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2012年12月8日土曜日

UFC on Fox: Henderson vs. Diaz

Lightweight Benson Henderson (c) vs. Nate Diaz
 下半身が安定し上体が柔らかく蹴りを多用してくるヘンダーソンを相手に,ディアズがどれだけ距離をつめてパンチを当てられるのかが見どころであったが,やはり予想どおりヘンダーソンを攻略することは出来なかった。体格差がかなりあったにもかかわらず,小さなベンヘンが大きなネイトをまったく寄せつけずに圧倒した形となった。

  ベンソンはエドガー戦でも見せた様に序盤から強烈なローキックでもって攻めこんだ。腰高なネイトに対して下半身への攻めはとても有効で,組み合ったときの安定感に大きな差が出た。ときおり相手の腿を狙ってパンチを当てるシーンまであったが,これが意外にも相手のバランスを崩すのにとても有効であった。

 何度かネイトがベンソンの足を取った場面もあったが,まるでチラノサウルスのようなベンソンの足は極めるのが物理的に困難なようで,ベンソンもあわてることもなく脱出していた。また,ベンソンの足が前後に開脚してまるで相撲の股割りのような体勢になった場面もあったが,テコンドーの選手らしく股関節が柔らかいベンソンは平然としていた。

 チャンピオンらしく観客の視線も意識して強引なラフ・ファイトも見せたりして,だいぶ余裕すら感じられた。ベンソンの安定した闘いぶりを見るに,ライト級で長期政権を築くことになりそうなかんじである。



Light Heavyweight Maurício Rua vs. Alexander Gustafsson
 これも予想どおりガスタフソンが圧倒したが,思いのほか斬れ味に欠けたのが残念であった。
 とくに今日は彼の攻撃力よりも,むしろ意外にタフで打たれ強いことの方が目立った試合であった。何度かショーグンのいいパンチ,とくにオーバーハンドの大きな右をまともにもらっていた場面があったが,ガスタフソンはわりとケロッとして何事もなかったかのように攻勢に転じていた。あのオーバーハンドの右でもってリョート・マチダを倒したショーグンとしては,少なからぬ衝撃だったのではなかろうか。

  ショーグンは今回もあまりよくなかった。試合ごとに悪くなっていっているような感じさえする。UFCライトヘビーの王座を獲得した頃は,リョートのカウンターにも実に敏感に反応していたのだけど,今回も,前回の試合でも,自分のおもうように体が動かないようなかんじで相手のパンチをまともに顔面で受け止める場面が数多くみられた。あれだけガスタフソンの打撃をもらってしまうショーグン,今後もどんどん下降してゆくのではなかろうか。心配である。
  

Welterweight B.J. Penn vs. Rory MacDonald
 UFCの古豪が若い選手相手にどう闘うか見物であったが,やはり予想どおりマクドナルドが圧倒した。

 マクドナルド選手は左のリードブローがよく伸びるし,距離が近ければそれが肘となり,ボディーへのアッパーとなる。ボディーブローがミドルキックとあわせてとても有効で,BJは何度か動きが止まるシーンがあった。ただし,彼がときどき出していたまわし蹴りはあまり良いものでなく,もっと反応の良い相手であったらあの蹴りがつけ入られる隙になったかもしれない。

 BJはとても軽量級とは思えない弛んだ腹をしており,きびしい練習メニューを消化してきたトップクラスの選手とはとても思えなかった。UFCのトップ選手としては明らかに下降線の途上であり,この試合で引退してもよいくらいであった。

 予想どおりのマクドナルドの圧勝だったが,惜しむらくはノックアウトできなかったことだろう。
 しかしマクドナルドの安定感と慎重さは特筆すべきものであり,もしかしたらGSPにとってヘンドリックスよりも大きな脅威になるかもしれない。しかしながらマクドナルドはGSPと仲良しであり,彼のことを深く尊敬しているそうで,マクドナルドがGSPと対戦することはなさそうである



Welterweight Mike Swick vs. Matt Brown
 スウィックの前回のKO劇が印象的だったしブラウンの戦績もさほどパッとしないことから,今回も豪華なノックアウトが見れるかと思っていたが,ブラウンが左フック右ストレートのワンツーをタイミングよく当てノックアウトした。



Preliminary Card (FX)
Lightweight Yves Edwards vs. Jeremy Stephens
 26歳のジャーミー・スティーブンスはKO率の高い打撃の選手。まるでマサカリでも振り回すようにして大きな右のハンマーパンチを放ってくる。風切り音かここまで聞こえてきそうである。一方,今回が61戦目の大ベテラン,サウスポーのエドワーズがスティーブンスの打撃をどう誤魔化すかが見物だろう。

 と思っていたら,エドワーズがうまくカウンターを当て,あっさりノックアウトした。スティーブンスのような荒削りな打撃主体の選手は,弱い相手には滅法強いけれども,そこそこ経験を積んだ選手が相手だといくらでもつけ入る隙があるということか。


Bantamweight Raphael Assunção vs. Mike Easton
 ブラジリアン柔術とテコンドーで黒帯のマイク・イーストンは全身にバネと力のある選手だけど,あんまり器用でないかんじである。ただしテイクダウン防御はなかなかのものであった。テコンドーの達人というのは概して下半身が安定していてバランスがいい。

 一方のアサンサオはスタンスを頻繁にスイッチして,相手の出鼻にあわせるように当てるのが上手い選手であった。判定でアサンサオが勝った。



Lightweight Ramsey Nijem vs. Joe Proctor
 24歳のニジェムが判定勝ちであったが,若い選手らしく荒削りで豪快な打撃をおもいきって放ってくる,なかなか見ていて面白い選手であった

 

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