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2013年9月22日日曜日

UFC 165: Jones vs. Gustafsson

Light Heavyweight Jon Jones vs. Alexander Gustafsson
 よほどのまちがいでも無いかぎりジョン・ジョーンズが圧倒するであろうと思っていたが,リーチのあるガスタフソンはジョーンズの肘の距離に踏み込まずともパンチがよく届き,ジョーンズはかなりの苦戦を強いられた。
 ガスタフソンが善戦したもうひとつの要因は,なんと言ってもテイクダウン防御だろう。ジョーンズのアテンプトをことごとく防いだばかりか,最初にジョーンズからテイクダウンを奪ったというのも大きかったろう。ジョーンズの肘とテイクダウンを封じてしまったために,パンチとローキック主体のキックボクシングのような展開となり,そうなると一日の長があるガスタフソンの土俵であった。
 そしてガスタフソンが善戦した三つめの要因は,彼のタフネフさではなかろうか。予想ではタフネフさゆえに攻めも守りも雑だと評したが,この試合をここまで面白くしたのも彼のタフネフさであったろう。ジョーンズの肘やハイキックなどをかなりまともに頭部に受けていたが,最後まで闘っていた。とほうもないタフネフさである。 

 ガスタフソンの善戦が話題になるのだろうけど,チャンピオンもよく頑張ったとおもう。ガスタフソンに先手をとられ流血もして八方塞に近い状況になった場面もあったが,よく頑張っていた。善戦したガスタフソンも褒めたいが,見事に試合を自分のものにしたジョーンズも大したものだろう。一週間前に見事な防衛戦を演じたメイウェザーとことごとく比較されたり,人気の無いチャンピオンと評されたりと,試合前の重圧も大きかったのではなかろうか。その中でよく責任を果たしたものだと思う。
 今年いちばんの好試合だったのではなかろうか。


Bantamweight Renan Barão vs. Eddie Wineland
 バラオのような駒数の多い選手には,ボクサー格闘家では勝てないだろうと予想していたが,結果的にそのとおりになった。
 ワインランドのパンチも斬れ味があってタイミングもよく,試合として決して申し分の無いものであったが,離れ際にバラオがくり出した回転後ろ蹴りがワインランドの頬桁にまともに当たって,それが決まり手になった。

 
Heavyweight Brendan Schaub vs. Matt Mitrione
 不動のミトリオーネ予想であったが,ブランダンが見事に絞めて決めた。会心の勝利で実に嬉しそうであった。
 ブランダンの打撃が大したことがないと見切ったあたりで,ミトリオーネのうごきがやや緩慢になったようにも思えたが,それでもチャンスを見事にモノにしたブランダンを褒めるべきだろう。ナイス・ファイトであった。


Middleweight Costa Philippou vs. Francis Carmont
 両者の実力的にもこの試合が本興行いちばんの好試合なるだろうとおもっていたが,テイクダウンを狙ってたカーモントに対して,グラウンドではからっきしのフィリッポウはまるで話にならなかった。


Lightweight Pat Healy vs. Khabib Nurmagomedov
 こんにゃくみたいにふにゃふにゃと下がっては,おもむろに変則的な打撃をまるで拳を放りなげるようにしてくり出してくるヌマゴメドフ。一見するとさほどに強そうにも見えないのだけど,きわめてねちっこく,きわめてパズルの解読しにくい選手だろう。テイクダウンも上手であり戦績を伸ばしてきている。ただし,ロシア選手らしい破壊力抜群というタイプではない。

 タイトル挑戦をアピールしていたが,ベンドーやペティスと張り合えるほどの実力かどうかは,まだよくわからない。


Lightweight Mike Ricci vs. Myles Jury
 序盤,あれこれ試してくるリッチに対して,ジューリが地味な構えから電光石火のカウンターを当て,組んでからもジューリがリッチを高々と抱え上げてスラム。これは早期の決着を予想させた。
 しかし,寝技で両者膠着した際にリッチがジューリの側頭部に肘をコツコツ当てていた。それでなんだか流れが変わった感じであった。格闘てのは立ち技で主導権を握っていても膠着したときのこういうセコイ技でがらっと流れが変わったりするから怖ろしい。

 ジューリは二回以降は焦ったようなかんじで打撃も大振りで雑になり,組めば執拗に相手の足をつかんで膠着する攻め方をしており,紙一重の攻防ながら試合そのものは見ていて面白くなくなってしまった。


Bantamweight Ivan Menjivar vs. Wilson Reis
 序盤から小さな打撃をタイミングよく当てていたメンジバーに対し,明らかに届かない距離で大振りしてみせるヘイス,打撃に関してヘイスは面構えほどの選手でもなさそうである。
 ヘイスはテイクダウンをよく取っていたが,メンジバーも上手に脱出していた。上手さという点においてもメンジバーが上まわっているように見えた。

 このヘイスという選手,ブラジリアンで筋肉も多い選手だけど,いいカーディオをもってるのが彼の大きな長所のようだ。淡々としたメンジバーよりもガツガツとしていて,勝負にかける執念は強そうな,そういう意味ではいい選手っである。
 テイクダウンをほぼ全部決めて,判定勝ちした。
 
 打撃の無い選手がひたすらテイクダウンを狙って勝ってしまうという試合は,ある意味面白味に欠けるところがあるが,判定になった以上は仕方が無い。


Welterweight Chris Clements vs. Stephen Thompson
 トンプソンが打撃戦を制したが,グランドでの展開も無かったわけではなかった。フルマウントになった場面があったのだが,せっかくのチャンスをフイにしてしまっていた。他にもツメの甘さを感じさせる場面が何度かあった。打撃をあてて格好よく勝ったけどツメの甘い選手であり上位には来れないではなかろうか。

 レスリングとか柔道で全米ないし世界選手権レベルでやってきた選手ってのは総合格闘にきてもかなり上位まで来るけど,ケンポーカラテみたいなマーシャルアーツへの憧憬から入ってきたような選手というのは紙一重の攻防において勝負のツメが甘いところがあるように思う。


Bantamweight Mitch Gagnon vs. Dustin Kimura
 ギャグノンが序盤から顔面とボディーへのパンチをよく当てて主導権を握っていた。
 キムラもよく応戦して,いいボディーブローであわや逆転かという場面があったが,すかさず組みにきたギャグノンが上手かった。
 
 最後はギロチン・チョークによりキムラは失神。
 なかなかスピーディーで見ごたえのある試合であった。
 ギャグノンは勝利の全てがサブミッションによるものとなったが,打撃もいいものをもっており好選手である。
 

Bantamweight Alex Caceres vs. Roland Delorme
 ブルース・リロイことアレックス・カセレスの試合は,カラテ・キッドみたいでなんだか危なっかしくて,わりと楽しめてしまう。

 

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