Welterweight Carlos Condit vs. Martin Kampmann
これも予想どおりメインらしい好試合で,ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞していたかと。
打撃主体で来ると思われていたケンプマンが,序盤からいきなりタックルから入ってきたのが意外であった。結果,コンディットは距離感がうまくつかめないまま中盤へともつれ込んでいった感じであった。
しかし中盤から前のめりにバランスを崩しぎみに放つコンディットの連打がよく当たるようになり,徐々に徐々にコンディットのペースになっていった。最後は裸締めで一本であった。
文句なしに強かった,コンディット。
Lightweight Donald Cerrone vs. Rafael dos Anjos
ドス・アンジョスが序盤から圧倒するかに見えたが,セローニもバランスが抜群で相撲では負けず,後半は完全に盛り返していた。
ブラジリアンらしい,と言っていいのかどうか,ドス・アンジョスは最終回は急に失速してしまっていた。後半盛り返されて試合終了ガッツポーズというのは,どうもあまり見栄えは良くない。
Welterweight Kelvin Gastelum vs. Brian Melancon
パンチの応酬ではメランソンが圧倒するだろうと予想していたのだが,蓋を開けてみるとガステラムが強打を放ってくる相手に対して臆することなくぐいぐい前に出て打ち勝っていた。
強打の相手には臆せず前に出ろ,という鉄則どおりだが,とほうもない勇気である。
強振してくる相手に対して,真っ直ぐとアッパーを交えたコンボでぶつかっていた。ガステラムは打撃のセンスも勇気もあり,かなりいい選手である。いずれ必ずや王者になるであろう。
Welterweight Court McGee vs. Robert Whittaker
序盤の打撃戦では明らかにウィテカーの方が上手く,主導権をとりつつあるかにみえた。
しかし, いくら相手が上手くても,マギーはあの手この手と工夫をこらしながら,諦めずにごりごり押して押して押しまくっていた。さすれば必ずチャンスが到来するものである。
いいところで何発かパンチを当てたマギーが徐々に盛り返し,最終的には判定で勝利した。マギーの見事なパフォーマンスであった。
ウィテカは立ち姿勢で,相手の出鼻に合わせておもむろに肘を出したりしていた。そういうえげつない攻めなのかもしれないが,もしかしたら試合中に拳を傷めていたのかもしれない。たしかに中盤以降パンチに力がなかった。
Bantamweight Takeya Mizugaki vs. Erik Perez
ペレスは身体能力でもスピードでも水垣選手を上回るであろうと思われ,水垣ファンの私としては悲鳴の連発になりそうな予想であったが,なかなかどうして水垣選手が見事な試合をみせてくれた。
相手が出てくれば自分も絶対に下がらずに前に出て,相打ちをねらって迎え撃って出ていた。反応もよく,相手の出鼻に古武術みたいなオーバーハンドを何度か当てていたのが印象的であった。タックルにもよく耐え,無駄にポイントを奪われるのを防いでいた。
ぶつかるときはぶつかり合い,組むときは組みの,誰が見ても文句のない好試合を見事制したわけで,水垣選手にとってとても価値ある大きな一勝だったのではないだろうか。
Middleweight Brad Tavares vs. Robert McDaniel
タヴォーレスが安定感をみせた試合であった。
序盤は相手をしっかり観て,初回の終わりごろから自分の流れを作り出す選手である。
左のローキックで,マクダニエルの右の太ももが真っ赤に腫れあがっていた。
マクダニエルが後半よく頑張り盛り返した場面もあったりして,面白い試合であった。
Featherweight Darren Elkins vs. Hatsu Hioki
序盤から日沖はとてもいい感じで距離を支配して,優位に試合を進めていった。初回に何度か当てた前蹴りも,つま先がいいところに入り,かなり効いていた。あのボディーへのトゥ・キックが効いていたために,その後エルキンスの強打が完全に封じられたかんじであった。序盤は明らかに日沖の思惑どおりの試合展開だったのではなかろうか。
しかし,結果は残念ながら私の予想したとおりになってしまった。
日沖としては,初回のあの蹴りが効いたときに,もっと積極的に前に出てラッシュをして終わらせるべきだったのではなかろうか。
つま先が相手の腹にめり込んで相手が悶絶しかかっているというのに,日沖選手は淡々としていた。そういう日沖選手の姿を観るたびに,一体何をしたいんだこの格闘家は,と歯がゆく思ってしまう。
いくらツゥ好みな格闘が出来たとしても,相手を倒すことへの貪欲さをアピールできないとアメリカでは食ってはいけないようにおもう。
そしてそれは格闘にかぎらない。何をするにしてもそうである。
アジア進出をねらうUFCとしては,日本人選手に勝ってもらいたいようなカードを組んできているように見受けられるのだが,そのたびに日本人選手が試合を落としてしまっている。
日沖のような玄人ごのみ(?)の地味な闘い方はUFCではあまり評価されないだろうし,勝てない戦法ならそれは玄人ごのみではなく,ただの独りよがりである。 判定に不服があったとしても,前回も今回と似たような試合内容で負けていた日沖選手が今後UFCに残れるのかは疑問である。
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