dos Santos vs. Cain Velasquez
 一年を締めくくるにふさわしい,すばらしい試合であった。今回は予想的中で,多彩な攻めをみせたヴェラスケスがJDSを圧倒した。
 
 JDSを入念に研究した 上でそれを徹底的に実行したことがヴェラスケス・サイドの勝因だろう。強打で知られるJDSの大きなパンチを怖れず,序盤からジャブを出しつつ前へ前へと出て行ったこと,そして執拗なまでのテイクダウン・アテンプト。どんなに疲労してもガードが下がることはなく,いつも頭を振りながら入ってゆく。これらは練習の賜物だろう。一方のJDSは中盤以降ガードは下がりっぱなしで,足がそろって棒立ちな場面も何度かあった。そこらへんにも両者の勝敗の分かれ目が見えた。

 初回にヴェラスケスが放ったジャブがJDSの鼻柱に入り,その後に人中あたりにワンツーがまともに入った。さらにオーバーハンドの右のストレートがアゴにまともに当たり,これが試合の流れを決定づけた。そして何度も何度も繰り返されたテイクダウン・アテンプト。ヴェラスケスはレスリングの専門家である。当然いくつかは成功するわけで,それがJDSを疲弊させ,一貫してヴェラスケスのペースとなった。
  
 顔を大きく腫らしたJDSの敗因はパンチの振りが大きいことと,寝技からは逃げるしか出来ないことの二点であったろう。どんなに強打の選手でも,フックや アッパーなど大降りばかりでは勝てない。やはり本当につよい選手は,真っ直ぐがいいのである。これはボクシングや格闘にかぎらない。それでもJDSのパンチと裏肘は最後まで斬れがあり,何度かタイミングよく当たっていた。そのたびにヴェラスケスはテイクダ ウン・アテンプトもしくはクリンチすることで誤魔化しきった。これも練習の賜物であろう。メンタルが弱い選手だったら下がってしまったろうという場面は何度もあっ たが,ヴェラスケスはどんな場面でも絶対に下がることなく終始前へ前へと出ていた。

 選手だけでなくセコンドの違いも勝敗に大きく関与すると感じた。ヴェラスケスのセコンドの指示は,常にプレッシャーを与えろ,ジャブから入れ,など簡潔明快であったのに対し,JDSサイドのセコンドの指示は細やかなテクニカルな指示が多く,あれだけのダメージを負い疲労困憊な選手本人の耳に入っているかは疑問であった。
 

Lightweight Joe Lauzon vs. Jim Miller
 野蛮人と新人類の対戦のようであったが,これもファイトあふれる大流血戦となった。パンチと肘をよく当てていたジム・ミラーが判定で勝ったが,ロウザンも最後に足をとってあわやという場面があり,セミファイナルにふさわしい好試合であった。


Middleweight Tim Boetsch vs. Costa Philippou
  ティム・ボウチといえば岡見勇信から金星をあげた選手だが,さほど器用でない。今回もそのとおりの試合であった。はっきりいって,つまらない試合。残念ながらこれも予想どおりであった。


Middleweight Yushin Okami vs. Alan Belcher
 わりとまともにベルチャーのパンチをもらう場面があったのが気にはなったが,前回同様に岡見が相手を封じ込め相撲をとらせずに勝った感じであった。

 岡見の上手いのはわかるのだが,一体どういうふうに試合を終らせたいのかよくわからない。パウンドするでもなく肘を当てるでもなく単に柔道のおさえ込みを狙っているかのようで,何をもって勝利につなげようとしているのかいまひとつよくわからなかった。

 また岡見には,いまひとつ観客を湧かせる攻撃の斬れ味というか,見せ場が無いのも大きな欠点だろう。彼の試合は勝つための試合はこびというより,負けないための試合はこびであり,こういう試合ばかりする岡見に対し興行者側としてはまたタイトル挑戦権をぜひ与えたい,とは思わないのではなかろうか。


Middleweight Chris Leben vs. Derek Brunson
 これも実につまらない試合であった。

 明らかな体力差で序盤にダメージを与えたブランソンが判定で勝つには勝ったが,攻めのつめが甘く,また持久力が足りず,まるで練習不足のようであった。しかも,こんなつまらないダレた試合をしておいて,試合終了は勝利を確信して喜びの絶叫などしていた。頑張って勝てて嬉しいのはわかるけど,これはアマチュアでなくプロの試合である。観客に選手のガッツが伝わってこないような試合をやっているようでは,プロとして失格だろう。


Bantamweight Brad Pickett  vs. Eddie Wineland
 ブラッド・ピケットはマイク・タイソンのようなピーかブースタイルで踏み込んでくるが,ワインランドの方がよく相手が見えてるようで,アッパーがいいタイミングで入ってる。ただし,まるでボクシングの試合のようでもあり,総合格闘の試合としてはいまひとつであった。


Featherweight Leonard Garcia vs. Max Holloway
 ホラウェイは期待の若手21歳。ローリングソバットみたいな後ろまわし蹴りがよく相手のボディーに入るし,パンチもタイミングよくソリッドに入るのだが,やや非力である。
 判定が割れたが,ホラウェイが勝利した。

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